小林@那須です。再度の説明有難うございます。もう一度考えて見ました。自然の対称性
と解析関数の唯一性を補ってやって、やっと納得できる説明になりました。私の能力では
等角写像だけでは説明できませんでした。

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>(a) 等角写像の定義
>(b) 解析関数が(微分係数0の場所を除き)等角であること
>(a)(b)の少なくとも一方は御存知でないようですね。

私の「等角写像の定理」の理解は f'(z) が z0 で存在するならば下が成り立つことです。

 1 z0 を頂点とする微小三角形を f(z) で写像してやると相似な三角形になる
 2 abs(f'(z0)) が相似三角形の倍率になる
 3 arg(f'(z0)) が相似三角形の回転角になる

一方で逆関数が存在するならば、等高線を逆写像してやれば円になる。(厳密には円にな
るとは言いすぎです。 asin(z) と sin(z) などの例を考える円にはなりません。歪んだ
円になります。でも近似の意味の円と解釈ください。)二本の等高線を逆写像してやれば
二重丸 ◎ になる。この二重丸の間の等位相線が ◎ の円周と直交するならば f(z) の「
絶対値の等高線と等位相面が直交する」ことになります。

でも、等角写像の定理の理解から ◎ と等位相面が直交する保証はできません。f(z) と
 f^-1(z) で角度が同じになることだけです。

 1 f の値分布で 「絶対値の等高線と等位相面が直交する」
 2 f(z) の値域の模様を f^-(w) で逆変換してやると Φの形になる

ですから、等角写像の定理からは 1 と 2 の同値性しか言えないと考えます。

でも自然の対称性と解析関数の唯一性を補って考えると ◎ の間の等位相線が円周と直交
することが言えます。背理法を使います。

 ・◎ の間の等位相線が直交せずに斜めになっていたとします。
 ・でも自然は対称です。◎ の間の等位相線が斜めならば、その斜めとは逆側の等位相
  線を持つ解析関数も存在せねばなりません。
 ・一方で解析関数は ○ の円周直線上での複素数値分布が決まれば、その周囲の複素平
  面全体での分布が決まってしまいます。一つの解析関数しか存在できません。
 ・ですから、解析関数の存在が一つだけのためには ◎ の間の等位相線が直交しなけれ
  ばなりません。

厳密性を追求する数学からは、自然の対称性などという直感に頼った論理は非難されるか
もしれません。でも発見法的な論理として許されると考えます。

何度も説明ありがとうございました。勉強になりました。

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小林憲次
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