やっぱり間違えて理解していたよこおです。たびたびすみません。

In article <egg001$aal$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>,
 Masahiko KODERA <kodera_m@cool.odn.ne.jp> wrote:

> どちらかというと(現時点判明分で^^;<為念)、『A-A基準を記して
> いた昭和44年5月15日鉄運第81号「電車の火災事故対策について」と
> いう通達は1世代前で統合により消滅済み、現在は「鉄道に関する技
> 術上の基準を定める省令」とその解釈基準の中で活きている』...と
> いう状況のようです。

古寺さんがご提示の参考文献等をたんねんにたどることで、ようやく理解でき
ました。まとめますと、昭和 44 年 5 月 15 日通達の「電車の火災事故対策
について」の別表に A-A 基準の記載があり、そこに「不燃性」と、「貫通
口」の記述が見られます。で、この内容は、「普通鉄道構造規則」(昭和 62
年)、さらに、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(平成 13 年)に
受け継がれますが、「不燃性」と、「貫通口」とは、これらの規則や省令の
解釈基準の中に、どちらもちゃんと書き込まれている、というのが正しいよう
ですね。
また、「地下鉄道の火災対策の基準について」(昭和 50 年)は、とりあえず
今回は忘れていいみたいです。


以下、参考 URL を提示しつつ、流れを追った結果を示します。


http://www1.odn.ne.jp/~aaa81350/kaisetu/kasai/densya4.htm
通達 電車の火災事故対策について(昭和44年5月15日)
地下線を運転する車両、地下線に乗入運転する車両及び別に指定する路線を
運転する車両は、別表1の「A-A基準」によること。

別表1 A-A基準
全般、構造、機能上やむをえないものを除き、不燃性の材料を使用する
こと。
貫通路、車両の前後端面に貫通口を設けること。ただし袈空線式のもの
で、 車休と建築定規との間隔が左右おのおの400ミリメートル以上のものに
あっては、列車両端の貫通口は省略することができる。

別表4 鉄道車両用材料の燃焼性規格


http://www1.odn.ne.jp/~aaa81350/kaisetu/kasai/kasai.htm
昭和62年4月1日の国鉄分割・民営化の際、「A-A基準」の考え方が、「普通
鉄道構造規則」等の中に取り込まれる。この段階で「A-A基準」という表現は
なくなったものの、考え方は各法律の中に生かされた。


http://law.e-gov.go.jp/haishi/S62F03901000014.html
普通鉄道構造規則(昭和62年3月2日運輸省令第十四号)
(旅客車の不燃構造)第百八十九条
一 屋根は、金属製のもの又はこれと同等以上の不燃性を有するものである
こと。
...以下省略
(貫通口及び貫通路)第百九十三条
 旅客車には、貫通口及び貫通路をそれぞれ一個以上設けなければならない。
 ただし、専ら車両一両で運転するものにあつては、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、地下鉄等旅客車には、貫通口及び貫通路を
それぞれ二個(列車の最前部又は最後部となる車両、専ら機関車に接続される
車両その他国土交通大臣が告示で定める基準に適合する車両にあつては、
それぞれ一個)設けなければならない。ただし、サードレール式の電車線の
区間を運転する列車の最前部又は最後部となる車両にあつては、貫通口を二個
及び貫通路を一個設けなければならない。

【横尾註】
上の記述だけからは「地下鉄等旅客車」の定義がわからなかったが、
Wikipedia の「地下鉄対応車両」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E9%89%84%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E8%BB%8A%E4%B8%A1
の項に

●地下式構造(車両限界と建築限界の間隔が側部において400mm未満のもの)
 の区間を運転する車両および地下式構造の区間に乗り入れする車両
●長大なトンネル
 1. 市街地の地下に設けるトンネルであって一つのトンネルの長さが1.5kmを
  超えるもの
 2. 市街地以外の地下に設けるトンネルであって一つのトンネルの長さが2km
  を超えるもの
 3. トンネル内に駅を設置するトンネルであってトンネル内の駅間距離
  またはトンネル端と最寄り駅のホーム端との距離が1kmを超える区間を
  運転する車両

という記載を発見。


http://www1.odn.ne.jp/~aaa81350/kaisetu/kasai/kasai.htm
平成13年12月25日、国交省令第151号「鉄道に関する技術上の基準を定める
省令」が交付され、平成14年3月31日から施行。この省令の中に車両の火災
対策の規定あり。


http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H13/H13F16001000151.html
鉄道に関する技術上の基準を定める省令
(平成13年12月25日国土交通省令第百五十一号)
(貫通口及び貫通路の構造)
第七十五条 旅客車には、旅客が安全かつ円滑に通行することができる貫通口
及び貫通路を設けなければならない。ただし、専ら車両一両で運転するものに
あっては、この限りでない。
2 施設の状況により非常時に側面から避難できない区間を走行する列車は、
その最前部となる車両の前端及び最後部となる車両の後端(最前部が機関車で
ある列車にあっては、車両の最後部となる後端)から確実に避難することが
できるものでなければならない。
(車両の火災対策)
第八十三条 車両の電線は、混触、機器の発熱等による火災発生を防ぐことが
できるものでなければならない。
3 旅客車の車体は、予想される火災の発生及び延焼を防ぐことができる構造
及び材質でなければならない。


上記の省令には解釈基準が付属。
http://www1.odn.ne.jp/~aaa81350/kaisetu/law/law.htm
鉄道に関する技術上の基準を定める省令の解釈基準
国土交通省鉄道局長通知 平成14年3月8日 国鉄技第一五七号
第七十五条関連
建築限界と車両限界の基礎限界との間隔が側部において400mm未満の区間を
走行する車両、および、地下鉄等旅客車(備考1)では貫通路も貫通口も
二つ必要
備考1 表中の地下鉄等旅客車とは、主として地下式構造の鉄道に使用する
旅客車及び長大なトンネル(市街地の地下に設けるトンネルであって、1つの
トンネルの長さが1.5kmを超えるもの、市街地の地下以外に設けるトンネルで
あって、1つのトンネルの長さが2kmを起えるもの及びトンネル内に駅を設置
するトンネルであつて、トンネル内の駅間距離(ホーム端間距離をいう。)
又はトンネル端と最寄駅のホーム端との距離が1kmを超えるもの)を有する
鉄道に使用する旅客車をいう。
第八十三条関連
(2) 旅客車の火災対策は、次の表によるものとする。
...以下省略

http://www1.odn.ne.jp/~aaa81350/kaisetu/kasai/kataikijyun.htm
昭和50年1月30日に出された「地下鉄道の火災対策の基準について」は、車両
とは関係ないようだ。