Re: 解りにくい MKSA単位系となった理由
"Takao Ono" <takao@hirata.nuee.nagoya-u.ac.jp> wrote in message
news:050704194501.M0131464@flame.hirata.nuee.nagoya-u.ac.jp...
> kono> それは密接に結び付いているわけだから、ある意味では仕方ない
> kono> ですよね。
> まあそうですけど, でもできれば区別した方がいいんじゃないかなぁ.
> 「m は長さの次元を持つ物理量の単位である」とか.
単位に関してちょっと長くなりますが,JACKSONの電磁気学に書かれていた
ことを抜粋してみました。
基本とする単位の個数と,これらの単位を用いて表される任意の物理量の
次元とに存在する任意性については,Abraham,Planck,Bridgman,Birge等
によって強調されてきた。このような単位に興味をもつ読者は,Birgeの優れ
た一連の論文に接するとよい。どの分野でも,単位系について望まれること
は,その便利さと明快さである。例えば,相対論的な場の量子論や素粒子論
を研究している理論物理学者にとっては,Planckの作用量子や真空中の光速
度のような普遍定数を無次元の数として,1の大きさをもつと決めておくと便利
である。この結果得られる単位系(”自然”単位系と呼ばれる)はただ1つの
基本単位をもつ。習慣上,質量をその基本単位に選ぶ。長さ,時間,力,
エネルギー,その他全ての物理量はこの基本単位を用いて表すことができて,
その次元は基本単位の次元のべきである。このような単位系が作為的なもの
ではなく,m,Kg,secを基本単位とする系(mks系)の方がより基本的なもの
でもない。単に便宜上の問題に過ぎない。(この注書きとして,電流のような
第四の基本単位を導入するか,電磁気量が3つの力学的基本単位のべきで
与えられる次元をもつようにするかは,純粋に主観的問題であり,基本的には
重要でない。とある)
電磁気の単位と次元は,静電気のクーロンの法則(K1),アンペールの法則
(K2),ファラデーの法則(K3),磁束密度の定義(K2,α)における各々の
係数(K1,K2,K3,α)が単位系によってどう決まってくるか。そして,どの単位
系においても任意に選べる係数は2つだけということが論理的に書かれてい
ます。そして,基本場EとBから巨視的な場の変数DとHを定義するやり方が
論理的に書かれています。これによれば,EとDやBとHの次元(同じにするか
どうか)をどうするかは,便利さと簡単さを目標に,普通は巨視的なマックス
ウェルの方程式が比較的簡単できれいな形になるよう選ばれるとあります。
上の中で,自然単位系ではすべての物理量がただ1つの基本単位で表せる
ってところは,初めて知ったことで,ちょっと理解できませんでした。
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keizi kounoike
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