取り合えず,
Rを単位的可換環としV,Wを自由左R加群とする。
この時,span(V×W)が左R加群をなす事を下記のようにして示しました。

span(V×W)の基底はV×Wの元全体で
∀x,y,z∈span(V×W),α,β∈Rを採ると
x=(Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i)
y=(Σ[i=1..k]c_iv_i,Σ[i=1..l]d_iw_i)
z=(Σ[i=1..m]e_iv_i,Σ[i=1..n]f_iw_i)
(但し,v_i,w_iはそれぞれV,Wの元,a_i,b_i,c_i,d_i,e_i,f_iはRの元)
という形をしている。
加法に関して群をなす事を示す。
(i) 加法について閉じている事を示す。
x+y=(Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i)+
(Σ[i=1..k]c_iv_i,Σ[i=1..l]d_iw_i)
=(Σ[i=1..h]a_iv_i+Σ[i=1..k]c_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i+Σ[i=1..l]d_iw_i)
と数ベクトルのように成分同士足してもいいのでしょうか?

∈span(V×W)なので加法について閉じている。

(ii) 結合法則を満たす事を示す。
(x+y)+z=((Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i)+
(Σ[i=1..k]c_iv_i,Σ[i=1..l]d_iw_i))+(Σ[i=1..m]e_iv_i,Σ[i=1..n]f_iw_i)
=(Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i)+((Σ[i=1..k]c_iv_i,Σ[i=1..l]d_iw_i)+
(Σ[i=1..m]e_iv_i,Σ[i=1..n]f_iw_i))
となる事は明らか。

(iii) 零元が存在することを示す。
左R加群の定義よりVとWには零元0_v,0_wが存在する。
よって span(V×W)の零元として(0_v,0_w)が採れる。
実際, x+(0_v,0_w)=(Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i)+(0_v,0_w)
=(Σ[i=1..h]a_iv_i+0_v,Σ[i=1..j]b_iw_i+0_w)
=(Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i)

(iii) 逆元が存在することを示す。
xの逆元として(-Σ[i=1..h]a_iv_i,-Σ[i=1..j]b_iw_i)が採れる。
実際,
(Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i)+(-Σ[i=1..h]a_iv_i,-Σ[i=1..j]b_iw_i)
=(Σ[i=1..h]a_iv_i-Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i-Σ[i=1..j]b_iw_i)
=(0_v,0_w).

(iv) 加法に関して可換である事を示す。
x+y=y+xは明らか。

(v) 乗法に関して閉じている事を示す。
xy=(Σ[i=1..h]a_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_i)(Σ[i=1..k]c_iv_i,Σ[i=1..l]d_iw_i)
=(Σ[i=1..h]a_iv_iΣ[i=1..j]c_iv_i,Σ[i=1..j]b_iw_iΣ[i=1..l]d_iw_i))
両成分ともV,Wの元の一次結合として表されているので
xy∈span(V×W)

(vi) 乗法に関して結合法則を示す。
(xy)z=x(yz)も(ii)と同様にして示される。

(vii) 分配法則, (α+β)x=αx+βy,α(x+y)=αx+αyも同様にして示される。

(viii) (αβ)x=α(βx)も同様にして示される。

Rの単位元を1とすると
(vix) 1x=xも明らか。

よってspan(V×W)は左R加群をなす。

したがって,

> これが零元であることを確かめてみると
> (0,0)modT+(x,y)modT=((0,0)+(x,y))modT(∵テンソル積の和の定義)
> =(x,y)modT (∵(0,0)はspan(V×W)での零元?)
> うーん,(0,0)がspan(V×W)の零元であることはどうやって言えますでしょうか?

上記より(0,0)がspan(V×W)の零元である事が分かりましたので
(0,0)modTがV(×)Wの零元になっているのですね。

続いて

> これが逆元である事を確かめてみると
> (x,y)modT+(-x,y)modT=((x,y)+(-x,y))modT
> うーん,これもこれら=(0,y)modTに持っていけません。

((x,y)+(-x,y))≡(0,y) modTである事を示せばいいので
(x+(-x),y)-(x,y)-(-x,y)∈Tだから(∵Tの定義)
即ち,(0,y)-(x,y)-(-x,y)∈T
即ち,((x,y)+(-x,y))≡(0,y) modT

よって(-x,y)modTは確かに(x,y)modTの逆元になってますよね。

こんな感じで宜しいでしょうか?