"yayamamo" <yayamamo@rr.iij4u.co.jp> wrote in message news:cah544$1dir$1@nntp.tiki.ne.jp...
> ややまもです。
> 
> GON wrote:
> > 光子は物質ではありませんが?w
> > 
> > 光子っていうのは素粒子論でいうゲージ粒子の1つであって
> > いわゆる”物質”とは区別してます。”物質”と言っているのは
> > フェルミオンまたはそれらの複合粒子であって物質間の力を
> > 伝える媒介粒子とは区別して考えます。
> 
> でも、いわゆるon-shellにある光子(という言い方でいいのかな?)って
> 物質としてませんでしたっけ? 光子だけでなく、他のボソンも。
> まあ、「物質」っていう言い方自体がかなりあやふやですが。

Gooで調べると物質の定義は物理学的定義と哲学的定義では違っているようですね。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%CA%AA%BC%C1&kind=jn&mode=0

〔物理学的定義〕 古典的には、空間の一部を占め、一定の質量をもつ客観的存在。
物質の構成要素は分子・原子であるが、究極的にそれらを構成する核子・電子等を
物質粒子という。相対性理論によれば、物質はエネルギーの一形態とされ、また、
場の量子論では、物質粒子も場として扱われる。

〔哲学的定義〕 意識から独立して時間空間内に存在し、感覚によってとらえられる
客観的存在。〔matter の訳語〕

物理学的定義からすればon-shellの光子はmasslessですから物質ではありません。
一方、哲学的な定義からすると光子は人間が感覚的に認知し得るものですから
物質になってしまいます。

要は定義によって光子が物質になったりならなかったりするってことでしょう。

しかし、上の物理学的定義も曖昧ですね。何故なら質量を持たないものが
物質でないとするなら素粒子論の標準理論で考える限り宇宙初期において
ゲージ対称性SU(3)×SU(2)×U(1)が回復している状態ではフェルミオン
の質量は0になってしまいますからそれらは物質とは言わないのか?といった
問題が生じてしまいます。

また、相互作用領域にしか出てこない負の質量を持つ粒子は一体物質なのか
何なのか?とか、そもそもエネルギーレベルによって物質になったりならなかったり
するのは不合理のような気もします。

ググッてみたらこんなのもあるんですね。
http://www.venus.sannet.ne.jp/y-okamura/contents/philosophy5.htm

唯物論者のレーニンによる物質の定義だと

「物質とは、人間にその感覚において与えられており、我々の感覚から独立して
存在しながら、我々の感覚によって模写され、反映される客観的実在を言い表す
哲学的カテゴリーである」

だそうです。しかし量子力学を考慮したらこの”実在”なるものもかなり怪しい
ものになってきますね。原理的に人間が認知しえるものだけが物質であって
それ以外には何も存在しないとして、はたしてそれですべてが説明できるんで
しょうか?不完全性定理なんかを考えると証明も反証もできない何らかの関係
が存在する気もしますし、そもそも物質で出来ている人間が直接認知できるもの
だけがすべてだとして宇宙がそれだけで構成できるのか疑問もあります。

実際は我々が認知できないもののほうが圧倒的に多くて我々が直接的にも
間接的にも認知できるものは宇宙全体からすれば極少数なのかもしれません。

しかし、素粒子論や宇宙論ではエネルギーの物質化とかそういった言い方を
することがありますから慣習的には質量のあるなしの定義でも混乱は生じない
気もします。