小林@那須です。

>当時の5次方程式の代数的解法の追求から、ガロアがどうして、ガ
>ロア理論に行きついたのか

Glois は逆問題を考えたのだと私は考えます。 五次以上の方程式の解法があ
ると仮定して、それに必要な条件を積み重ねていき、必要十分条件にまで行
き着いたのだと思います。

たぶん Galois は Lagrange Resolvent を数多くの方程式に適用してみたは
ずです。最初から交代群や正規部分群、可解群の抽象的な概念を構想できる
はずがありません。数多くの具体的な方程式を手計算してみる段階を経て、
抽象的な群や体の代数概念に到達できたはずです。

私自身も具体例を作ってみて初めて Galois 理論が理解できました。
Galois 理論の数学書を何度読み返しても、あまりにも抽象的過ぎて自分の理
解に入り込んだ誤解を明確にできませんでした。下の URL で書いたように、
現代のコンピュータの力を利用して Galois 理論の具体例を作ってやること
で、自分の誤解を明確にできました。修正できました。やっと Galois 理論
を理解できた気になれました。

http://www.nasuinfo.or.jp/FreeSpace/kenji/sf/perm/glgrp.htm
http://www.nasuinfo.or.jp/FreeSpace/kenji/sf/perm/BasicThry.htm

一方で多くの数学書では、 Galois 理論は下にあるような抽象的な論理の連
鎖だけで書かれます。しかし下の説明では抽象的な論理が長く続き過ぎます。
数学屋さんは下のような Galois 理論の説明で、誤解が入り込むことなく理
解できるものでしょうか。自分が誤解してしまったことを意識できるもので
しょうか。

http://www2.tsuyama-ct.ac.jp/matsuda/gals.pdf
http://www2.tsuyama-ct.ac.jp/matsuda/gal.pdf

上のような抽象的な説明は、 Galois 理論を一度理解してから それを整理し
直したものでしかないと私は思いま。皆様はどう考えますでしょうか。私は
普通の人間が代数系の理解が不十分な段階で 公理論的な Galois 理論の説明
を読んでも理解できるはずがないと思っています。

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小林憲次
http://www.nasuinfo.or.jp/FreeSpace/kenji/index.htm
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