Re: 2ストエンジン搭載車の“加速”(Re: 新しい 2ストエンジンスポーツバイク)
古寺です。
Naoto Zushi さんwrote:
> "Yuuichi Naruoka" <ynaru@jade.dti.ne.jp> wrote in message
> news:bkmnmb$fqh$1@newsl.dti.ne.jp...
> > 一般論として2ストエンジン搭載車は「加速が鋭い」と言われますが、これは
> > どのあたりが寄与しているのでしょうか。
>
> このあたりは、2ストでひとくくりにするのは、多少無理があるかと
> 思います。
> 2スト後期になると、低速から厚みのあるトルクでよく加速しました
> し、それ以前は、ある回転数を境にして、パワーが出る特性が乗り味とも
> 言われました。
熱問題を水冷の一般化でクリアし、デバイスが使えるようになったのに自主
規制で4st並にデチューンされた時代より、400/40ps、250/30psとか、
ポートなどのタイミングを全部低速側で固めたようなビジネス車、レジャー
車(の2st)比較の方が話がシンプルになりそうなのは確かです。
給排気タイミングが排気ポートの高さに大きく依存するってあたりから「可
変化」が進んで。ホンダ以外は2stの実用車(いわゆるビジネスバイク)を出
しており、全て低速側で設定してしまえば(レンジは狭いなりに)4stより低
回転大トルク車が作れるのは身に染みて分かってたはずで。スポーツ系(レ
プリカ以前の普通の)の主力ラインナップを2stのまま最後まで粘っていた
ヤマハは、一貫した開発歴の中でえらく早い時期から可変排気ポートとか試
していたわけですが。2stスポーツがレーシー系で再燃した時期には、ほぼ
数年と置かず全社にたような方法を採りましたね。
そういうあたり〜最後は輸出フル馬力仕様と国内のそれがあまりに懸け離れ
た出力表示だったところに掛けて、かなり「制御」を頑張って扱いの差が
無いかのように言われるに至る経過は確かにあると思いましたが。
ただ、逆に言うと相対的に低回転で、同排気量の4stでは最大トルクの絶
対値が絶対及ばないところを出せていた(それだけは結構昔から)という部
分が、4stに最大出力で特別差が無かった昔から最後までの、2stはどう
したって「感じ」が異なると思える根源的な部分として有ったと思います。
そこだけは時代関係なく括れたような。
最近に掛けての各種「可変化」は山の頂上への傾斜を緩くしただけで、
「標高」の絶対値はやはり高かったんですね。
#4stは二輪、四輪あまり関係ないというか、むしろ補機搭載に余裕が有
#る四輪の方が回転馬力は低くてもリッターあたり10kg-m近くを出しや
#すい状況に有り、二輪だとVFR系の400が4.0kg-m出せていたのが高い
#方です。一方2st250は回転を万の位に載せず、かつ狭いレンジで、各
#時代の4st400の1-2割減のトルクがピーク値として有りました。
##車体を小さくして2st並重量の4stマルチとか作ってみたところで重
##いそれは、250で2.0kg越すかどうかだったかと。
一方で絶対出力の方の「頂上」値は、4stは回転でかなり稼げるから、自
主馬力規制やらの国内仕様なんぞ同じところで頭打ちさせられてた訳です
が。到達時間無視しての最高速比較などすれば絶対出力の方でしょうけど、
回転の変化率(加速)からその局面での到達時間に影響するのはやはりトル
ク値ですよね。
250の空冷時代3kg-m程度〜最終的に3.8kg程度で見ても、それが各時代
で4stの5割増しは有りますから。4stで得難い加速感というのは時代関係
無しに机上論でも説明ついてしまうと思っています。
で繰り返しですが、各種デバイスで繋がりが良くなってもその最大トルク
が値を出せるのが狭い回転域なのはカバーしきれていないかと。
上記の4stを見ていると、補機容量に余裕が有る四輪の方が力を出しやす
いと、これはどこか文献でも見た表現なんですが。
> 総論でいえるのは、燃焼機会が2倍あるので、回転数の割にパワーが
> 出た、ということで、18000〜20000rpmという高回転で稼ぐしかない
> 4ストマルチとは別世界といえますね。
たとえ45ps/250cc同士でも、ですよね。
2st/4stというそれぞれの枠内だけで比較するなら、高回転型の方が
回転上昇に合わせてパワー変化が大きい(繋がりの良い4stにおいて、
二次曲線的など)、ピーキーなどと一般化出来るわけですが。2stだと、
数値的には4stより随分低回転型なんじゃない?とか思う(のは雑誌の
読み始め年代まで?^^;)どころか、5〜7,000回転で最大トルク出る
ような物でもやっぱりピーキーな面は有ると。
上記のVFRあたりやマルチ250で到達していたリッターあたり10kg-m
は、二輪の場合は加えてインジェクションの採用が遅れたり、可変バ
ルブタイミングの必要性が低かったりで傾斜特性の有るトルクで。
マルチエンジンが相当広い回転域を跨いでようやく出るその最大トル
クの5割増しが、いきなり(昔の)かそれなりに繋がってる(デバイス
付き)かの違いこそあれ、ある回転域で一気に出てしまう2stと。
#四輪の場合、インジェクションどころか可変バルタイの装備が当然
#など、4stでトルク出す効率は実は補機搭載の容易さ、給排気容量
#の差も有って二輪以上だと聞くんですが。はるかにフラットな特性
#で、たとえば2000ccの20kg-mくらいは実例が沢山有ります。
##二輪4stがその域に達したら、2st並の馬力を得る際の最大出力
##回転は下げられそうですが、加速感というか、トルクの出方は、
##余計異なる事に?
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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