Re: 質問: 大日本帝國憲法第三条について(Re: 近代日本史の痛恨)
SASAKI Masato wrote:
>佐々木将人@函館 です。
>
このYASUI Hiroki氏のご指摘に対する佐々木氏の反論を執拗に取り上げそれに
疑問を投げかける意義は、たんに、明治憲法第三条が天皇の神格化を意味する
条文なのかそれとも君主無答責を意味する条文なのかに尽きるものではない。
それは、法的な捉え方、あるいは法の意味の認識の仕方、あるいは法の解釈の
仕方、あるいは議論する上での資料や制度の正しい見方、その「一般」を問題
にし考えようとするところに見出すことが出来る。そうすることにより、学問
上では既に常識化し当たり前のことになってしまったものでも、ニュースグル
ープではまだまだそれに気付かず意識することすらしないことへの警鐘にもな
る、という点に尚一層の意義が認められる、…と思う。
購読者から見た議論の問題点のまとめを少々。
>私信modeはじまり
> fjでEUC-JPはまずくないっすか?
> やはしISO-2022-JPでないと……。
>私信modeおわり
>
(1)これは投稿記事の主題とは無関係。したがって、仮に正しいことでは有
っても単なる趣味の問題であり、「私信mode」とするのであれば文字通り私
信にしていただいた方が読者としては主題を見失わずに済むという利点がある。
>たぶん安井さんの視点は学説展開というどちらかというと
>「歴史的な経緯」を重視したもの
>私の視点はどちらかというと「今この文言の法があった場合の解釈は?」
>という点を重視したものだと思います。
>歴史的経緯を重視するなら
>その資料は当時発行されていた資料によるべきでしょうが
>法解釈を重視するなら
>むしろその時代後の資料によるべきでしょう。
>
>
(2)ここでの問題は、まず第一に、表現上にあると思う。「何を問題とする
のに」歴史的な経緯を重視したと読むのか、今この文言の法があった場合の解
釈は?という点に重点をおいて見るのか、が曖昧なままにしている点が問題。
しかし、いくら曖昧にしようとも、スレッドの流れからは、明治憲法第三条が、
「今の」解釈という作業を経たものであろうとなかろうと天皇神格化を定めた
ものか君主無答責を定めたものかという「過去の事実的規範」を問題すべきは
明らか。
第二に、過去の事実的規範の意味を探るのに、「今この文言の法があった場合」
として、過去の事実的規範の意味を探れるかと言えば、そのようなことは不可
能。法規範はその法が適用される時点での社会事情を前提として機能するもの
だから。思考訓練としての模擬解釈をやっているのではない。したがって、議
論の仕方としても問題あり。コンセンサスのとれてない独善的な架空の視点を
付け加える点。
第三に、過去の事実的規範の意味を探ろうとした場合、重点の置き方を変えて
見れば評価が変わるということは一般には有りうる。したがって、規範の評価
すなわち意味が変わることは有りうるという一般論は間違いではなさそう。し
かし、思考訓練としての模擬解釈をやっているのではなく、またコンセンサス
のとれていない架空の視点を設定する手法がそもそも問題で、存在論的範疇の
議論ではなく好きなようになんとでも言える。
第四に、「今この文言の法があった場合」の解釈を提唱しておきながら、「文
言」にこだわるのみ。「今」の解釈を言うのであれば「過去」に存在した解釈
とは違った何ものかを付加するものがなければ意義はゼロ。
第五に、コンセンサスのとれた議論の主題をはずそうはずそうとする議論も、
勿論、一応の議論かもしれないが、実際の表示名を外そうとする表示名で投稿
したり、同一人がプロクシを使って異なる投稿者であるように見せかける等の
議論も信頼性を失わしめ、「なんだかな〜」と思わせる点では同じ。
以下、続く。
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