工繊大の塚本と申します.

In article <238d3754-5aa2-475b-9f2d-d8aa9306733f@13g2000prl.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> [Q.] For n=1,2,3,…, let f_n:[0,2π]→R be defined by f_n(x)=sin(nx), for
> all x∈[0,2π].
> Choose a sequence n_i, so that n_1<n_2<n_3<…,and
> (1) lim_{i→∞}f_{n_i}(x) exists for all x∈[0,2π].
> From this follows
> (2) lim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]=0 exists for all x∈[0,2π].
> From this follows
> (3) lim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]^2=0 exists for all x∈[0,2π].
> From this follows
> (4) lim_{i→∞}∫_[0..2π][sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]^2dx=0
> But
> (5) lim_{i→∞}∫_[0..2π][sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]^2dx=2π
> which is an obvious CONTRADICTION.
> What do you conclude from this?
> http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/Real_Analysis/No4_20090726.jpg
> 
> という問題です。あまり問意がよく分からないのですが
> これは矛盾を探せばいいのでしょうか。

矛盾が生じたのであるから, この議論のどこかがおかしい
わけです.

どこに誤りがあるかを指摘せよ, ということでしょう.

> (1)については f_2(x)=sin(2x),f_3(x)=sin(3x),f_4(x)=sin(4x),… 
> でこれらは[0,2π]の区間で
> 周期が2π/2,2π/3,2π/4,… となっていき,
> n_1<n_2<n_3<… ならただx軸方向に波を押し縮めたようなグラフになっていくだけで
> x=0とx=2πの時だけがf_{n_i}(x)=0でlim_{i→∞}f_{n_i}(x)が存在し,
> それ以外のx∈[0,2π]ではsin(n_ix)は振動するだけだと思うので,
> 任意のx∈[0,2π]に対してlim_{i→∞}f_{n_i}(x)が収束するような
> n_1<n_2<n_3<…は採れないと思うのですが勘違いしてますでしょうか?

ある x ∈ [0, 2π] を固定するごとに,
 lim_{i→∞} f_{n_i}(x) = 0 となるような
 n_1 < n_2 < n_3 < … は取れます.

 x = (2π) p/q で, p, q が整数であれば,
 n_i が q の倍数であるように取っておけば良い.

 x = (2π) r で, r が無理数であれば,
任意の正数 ε と, 任意の自然数 N について,
 n ≧ N であり, ある自然数 M について,
 0 < (2π)(n r - M) < ε となる自然数 n が存在する
ことが証明できますから, やはり
 lim_{i→∞} f_{n_i}(x) = 0 となるような
 n_1 < n_2 < n_3 < … は取れます.

貴方の上の議論だけから
任意の x について, 同時に,
 lim_{i→∞} f_{n_i}(x) が存在するような
 n_1 < n_2 < n_3 < … が取れないことを結論できません.

> (2)についてはもし任意のx∈[0,2π]に対して,
> L:=lim_{i→∞}f_{n_i}(x)が収束するようなn_1<n_2<n_3<…が採れたとすると
> lim_{i→∞}sin(n_ix)もlim_{i→∞}sin(n_{i+1}x)も収束するので
> lim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]
> =lim_{i→∞}sin(n_ix)-lim_{i→∞}sin(n_{i+1}x)=L-L=0
> となると思います。

はい.

> (3)についてはlim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]=0なら
> lim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]^2=lim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]
> lim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]
> =0・0=0

はい.

> (4)についてはlim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]=0が一様収束なら
> lim_{i→∞}∫_[0..2π][sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]^2dx
> =∫_[0..2π]lim_{i→∞}[sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]^2dx(∵項別積分の定義)
> =∫_[0..2π]0dx=[C]^2π_0(但し,Cは積分定数) =0となりますが
> 一様収束かどうかは判断できませんよね。

各点 x ∈ [0, 2π] で,
 lim_{i→∞} [sin(n_i x) - sin(n_{i+1} x)]^2 = 0 であれば,
 0 ≦ [sin(n_i x) - sin(n_{i+1} x)]^2 ≦ 4 ですから,
 Lebesgue の有界収束定理で,
 lim_{i→∞} ∫_0^{2π} [sin(n_i x) - sin(n_{i+1} x)]^2 dx = 0
となります. 一様収束性は必要ありません.

> 直接,積分してみると∫_[0..2π][sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]^2dx
> =∫_[0..2π]sin(n_ix)^2dx

 sin^2(n_i x) = (1/2)(1 - cos 2 n_i x)

>  -2∫_[0..2π]sin(n_ix)sin(n_{i+1}x)2dx
                                      ^
 sin(n_i x) sin(n_{i+1} x)
 = (1/2){ - cos (n_i + n_{i+1}) x + cos (n_i - n_{i+1}) x }

>  +∫_[0..2π]sin(n_{i+1}x)^2dx

 sin^2(n_{i+1} x) = (1/2)(1 - cos 2 n_{i+1} x)

> =[-(sin(n_ix)cos(n_ix)-n_ix)/2]^2π_0

  = [(1/2)(x - (1/(2 n_i)) sin 2 n_i x)]_0^{2π}

>  -2[(sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x))/(n_i-n_{i+1}]^2π_0

  = [(1/2)( - (1/(n_i + n_{i+1})) sin (n_i + n_{i+1}) x
            + (1/(n_i - n_{i+1})) sin (n_i - n_{i+1}) x )]_0^{2π}

>  +[-(sin(n_{i+1}x)cos(n_{i+1}x)-n_{i+1}x)/2]^2π_0

  = [(1/2)(x - (1/(2 n_{i+1})) sin 2 n_{i+1} x)]_0^{2π}

> =2n_iπ/2n_i+0+2n_{i+1}π/n_{i+1}=2πなので

途中の計算は間違っていますが, 結果は正しい.

> lim_{i→∞}∫_[0..2π][sin(n_ix)-sin(n_{i+1}x)]^2dx=lim_{i→∞}2π=2π.

というのが (5) ですね.

> よって(5)が正しくて(4)はCONTRADICTION。
> と答えればいいのでしょうか?

 (4) も (1) を前提とすると正しい. だからどう結論しますか?
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp