Re: “級数”とは、Cauchy にとって、何であったか?
kounoike@mbh.nifty.com wrote:
> 鴻池です。
...
> ちょっとお尋ねしたいこと(つまらん内容なので躊躇したんですが)があるのですが,
> 現在の立場では,数列には規則性は必要ないとありますが,これは級数の項につ
> いても同様な立場なんでしょうか。
はい、そうです。もっとも級数は数列の「形式和」ですから同列の話です。
ただ、「規則性」という言葉は少しルーズに使ってました。
自然数 n に対して値 a_n が一意に決まるのが数列ですが、
一意に決まる以上はその背後に必ずなんらかの「規則」は存在しています。
いわば神様の目からみた規則性。
これに対し、言いたかったのはもっと限定された意味での規則性で、
人間にとって簡単にわかるようなもののつもりでした。
例えば一般項が数式で表されているとか、数式で簡単には表せないけど、
言葉できちんと定義できるとか(「πの小数 n 桁目」とか)。
オイラーあたりだと、「関数 f(x) とは x の数式である」といった感じだったのが、
コーシーだともっと一般的になって、対応関係として一般化したのがディリクレかな?
> なんらかの法則,規則等がなくてどうやって無限を扱うだろうと思ったので。
具体的なケースについて、どうやって生成されるかの規則が不明なままで
分析することは不可能でしょうね。
だけど一般論(例えば数列や級数の収束)をやるには一般的な定義でよい、
むしろそうあるべきで、その場合には「数式で書かれる」といった限定は不要。
(平賀)
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