中川@つくば です

"Shinji KONO" <kono@ie.u-ryukyu.ac.jp> wrote in message
 news:3988926news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp...
> 河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
> 
> In article <3F5343F7.5F9DB908@silk.plala.or.jp>,
 Nakagawa <naka111@silk.plala.or.jp> writes
> > 受信から返信までの間には、ごく短い既知の時間差があるでしょうが、
> > とりあえずそれを無視して説明します。
> 
> その時間差が重力に依存するってのが一般相対論ですよね。

ここで言う時間差は、
 受信→増幅→検波→コード解析→データ処理→コード生成
 →搬送波合成→増幅→送信
にかかる時間差です。重力は関係ないし、
衛星は重力ポテンシャルの同じ深さの所にいます。

> > 元の衛星が、電波が一往復してくるまでの時間を計測すると、
> > それと光速度から、衛星間の平均距離が出ます。
> 
> 光の道筋が重力場でどのように振舞うかってのを仮定せずに、平均
> 距離を出すことはできません。光が重力場の影響を受けるのかどう
> かを解析するのに、基礎理論抜きではできないです。

原理的にはそうですが、非ユークリッド的な空間であることによる
距離のずれは、cmオーダーでしかありません。

> それ抜きで「とにかく、誤差を修正すれば良いんだ」っていう方法
> もあると思うけど、その時は、なんらかの補正項を入れることにな
> ります。

重力場による補正項は小さすぎて無視できます。
重力場の影響は、
地上と衛星の時計の進み方のずれでしか検出できないし、
地上と衛星の時計の進み方のずれ自体はGPSの動作には
影響しません。

> 地球上の位置が太陽に近いかそうでないかによって変わるみたいな
> 解釈を当然だと受け入れるのか、そうではなくて、重力場が計量そ
> のものを決めるのだとみなすのかってことですよね。

太陽重力場による一般相対論的影響は更に小さいと思います。

> > > # 都合の良い前提をおけばどんな結論でも出せる。
> > 全くその通り。
> 
> だったら、ニュートン力学で満足すれば良いはずですよね。なぜ、
> そうなっていないの? 

だから、GPSを間違いなく動かすのに必要な知識は、
ニュートン力学のレベルで十分なんです。

GPSはニュートン力学と現実とのずれを検証するのに使えますが、
それは、誤差1mオーダーのGPSである限り、
GPSでの計測結果が理論や他の手段の計測結果と合わない、
という形で表れるわけではありません。