佐々木将人@函館 です。

>From:頼光 <raikou@mug.biglobe.ne.jp>
>Date:2003/08/19 02:50:28 JST
>Message-ID:<bhr3l4$ide$3@bgsv5648.tk.mesh.ad.jp>
>
> が、暗黙的にルールが形成された場合が問題です。
> 要するに慣習法の場合に、こういう判定が(明示的なケースに比べ
>て)難しかろう、という話です。

一般論としては否定しないのですが
世間的に通っていることで
fjでも通っていることに対し
それに反するローカルルールが
黙示的に形成されたって判断していいの?
その判断って無理があるんじゃないの?たいてい……
というのが私の疑問です。

># うろ覚えながら、イギリス議会に対する国王の拒否権が無くなった
># というケースで、「拒否されなくなった」慣習が成立したから無く
># なったのだという話があったと思います。で、何をもってそういう
># 慣習が成立したのかという判定は、時間が経って事例が重なったと
># いうものでしか言えなくて、時間や事例数の閾値設定は、一意には
># 決まらないように思います。

まず一般論として
慣習が成立したか否かの判定に際し
一律の基準が定め得ないという点は全くそのとおりです。

なお法律学では
「事実たる慣習」と「慣習法」とを区別していまして
慣習法の成立には単純に繰り返しだけではなく
「それが法であると認識した上で繰り返すこと」が要求されています。

あと本題から外れますが
イギリス議会に対する国王の拒否権の最後の行使は1707年ですが
単純にそれ以降行使されないからなくなったという判断ではなく
名誉革命で示された国会主権の原則が
実質的に国王排除という形で進行していくなかで総合的に判断というようです。
(樋口陽一先生の「比較憲法」第3版p120)

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まさと  「それ、微妙に間違っている……。」