永井@茨城県在住と申します。

 昨日、松下電器産業がジャストシステムを特許侵害で訴え、東京地裁が
松下電器産業の訴状を支持する判決を出して、世間をにぎわせています。

 このニュースを見てふと思ったのですが、1989年10月31日までにアイコ
ンを選択する(選択後クリックするを含む)と、機能の説明のテキストが
表示される、と言うのはUNIXと言うか、X-Windowでそんなソフトなかった
でしょうか?
 私はShellを持ったOSを触ったのは1990年からなので、1年前のことは分
かりません。

 ジャストシステムは争点の1つにWindowsの機能であり、間接侵害だ、と
主張しています。

 もし、松下電器産業が勝訴してしまうと、マイクロソフトの言語ソフト
を使ってこの機能を使ったソフトを作り、販売した人は全て直接侵害になっ
てしまいます。

 間接侵害の主張が通ったとした場合、マイクロソフトが主として責任を
負います。

 また、この特許はマイクロソフト製品に限らないので、国内で作られる
または使用される全てのOSとその上で動く全てのソフトに影響する、と言
うとんでもないものなので、特許が成立していること自体が問題です。

 私の認識では、そもそもプログラムとかは特許法第2条1項「この法律で
「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものを
いう。」の条文のせいで、通常、自然法則を利用していないため、特許に
該当せず、著作権法の方で保護される対象のはずなんですが。

 特許庁の説明にも下記のようになっています。
http://www.jpo.go.jp/seido/index.htm
<特許法の保護対象>  
 特許法第2条に規定される発明、すなわち、自然法則を利用した技術的
思想の創作のうち高度のものを保護の対象とします。したがって、金融保
険制度・課税方法などの人為的な取り決めや計算方法・暗号など自然法則
の利用がないものは保護の対象とはなりません。また、技術的思想の創作
ですから、発見そのもの(例えば、ニュートンの万有引力の法則の発見)
は保護の対象とはなりません。さらに、この創作は、高度のものである必
要があり、技術水準の低い創作は保護されません。 

 なお、この特許の効力期間は1989/10/31〜2009/10/31までの20年間(申
請により+5年の可能性有り:特許法第67条)です。

 こころあたりのあるプログラムを作った事のある人にとっては深刻な問
題であると思います。

 皆さん、どう思います?




●判決文
 最高裁判所
 http://courtdomino2.courts.go.jp/home.nsf
 →知的財産権判決速報
 →東京地方裁判所
 →H17. 2. 1 東京地裁 平成16(ワ)16732 特許権 民事訴訟事件

●特許
 http://www.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/tjbansaku.ipdl?N0000=110
 種別:登録
 文献番号:2803236
 →特開平03-144719

●特許法・著作権法
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
 ↑ここで検索

●特許庁
http://www.jpo.go.jp/indexj.htm