Yasuhiro Endo at yasuhiroendo@jcom.home.ne.jp wrote on 02.6.5 7:39 PM:
 
>> ジャック・ロンドン! 散人の愛読書じゃないですか。
> 
>> 特に『海の狼』は大好きでした。『荒野の呼び声』の人間バージョンと思ってくださ
>> い。なんの不自由もない暮らしをしていた青年紳士が海難事故で捕鯨船に救出される
>> 。でも船長がとんでもない「超人」でその捕鯨船はまるで奴隷船。船長はその青年紳
>> 士を水夫としてこき使いながら千島列島で捕鯨を続ける。しかし柔な青年紳士もやが
>> てたくましく悪賢く成長して、いよいよ船長と対決・・・。翻訳が時代がかった日本
>> 語で、とっても面白かった。
> 
> 「どんぞこの人々」、「アメリカ残酷物語」、「放浪記」などの自伝やルポ物を読むと
> “人”社会に対峙するものとしての野生を描きたかった彼の心情が判る気がします。イ
> ーサンホーク主演の「ホワイトファング」も良かったな。

ジャック・ロンドンの場合は社会そのものを野生(ジャングル)と見立てていますね。
また「父親殺し」も重要なテーマになっていると思う。『荒野の呼び声』のシェパー
ド犬もリーダーであった大型スピッツ犬をかみ殺すことで(おまけに卑怯な手口で)
一人前になるし、『海の狼』でも青年紳士は恩人である船長を結果的に殺すことでハッ
ピーエンドとなる。とっても「教育的」なんです。

ポリティカリーコレクトな童話ばっかり読んで育つ日本の子供はグローバル化の時代
に果たして生き残ることが出来るのだろうか。

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余丁町散人
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