GON wrote:
> 
> 詳しく見てないのでよくわかりませんが、今回の解析では超対称性粒子と
> 同定することは不可能だと思います。裸のSUSY粒子が発見されたわけで
> なく、多分ペンギンダイアグラムの内線を飛んでる仮想粒子にSUSY粒子が
> 飛んでたらCP-violationの混合角が説明できるのでは?って話でしょうから。
> 
> まぁ、精々傍証ってところでしょうね。

 確かにそうかもしれませんね。
 ひょっとすると現存の粒子構成でも別のペンギンダイアグラム相当が書けて
その物理過程で今回の実験結果の混合角が説明できて、その過程を見落としていた
なんていう結論も考えられないこともないですよね。

 でも、現存のクオーク・レプトン構成で説明できる可能性が0.1%以下と
言うのですから、ある程度調べていると思うので、新しい物理過程が含まれて
いる可能性の方がずっと大きいと考えているのだと思います。

 現在の実験技術的には、ペンギンダイアグラムの内線を飛んでる粒子(仮想粒子
ですか?)の生成・崩壊過程を直接観測できないでしょうから、これからできる
ことは理論屋さんの出番になるのではないでしょうか? 理論屋さんが理路整然に
説明してくれて、みんなが信じれるレベルで実験結果と一致する数値が出せれば
傍証から確証になれるのかな??

 もちろん、実験的にもまだ得られたデータ量が少ないようですし、もっと多く
データを取ることと、別の実験設備での追証も必要だと思います。もっとも、
将来観測技術が上がり、ペンギンダイアグラムの内線を飛んでる粒子を
直接観測できれば問題なく確証になるのでしょうけれども。
 直接観測は将来的にも理論的には不可能なんでしょうか?それとも実験技術レベル
が上がれば可能なんでしょうか?

> >
> > 素粒子理論の
> > 小林・益川理論
> > それから
> > 南部 陽一郎
> > の見込みは?
> 
> 「対称性の自発的破れ」の考え方は素粒子に限らず多くの分野に影響を与えた
> わけですから、南部 陽一郎さんにはノーベル賞を与えるべきだと思いますね。
> 
> よく言われている小林さんと益川さんは、こんなに時間が経ってるのにいまだに
> 取れないところを見ると賞味期限が過ぎちゃってるのかもね。それか海外の人で
> 根強く反対している人がいるのかも?

 2000年7月の2年前に『KEKで90%以上の確率でCP対称性の破れを示唆する
実験結果を得た。』という新聞記事に中で、次の小林教授の言葉が載っていました。
新聞記事に書かれている内容を全文下記に掲載します。

『この実験の重要な目標は、素粒子物理学の標準理論では説明できない現象が
起きているかどうかを明らかにすることだ。まだ統計的にははっきりしていないが、
標準理論に矛盾していない結果である限り、理論の研究者としては折り込み済み
だった。自分達の理論の実証につながって嬉しい反面、理論の研究者としては
何か新しいことを、という気持ちもあった。この調子で行けば近いうちに確かめら
れる、と思われるので、注目していきたい。』

(この時自分の理論の検証がされた話題なのに、良くわからない先の事を中心に
 話していることに違和感をもった記憶が有ります。)

 この発言を見るとすでに、今回の新発見もすでに視野に入れて実験を進めていた
ことがわかります。自分の理論が正しいことは、Bファクトリーよる直接的な実験結果
を待つまでもなく、標準理論が精度よく検証されていることから、自分的には明らか
だったのだと推測します。

 そう考えると理論と実験面から『CP対称性の破れ』を解き明かしたことはノーベル賞に
値すると大いに思いますが、御本人的にはすでに標準理論を超える新理論の実験的な
足掛かりを得たいという構想をもってBファクトリーを建設したことになるのではない
でしょうか?
 きっと自分の理論の検証だけに膨大な費用をかけているんではないという気持ちと
次期戦略的政策があったんでしょうね?!


                             きむら@茅ヶ崎