中川@つくば です

yam wrote:
> 
>   結論から言えば、地上局(もしくは、後述の
>   地上の基準点)の位置精度レベルでは
>   計測&補正できるでしょう。
   :
>   システムとしては単純ではありませんが、原理と
>   しては、極めて単純です。

私も大体同じ結論に達しました。
まずは、衛星同士の時刻合わせ。これは
地球に貼りついた慣性座標系の中で時刻合わせをすればよい。
水晶振動子の精度はかなり良いらしくppb以下に出来るようなので
充分な精度で相互の時刻合わせが可能です。
必要な知識は地球座標系に対する光速度一定の事実だけで、
特殊相対論すら不要です。

衛星の時計群の絶対精度のずれは、
衛星の軌道要素のずれとほとんど区別がつきません。
#正確には、軌道要素のずれではなく
#重力常数の時間変動の形を取る
衛星の軌道要素は予測不可能な要因で絶えずずれていて、
それを検出するシステムはGPSの一部ですから、
その同じシステムが、絶対時間のずれの影響も補正してしまいます。

じゃあ、なぜ水晶振動子を原子時計の代わりに使わないのか
という質問は、原子時計のカタログを見て、一方で
高精度水晶振動子が要求する環境精度や、許容チューニング幅
などを調べれば、簡単に答が得られます。
原子時計の方が楽だからですね。

水晶振動子でGPSが駆動できるからといって、それが
GPSには基礎科学が必要ないことの例にはなりません。
むしろ、性能に癖のある水晶振動子を使いこなすためには、
基礎科学に属する色々な知識を動員する必要があるでしょう。
ただしそれは、原子時計向けの基礎科学よりは、
一世代古い基礎科学なのでしょうけれど。

基礎科学は役に立つのです。
物理学だけに絞っても、
物理学は、応用技術のあらゆる側面で役に立っています。
でも、それと、現在の最先端の基礎科学が役に立つかということは
別ではないか、と応用研究者は感じています。
現在の最先端の基礎科学も役に立っているとしても、
それを説明するのに、
「過去の基礎科学は役に立っています、だから、
現在の最先端の基礎科学も役に立ちます」というのは
おかしいのではないか、と感じているのです。
#普通は親の七光りという。