「最大4回」と言った場合の「各回」をどういう風に一回と数えるのか?って
のがそもそも疑問なんですがね。

三審制と単純に言った場合、審級の異なる審理が3つあって、裁判について都
合二「段階」の上級審への不服申立ができるという制度のこと。
ならば、「審級が同じ場合は裁判が実際には2回以上あっても1回と数える」
べき。
でなければ破棄差戻しの場合裁判自体は4回以上になるけど、それを普通は四
審とか五審とかとは言わない。

つまり、三審制というのは審級制度を前提にした話なのであるから三審制の延
長線上で審理の回数を問題にするならそれは「審級の数」という意味で捉える
べきだということ。
ならば、「最大4回」とはすなわち「審級が最大四つある」という意味に解す
べき。

という前提で述べると、

At Sat, 17 Apr 2004 10:12:36 +0900,
in the message, <c5q03d$se0$1@newsl.dti.ne.jp>,
Yasuyuki Nagashima <yasu-n@horae.dti.ne.jp> wrote
>・略式命令(→正式裁判の請求)→正式な第一審(以後通常の三審制)

正式裁判請求による第一審手続は公訴提起直後の段階からのやり直しになる
(略式命令の当否を審査するのではない。)し判決が出れば略式命令は効力を
失うので略式命令と正式裁判請求による第一審は同一審級であり四審とは言え
ない。

>・少額訴訟への裁判(→異議申立)→正式な第一審(以後通常の三審制)

少額訴訟判決に対する異議申立ての効果は「口頭弁論終結前の常態に復する」
(民訴法379条1項前段)なので、少額訴訟手続と異議申立て後の一審の手続
は、「同一審級の手続」と考えるべき。
なので四審とは言えない。

>ほかにあるかな?

一番典型的なのは、別投稿でも既に指摘のある「上告審が高裁の場合の特別上
告」だと思います。
これは、確かに審級が四つある。
特別抗告も同様。
特別上告、特別抗告をまとめて特別上訴。

>たぶん再審は含んでいないですよね。

再審は、審級制度の枠外の話であることと再審の回数に制限がないから理屈上
5回以上になることもないとは言えないことから除外すべきでしょう
(もっとも、審級制度の枠外であるとしても原審に対する不服申立制度である
 ことに変りはないという点を見れば実質において審級制度と同質であると考
 えることはできる。
 更にその上で、二回目以降の再審の審理の対象は前回の再審の裁判ではなく
 て原審に当る裁判のはずだから、両者を併せて考えれば何回再審をしようが
 同一審級における審理と等価として「1回」の不服申立制度と見ることがで
 きる。
 ならば、再審もまた広い意味で四審の一種と言うこともできる。)。

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:szk_wataru_2003@yahoo.co.jp