Re: 強い物理学
"yam" <h_yam@h8.dion.ne.jp> writes:
> "Kiyohide Nomura" <knomura@maya.phys.kyushu-u.ac.jp> wrote in message
> news:5f65kczvil.fsf@maya.phys.kyushu-u.ac.jp...
> > > > 時計を計測に使おうと思うから、正確な時計が必要に
> > > > なるわけです。
> > > > 時計は送出電波のマーキングにさえ利用できれば、
> > > > あとは、伝搬遅延が一定、もしくは何らかの規則性が
> > > > 満たされればいいわけです。
> > > > 伝搬遅延自体が、時間情報を付加してくれるという
> > > > 寸法です。
> > > > あとは、地上局および観測基準点の位置精度すら
> > > > 出ていれば、誤差はある程度の納める事ができます。
> > >
> > > でもこれじゃ, global っていうより, local あるいはよくても
> > > cellular になっちまいますね.
> >
> > 確かに、そのとおり。
>
> あの、cellularでも世界規模で行えばglobalですね。
> # 携帯電話なんて、近々そうなるでしょう。
そもそも、Global でないということの他に GPS システムの当初の目的を考慮
していません。
yam さんの議論には他の場合でも
1. 誰が
2. 何の目的で
3. いつ頃
何をしたのか抜けていたりしますね。
GPS に関しては、
1. アメリカ軍が
2. 世界規模の紛争、もしくはアメリカ本土および友好国から遠い場所での地域紛
争に対処するための航法システムとして
3. 1970 年代末から 1990 年代始めにかけて
構築されました。
その後に一部(かなりの)機能が民間向けに公開されたわけです。
# これは技術を知らない人でも GPS のことに目を通すとすぐわかる事実です
# が?
これは、それ以前の
NNSS (人工衛星)
オメガ (地上局)
といったシステムでも、開発時期と精度を除くと同じ経緯です。
1970 年代末から 1980 年代ではまだ冷戦の最中ですので、GPS は旧ソ連での奥
深い場所での精密爆撃(侵攻しても的をはずしてはばかばかしい)、大洋のミ
サイル潜水艦の精密位置測定を目的としていたわけですね。
> "yam" <h_yam@h8.dion.ne.jp> wrote in message
> news:Pjl3b.12$bL1.4@news1.dion.ne.jp...
> > 以上で、原子時計なしに正確な時間情報を得る手段が得られる
> > わけですから、YAM衛星を使ってGPS類似システム
> > を構築する事が可能である事が示せた事になります。
> > ただし、このシステムの問題は多数の正確な位置情報と
> > 時間情報が管理された地上局をそれなりの間隔で設置する
> > 必要があります。
> > 当然いくらアメリカとかでも、一国で管理するのは無理が
> > あり、いずれかの参加国が北朝鮮みたいにヘソを曲げれば、
> > 即破綻するという問題が存在します。
> > というわけで、技術的には可能でしょうが、現実性は
> > 乏しいといわざるをえませんね
この仕様では、アメリカ軍の要求には合いませんね。
といって、「YAM衛星」に民間からの出資者を募ることが出来たかどうか?
DGPS では衛星部分のコストは維持費も含め、民間から払う必要がなかったから
成立していますね。
また、DGPS は局地的にはともかく、全世界規模でやれば結局コスト高につき
ます。ヨーロッパ規模でも GPS 相当の原子時計を積む衛星航法システム
Galileo システム計画していますね。
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/911/911-12.pdf
これは当初より民生ベースで開発されています。経済的にも DGPS システムそ
のまま拡張するより安くつく判断あったのでしょう。
ついでにいえば、日本も GPS 補完システムとして原子時計を積む衛星航法シ
ステムに取り組みつつあります。
準天頂衛星システム開発で三菱、日立など6社が新会社
http://www.zdnet.co.jp/news/0210/30/njbt_07.html
[PDF]準天頂衛星測位・通信システムの開発
http://www.nilim.go.jp/japanese/hyouka/h14/siryou6_1.pdf
# 「YAM衛星」を採用しろとゴネテみたら?
> > それから、木村さんの指摘のとおり、DGPS による精度向上にはエリアが限ら
> > れます(観測基準点から 100-300km 程度)。日本全国覆うのに、28箇所いりま
> > す。
>
> すでに述べたように、電子基準点網は国内に1000点あり、
> さらに、それを補間する事によって数十メートルレベルでの
> 補完データは得られます。その結果としてGPSデータを
> 用いて数センチの誤差での計測が可能なようです。
SA 解除以前から、数十メートルレベルの精度はあるんですけれども?
それから、「数センチの誤差」というのは、
干渉測位法のことですね。これは、精度は高い(100km の距離で数 mm )のです
が1時間程度の調整必要なので(カーナビなど)移動体には向かず測量向けです。
# GPS 電波の位相情報を利用したものです。
# 位相の不確定性の調整のための観測時間がいります。
DGPS は、数メートルの精度ですが、移動体用にも使えます。
# SA 解除後は意味なくなりましたが。
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Kiyohide NOMURA
Department of Physics,
Kyushu University,
812-8581 Fukuoka
JAPAN
e-mail:knomura@stat.phys.kyushu-u.ac.jp
http://maya.phys.kyushu-u.ac.jp/
TEL,FAX:+81-92-642-2566
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