Re: プロバイダの規約
Tue, 31 Jan 2006 07:49:32 +0900,
in the message, <drm4mq$qld$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>,
Yasuyuki Nagashima <yasu-n@horae.dti.ne.jp> wrote
>民法709条を根拠にこういう要求はできないと思います。
# 本来、不法行為ではなくて債務不履行の話なのだが、結局は同じなので置い
といて。
まあ確かにそうなんですが、元々不法行為ににしろ債務不履行にしろ損害賠償
請求というのは、原則として「既に生じた損害」を填補するものですから、損
害賠償請求しているということは、「既に経過した利用不能だった期間に生じ
た損害」の問題なので「代替接続サービスを利用する機器の提供」など求めて
も既に問題となる利用不能期間は過ぎている以上、法律論以前に無意味です。
手段として賠償の役に立たないと。
未だに復旧しないというのなら……、さっさと解約する方がいいと思います
が、それはともかくとしても、それは「損害賠償」の問題ではないです。
これから生じる事態に対して事前に対策をという話は賠償の問題ではないで
す。
# 不法行為は将来損害の問題を生じますが、債務不履行の場合、将来損害とい
うのは観念的にはともかく実際に問題にはならないのではないかと。
でもこれだって「対策を採れないから現状生じたと同様の損害が今後も生じ
る蓋然性が高い」ことが前提なので、「対策を要求する」のは、損害を回避
するためのもの、つまり損害賠償請求ではないです。
代替措置を自分で採ってその費用を損害として請求するというのは法律的には
ありです。
この代替措置が「最低限の手段」である必要が無いのは、以前述べた記憶があ
るところ。
まあ、代替措置に掛った費用が適正かどうかはなかなか難しくて、そこで揉め
る可能性は多いにありますけどね。
# なお、(訴訟上、訴訟外を問わず)和解の内容なら金銭賠償に限らない。
それは417条の「別段の意思表示」のある場合だから。
その意味では、相手が呑んでくれる限りにおいて金銭以外の賠償方法を採る
ことは法律上可能。
つまり、「手段として賠償の役に立つ」のであれば、金銭以外でも法律上要
求することはできる。
ま、キリがないから符合契約取引でそうそう受けてくれるとも思えないけど
ね。
--
SUZUKI Wataru
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