青龍 wrote:

>> が、これにもまして重要なのが、このような反省と矛盾する
>> 行動を取らないことですね。


たしかにそうでしょう。そして、中国は日本の政権が本質的に「こ
のような反省と矛盾する行動を取ら」ざるを得ない構造であること
を理解した上でそのつど利用しているはずです。

自民党政権内部では首相は靖国神社に参拝せざるを得ないような構
造があり、八月十五日を避けてであれ、一月に初詣だとことわった
上でであれ、どういうわけか参拝せざるを得ないらしい。それはい
わば日本の首相にとって一種の踏み絵で、小泉首相はそれをまとも
に踏むのを避けていろいろやってますが、結局踏まざるを得ないら
しい。

そういう政権を選ばなければ中国の満足が得られるからといって、
そうおいそれと別の政権を選ぶわけにもいかないのは、対米関係が
あるからで、対米関係をうまくやりつつ首相が靖国詣でもしない政
権というのが日本でできるかというとそれも怪しいわけです(たと
えば、民主党政権になったら首相の靖国詣でないかというと、それ
は怪しい)。対米か靖国かという変な二者択一になってしまう構造
が日本にはあるわけですが、中国政府は、その「構造」をありがた
く利用して自国民を治める一助にしてきたわけです。




>>  具体的には、過去の侵略の事実を否定したり侵略を正当化し
たりしな
>> いことが重要だと思います。


これは韓国に対しては結構ありますが、中国に対してはあまりやっ
ていないように思います。中国関係でそれに類するものというと、
南京虐殺関連の事実認識ぐらいでしょうか。しかし南京虐殺も「な
かった」とか「正しかった」という極端な意見をおおっぴらに言う
人はほとんどいなくなりました。

それより、中国にとっては、なんと言っても「靖国問題」がいちば
んつっつきやすく、毎年必ず利用できるという意味で一番便利なは
ずです。これと魚釣島をセットにすれば人民の間の反日感情はぐっ
と盛り上がってきます。それを国内問題から「人民」の目をそらす
手段として使わない手はありません。

これに「政治家の問題発言」が加われば、なお良しですが、こちら
の方は、単発で予測もつかないので利用効果は低いかもしれませ
ん。しかし、自民党政権内からはこの手の問題発言が出てくる構造
があり、それは、首相になったら靖国詣でをすることになる構造と
同根で、そして根は深いわけです。

それを直せと言うのは簡単ですが、構造的な問題だからそう一朝一
夕にはなおらない。

たとえば対米追随型じゃない政権(例えば共産党政権)ができるま
でそれは直りそうもありませんし、今の共産党の勢いじゃ、そもそ
もそんなものはできそうもありません。

中国も、当分の間は「反日」を利用して国内を治める方針を変える
必要を感じないでしょう。


萩原@グリフィス大学