工繊大の塚本です.

In article <1270b32b-4210-4874-912b-e9541dcf9224@x25g2000prf.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> でもこれならxの値(xが有理数,無理数)によって,{n_i}が決まるので

挙げた例では, x の値によって, 少なくとも一つ,
収束するような { n_i } が存在することだけを
述べているので, 他に収束する { n_i } が色々と
ある可能性は排除されていませんし, それらの中に
共通の { n_i } が存在する可能性については
何を述べているわけでもありません.

> 任意のx∈[0,2π]に対して,
> lim_{i→∞} sin(n_i x) = 0 なる{n_i}は採れないのですよね。

それが「知りたいこと」です.

> 従って,偽ではないのでしょうか?

 (1) を仮定すると, (2), (3), (4) が導かれて,
それが (5) と矛盾することが示されて, 初めて,
 (1) が偽であることが確定します.

> http://www.geocities.jp/merissa0/study/Real_Analysis/Prop_in_No4_20090726.jpg
> でした。

「引き出し論法 (pigeonhole principle)」は使われていない
ようですが, 大丈夫かな.

順番に見ると, どんな正数 ε に対しても, N < n で
 0 < nr - M < ε/(2π) となる自然数 n, M の存在を言うには,
 0 < nr - M < f(ε) となる自然数 n, M が存在することを
言えば良い, としているのかな. 但し, f(ε) は
 ε/(2π) の "floor" とする, としているようですが,
十分に小さな ε については ε/(2π) の floor は 0
ですから, f(ε) を ε/(2π) の floor とするわけには
いきませんね.

要は, 最初から破綻しています. 

> 上記のようにn_1<n_2<…となるようにn_1,n_2,…を採っていくと
> n_1r - M_1>n_2r - M_2>n_3r - M_3>…>0
> という関係になりますよね
> (∵ε/2,ε/3,…と上限をどんどん小さくとっていってるので)。

だから, それなら sin(2πn_1 r) > sin(2πn_2 r) > sin(2πn_3 r) > … > 0
の関係になっているのに, 逆向きの不等号になっていた
のを指摘したわけです.

> 繰り返し言ってるかもしれませんが,
> 「∃{n_i};∀x∈[0,2π]に対して,lim_{i→∞}sin(n_ix)=0」 だと,
> 全てのxに対して,lim_{i→∞}sin(n_ix)=0なる{n_i}が存在するという事ですね。
> でも実際にはx=2πrのrが有理数の場合とrが無理数の場合と
> それぞれで{n_i}を決めないといけませんでしたよね。

「それぞれで決め得た」けれども
「それぞれで(別に)決めないといけない」ことが示されたわけではありません.
この違いが分かりますか.

> (1)⇒(4)が真ならば(1)と(4)は真と真,偽と真,偽と偽…(*) という場合が考えられて,
> 今(5)は真と分かった,

そうです.

> でも(1)⇒(4)も真とすると矛盾が生じたので,

違う違う. (4) と (5) とは矛盾する. だから,

> (4)は偽である筈。

です. 勿論, 「(1)⇒(4)」は真です.

> 従って,(*)に於いては偽と偽という場合しか考えられない。
> 従って,(1)は偽となるのですかね。

そうです.

> えーと,次のように考えてみると,,
> 「For n=1,2,3,…, let f_n:[0,2π]→R be defined by f_n(x)=sin(nx), for all
> x∈[0,2π]」…(0)とすると
> (0)∧(1) ⇒ (4)は真,
> (0) ⇒ (5) も真,
> しかし, ((0)∧(1) ⇒ (4))∧((0) ⇒ (5))は偽なので
> (∵両方が成り立つ事は有り得ない)

違う違う. 正しい主張は『「(4)∧(5)」は偽』です.

> ((0)∧(1) ⇒ (4)) か ((0) ⇒ (5)) かが偽。

違う違う. 今, 「(0)∧(1)⇒(4)」も「(0)⇒(5)」も真です.

> ((0) ⇒ (5)) は確かに真なので((0)∧(1) ⇒ (4))が偽 …(**) である筈。
> でも(1)が偽なら((0)∧(1) ⇒ (4)) は真になってしまい(**)に矛盾。
> よって(1)は真??

違う違う. (0) も入れて考えるなら,
「(0)⇒¬(1)」が真であることが結論されます.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp