Re: ΦがC^級,全単射なO→O'な写像の時,EがLebesgue可測ならΦ(E)もLebesgue可測である
工繊大の塚本です.
In article <eaf7742e-30ee-4a10-93a5-eb8b1414337c@y6g2000prf.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> これは全単射f:X→YでX⊃Aがcompactでf(A)がcompactなら
> fは位相同型写像と言えるのでしょうか?
そうではありません. 一般的には locally compact な
Hausdorff 空間間の proper な全単射連続写像であれば
そうなりますが, ここではそれと違って, X も Y も
Euclid 空間の開集合であることが効いています.
但し, 位相同型写像になることの証明はそれほど簡単では
ありませんから, 位相同型写像になることを使わない証明
のほうが良いでしょう.
> それはどのようにして証明できますでしょうか?
> (Y⊃∀Bが開集合ならf^-1(B)も開集合を言わねばならないのですよね)
それは f が連続になる為の条件です.
f^{-1} も連続を言うには, X ⊃ O が開集合のとき,
f(O) も開集合を言う必要があります. それが簡単
ではない部分です.
> EがF_σ集合でない場合はどうなるのでしょうか?
それを言う為に零集合の像を調べているのが分かりませんか.
> Borel集合は開集合とその補集合の可算回の可算個の和集合と共通部分ですからね。
それは正確な記述ではないですね. 「可算個の」というのは
意味がありますが, 「可算回の」というのをこういうところで
使うのは感心しません.
Borel 集合の全体とは, 開集合を含み, 補集合を取る操作と
可算和を作る操作(従って, 可算個の集合の共通部分をとる操作)
で閉じている集合族の内で最小のものである, というだけです.
> (a)はcompactという性質を使ってどのように証明できるのでしょうか?
compact の像が compact であることを使えば, F_σ 集合の
像が F_σ 集合であることが分かります. 任意の可測集合は
F_σ 集合と測度零の集合の和集合として書けますから,
測度零の集合の像が測度零であることを示せば, それで
証明が完結します.
> 一口に位相的性質と言いますがところで位相的性質の定義とは何なのでしょうか?
位相同型で保たれる性質です.
> 「m(E) = 0 のとき, E = ∪_{n=1}^∞ E_n と,
> :
> m(Φ(E_n)) = 0 が言えて, m(Φ(E)) = 0 となります.」
> から結局は零集合がΦで保存されたのではないでしょうか?
> (この証明はlocally Lipschitzが使われはしましたが)
その証明には Φ が単に位相同型であるだけでなく,
C^1 級の写像であるということが必要でした.
従って, 位相的性質ではありません.
> 「位相同型写像Φが有界閉領域AでLipschitz条件を満たす
> ⇔Aが零集合ならΦ(A)も零集合」なのですね。
左向きの矢印は成り立たないでしょう.
> In article <090428191700.M0121570@cs1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > Φ(x) - Φ(y)
> > = ∫_0^1 d(Φ(x + t(y - x))/dt dt
>
> すいません。どうしてこのように変形できるのでしょうか?
おっと失礼,
Φ(y) - Φ(x)
= ∫_0^1 d(Φ(x + t(y - x))/dt dt
ですね. Φ(x + 1(y - x)) = Φ(y), Φ(x + 0(y - x)) = Φ(x)
で, 後は微積分学の基本定理です.
> > = ∫_0^1 DΦ(x + t(y - x))・(y - x) dt
>
> これはd(Φ(x + t(y - x))/dt=DΦ(x + t(y - x))・(y - x)と
> 変形できるいう事ですね。
>
> d(Φ(x + t(y - x))/dt=Φ'(x + t(y - x))・(y-x)でDは
> DΦ(x + t(y - x))=Φ'(x + t(y - x))'という意味なのですね。
どうも貴方は微分が分かっていないようなのですが,
DΦ(x + t(y - x)) は Φ の x + t(y - x) における
微分です.
> > ですが, M = max_{x,y ∈ E, t ∈ [0, 1]} |DΦ(x + t(y - x))|
>
> これは今,Eは有界閉領域なので最大値が採れるのですね。
E の凸閉での最大値になります. その意味では
単に有界閉領域というだけではなく, 閉円板で
考えておく方が良いでしょう. 証明としては,
閉円板に含まれる測度零の集合の像が測度零で
あることが言えれば, 任意の測度零の集合の像が
測度零であることは, 分けて考えて証明できるので,
十分です.
> f:(0,1)→(0,1)でfは測度の定義を満たし,
測度の定義? 狭義に単調増加な(従って位相同型な) f です.
> f(C)>0 (但し,CはCantor集合)なる位相同型写像fが存在するのですね。
はい.
> > 任意の可測集合は, F_σ 集合と零集合の和集合として書ける
> > ことを用いるのです.
>
> ええ〜!? Lebesuge可測集合EはE=A∪Z
> (但し,A∈B(R^n),Z⊂B∈B(R^n) (B(R^n)はBorel集合体)でm(B)=0)
> という形に書ける(∵Legesgue集合体は完備化された集合体)のは知っていますが,
> Borel集合Aはそう簡単に具体的に表せないのですよね(∵Borel集合の複雑性)。
> Borel集合Aが単にF_σ集合として表せれるのはどうしてでしょうか?
<http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/reference_first.jpg>
を読んでないのですね. Exercise 8 の前についている
Corollary 3.5 にどう書いてあります?
> 上記のようでいいんですよね。
自分で議論できないなら分かったとは言えません.
> ∫_0^1 DΦ(z_k)・(x-z_k) dt+∫_0^1 (DΦ(z_k+t(x-z_k))-DΦ(z_k))・(x-z_k) dt
> から
> [DΦ(z_ki)(x-z_k)t]_0^1 dt+(∫_0^1 (DΦ(z_k+t(x-z_k))-DΦ(z_k))dt)(x-z_k)
> がどうして言えるのでしょうか?
DΦ(z_k)(x - z_k) は定ベクトルですから積分の外に出せます.
(DΦ(z_k + t(x - z_k)) - DΦ(z_k)) は
t の関数を成分とする行列ですが,
(x - z_k) は定ベクトルですから,
行列を積分しておいて, 定ベクトルに掛ける形に変形できます.
> ∫_0^1 DΦ(z_k)・(x-z_k) dt+∫_0^1 (DΦ(z_k+t(x-z_k))-DΦ(z_k))・(x-z_k) dt
> =∫_0^1 DΦ(z_k)・(x-z_k)+(∫_0^1 (DΦ(z_k+t(x-z_k))-DΦ(z_k))dt)(x-z_k)
後の変形は良いですが, 前は dt が抜けています.
> =(x-z_k)∫_0^1 DΦ(z_k)+(∫_0^1 (DΦ(z_k+t(x-z_k))-DΦ(z_k))dt)(x-z_k)
どうしてベクトルが行列の前に出てくるのですか.
> =(x-z_k)Φ(z_k)+(∫_0^1 (DΦ(z_k+t(x-z_k))-DΦ(z_k))dt)(x-z_k)
> (∵DΦ(z_k)はtに関しての微分なので)
DΦ(z_k) は Φ の z_k での微分です. t には関係しません.
ましてや, t に関しての微分ではありません.
> となってしまうのではないかと思います。何か勘違いしてますでしょうか?
勘違いではなく, 何も分かっていらっしゃらないようです.
数式は形式的な変形で真理を導いているように見えるかも
知れませんが, 論理的に正しい手順を踏んだ変形でないと
意味がありません. 何が論理的に正しい手順を踏んだ変形
であるかは, その表すところの内容を理解しないでは判断
できません.
> >> f(a+h,b+k)=f(a,b)+Df(a,b)+1/2!D^2f(a,b)+…+1/(n-1)!D^{n-1}f(a,b)+R_n
> :
> > 間違いです.
>
> えっ。何処が間違ってますか?
象徴的に書くとしても,
f(a+h, b+k) = f(a, b) + Df(a, b)(h, k) + 1/2!(D^2f)(a,b)((h,k), (h,k)) + …
+ 1/(n-1)!(D^{n-1}f)(a,b)((h,k), ... , (h,k)) + R_n
と多重線形形式 D^kf に (h, k) というベクトルを k 個代入する
ところは外せません. 3次元以上でも同様.
> これはどういう意味でしょうか?
bijection Φ が C^1 級であれば, m(Φ(E)) = ∫_E |det Φ'(x)| dx
は成立します.
> > > そうでした。{h→0}|f(x+h)-f(x)-g(x)|/h=0なる
> > ここでも h が一つ抜けていますね.
> > lim_{|h|→0} |f(x+h) - f(x) - g(x)h|/|h| = 0
> > です.
>
> 有難うございます。再度確認してみましたがg(x)hでなくg(x)となっていますが。。
> (但しh∈R^m)
何処にそんなことが書いてありますか.
f が R^m 上の R^n 値関数であれば,
f(x + h) - f(x) は R^n のベクトルで,
g(x) は f の x での微分ですから, R^m から R^n への
線形写像です. h が入らないと意味がありません.
> > だって, Riemann 和の極限は存在して Riemann 積分に
> > なるのですから. 気持ちが悪ければ, Lebesgue 積分論で
> > 示せば良い. 各 ε ごとに, diam Q_k < ε となる分割と
> > Q_k の中心 z_k を用いて,
> > f_ε(x) =Σ_{i=1}^∞ |det(Φ'(z_k))| χ_{Q_k}(x)
> > とし, f_ε(x) → |det(Φ'(x))| となることを示せば,
>
> なるほど。ε→0ならx→z_kなのでこれから,どのようにして
> lim_{ε→0}f_ε(x)=lim_{ε→0}Σ_{i=1}^∞ |det(Φ'(z_k))| χ_{Q_k}(x)から
> |det(Φ'(x))|になるのでしょうか?
E は有界集合なので, その閉包上では一様連続です.
|x - z_k| が十分に小さければ ||det(Φ'(x))| - |det(Φ'(z_k))|| も
十分に小さくなります.
> > 有界収束定理が使えます.
>
> まず,BCTを使うには,R^dのLegesgue測度mが有限m(R^d)<∞でなければなりませんよね。
E 上での積分の話ですから, m(E) < ∞ で良い.
> これは言えるのでしょうか?
m(R^d) = ∞ なのだから, R^d では駄目なことは明らかですから,
そこで自分の見落としに気付いていただきたいものです.
> そして,0<∀ε∈Rに対して,
> |Σ_{k=1}^∞ |det(Φ'(z_k))| χ_{Q_k}(x)|<∃K∈R…②.で
> Σ_{k=1}^∞ |det(Φ'(z_k))| χ_{Q_k}(x)∈L^1…③なら
E が有界集合で, |det(Φ'(x))| は連続関数ですから,
その閉包上では有界です.
> ところで、③,②はどうすれば言えますでしょうか?
明らかですね.
> 今,Σ_{k=1}^∞m(Φ(Q_k)=Σ_{k=1}^∞|det(Φ'(z_k)|m(Q_k)+o(ε)
> =lim_{ε→0}(Σ_{k=1}^∞|det(Φ'(z_k)|m(Q_k)+ε)であったので
まあ, それが問題ですが,
> ④からΣ_{k=1}^∞m(Φ(Q_k)=∫_E|det(Φ'(x))|dmと言え、
その部分を議論したわけですね.
> ∫_E|det(Φ'(x))|dm=Σ_{k=1}^∞m(Φ(Q_k)
> =m(∪_{k=1}^∞Φ(Q_k))
> (∵各内核は互いに素で,各共通部分(境界)の測度は0より可算加法性)
> =m(Φ(∪_{k=1}^∞Q_k) (∵Φは全単射)
> =m(Φ(E))
>
> となったのですがこれでもいいでしょうか?
どうせ,
Σ_{k=1}^∞ m(Φ(Q_k)) = Σ_{k=1}^∞|det(Φ'(z_k))|m(Q_k) + o(1)
は簡単には示せませんから, 議論しても無駄ではあります.
一応, Σ_{k=1}^∞ |det(Φ'(z_k))| m(Q_k) → ∫_E |det(Φ'(x))| dx
となることは, 良く使われることですから,
説明を加えたまでです.
> ところで,前記事で
> 「 E を有界な可測集合としましょう. E ⊂ F で m(F\E) = 0 であれば,
> :
> m(Φ(E)) = m(Φ(F)) = ∫_E |det Φ'(x)| dx です.」
> を議論なさってますが何故なのでしょうか?
有界開集合だけでなく, 有界な可測集合でも成立することが
次の段階でしょう.
> 上記のE=∪_{k=1}^∞ Q_k (但し,Q_kの内核は互いに素な立方体)で
> m(Φ(E))=∫_E|det(Φ'(x))|dmが示せたので
> 十分かと思いましたが。
Hint においては, 先ず, E が有界開集合というのを
仮定して, 書かれています. それだけでは十分ではありません.
> Eが非有界の場合はどのようにEをどのように分割すればいいでしょうか?
有界な可測集合の場合に証明しておけば,
非有界な可測集合 E に対しては, O の有界閉集合による
近似列を作っておいて, それから導かれる分割を使えば宜しい.
--
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735