fj.sci.lang.japaneseの記事<bhpa01$22a$1@bluegill.lbm.go.jp>で
        toda@lbm.go.jpさんは書きました。
> *先発電車が入線さえしていない状況で何の文脈も無く
>  ・「つぎの電車」と言った場合……多分、東西に関わらず「先発電車」を指す
>  ・先発電車を「つぎの電車」「こんどの電車」と呼ぶのに違和感を感じるか?
>   ……関東流の案内表示のルールに矛盾するという意味で
>     「つぎの電車」に違和感を感じる人が居るだけで、
>     言葉の本来の意味としては、東西とも何れにも深刻な違和感は無い
>  ・先発電車を「つぎの電車」「こんどの電車」の何れで呼ぶのが普通か?
>   ……関西で「こんどの電車」とはあまり呼ばないが、
>     関東ではむしろ「こんどの電車」という表現の方が普通

こちらについては異論ありません。

> *先発電車が入線して発車を控えており、
>  乗込もうとしているか既に乗っている場合
>  ・「つぎの電車」と言った場合……多分、多くの文脈で「次発電車」を指すだろう
>   Ex.「つぎの電車にしようか……」
>  ・しかし、先発電車を指す文脈もあるのではないか?
>   Ex.「つぎの電車は、これだよね?」
>  ・「こんどの電車」と言った場合……意味不明になる文脈が多そう
>   関西での語感の方が意味不明になりやすいのではないか?
>   (むしろ「この電車」という方が、圧倒的に自然と思われる)

関東では「つぎの電車はこれだよね?」より「こんどの
電車はこれだよね?」のほうが自然であるような気がし
ます。ただし、関東でも先発電車を「つぎの〜」と呼ぶ
人がいるかもしれませんし、「これだよね?」とわざわ
ざ尋ねるのは先発電車である可能性が高いでしょうから、
聞かれた人は「先発電車を指しているのだろう」と解釈
することが多いだろうとは思います。

「こんどの電車」は文脈によっては意味不明になりそう
だとのことなので、いくつか例を考えてみました。始発
駅で複数のホームと番線があり、複数の電車がすでに入
線して発車を待っているとします。先発の電車を指すの
なら、以下のいずれの文でも「こんど」のほうが自然で
あるように私は感じます。

「こんど/つぎの電車に乗ろうよ」(会話)
「こんど/つぎの電車に乗るからね」(電話で)
「こんど/つぎの電車はどれかな?」(ひとりごと)
「こんど/つぎの電車はこれだよね?」(会話)
「こんど/つぎの電車はもうホームにいるかな?」(ひとりごと/会話)
「こんど/つぎの電車はいつ出るのかな?」(ひとりごと/会話)
「これ(この電車)はこんどの/つぎの電車かな?」(ひとりごと/会話)
「いま入ってきたのはこんどの/つぎの電車かな?」(ひとりごと/会話)

ただし、他人が「つぎ」を使ったときはその人が先発を
意味しているのか次発を意味しているのか、すぐには判
断できないような気もします。上の文の中で先発でない
と私が無条件に判断するのは「つぎの電車に乗ろうよ」
ぐらいです。

関東では「こんど」の意味はわりと明らかだけど、逆に
「つぎ」の意味があいまいなので、やはり「こんど」と
「つぎ」ではわかりにくい、という構図かもしれません。

> #個人的な語感としては、「こんどの電車」という表現だと、
> #「先発/次発」という目前の運行順位以外の話題という印象を受けます。
> #例えば、目前の電車を見て、最近配備された、あるいは近日中に配備される
> #電車(いずれも半年程度以内の時間スケール)についての話題を連想し、
> #「こんどの電車はクロスシートだ」と発語するとか。

関東でもそういう語感で「こんどの電車」を使うことは
できます。発車順序について話している文脈とは容易に
区別できるので混乱することはありませんが。

> ちょっと整理がつきかねているのですが、
> どうも「先発電車が目前に居る場合」の方が厄介な話になりそうですね。

そうなりますね。
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太田純(Junn Ohta) (株)リコー/新横浜事業所
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