Re: 通信の秘密はこれを保障する(憲法21条)
佐々木将人@函館 です。
う〜ん。失題になっちゃったね。
>Date:2005/05/07 21:33:48 JST
>Message-ID:<20050507213348cal@nn.iij4u.or.jp>
>
>事例
>ある個人(複数名、以下「事務局」と呼ぶ)が運営する
>インターネット上の掲示板(BBS)に
>そこの参加者であるAが
>やはり参加者である特定の人物Bの氏名(その他特定可能な情報)をあげて
>・「Bは幼い頃から嘘と、ハッタリと、カンニングの巧みな」少年であった
>・「Bのようなゴキブリ共」
>・「言葉の魔術者であり、インチキ製品を叩き売っている大道ヤシ」
>・「天性の嘘つき」
>・「美しい仮面にひそむ、醜悪な性格」
>・「己れの利益、己れの出世のためなら、手段を選ばないオポチユニスト」
>・「Bの素顔は、昼は人をたぶらかす詐欺師、夜は闇に乗ずる凶賊で、
> 云うならばマムシの道三」
>などと書込みをした。
>Bから「自分を尊重していないこのような投稿は削除されるべきである」
>との申し入れを受け、事務局がこの書込みを削除したところ
>Aから
>「削除は自分の表現行為に対する表現の自由の侵害である。
> 私を個人として尊重してもらいたい。
> ついてはこの書込みの削除を改め、復元してもらいたい。」
>と申し入れを受けた。
>問題
>ABともに納得する解決案を書きなさい。
>ただしABとも
>その理由付けに「表現の自由」「個人の尊重」以外の判断基準をあげれば
>絶対に納得はしないし
>その基準が憲法の示す公権力に対するそれであれば
「それでなければ」の誤り。
だけど失題と言ったのはここじゃあない。
>やはり納得しないが
>もし憲法の示す公権力に対するそれであれば
>「おもしろくないけど納得するわ」ということにするものとする。
判例をきちんと検討した人ならピンと来たと思うけど
これは実は北方ジャーナル事件のアレンジだったりする。
そしてこの案件では裁判所による出版差止を認めたもんですから
「憲法の示す表現の自由の範囲」から見れば
表現の自由としては保護されないことになる訳です。
AもBも「憲法の示す公権力に対するそれであれば
おもしろくないけど納得する」以上
解決案「削除。復活はなし。」でBも納得しなきゃいけなくなります。
私が模範解答として用意した「回答不能」は誤り。
言い換えれば、Bが表現の自由を持ち出した時点で
「表現の自由では保護されない」と言われてしまうし
それと異なる主張をすれば
「独自の見解にたって論難するものであって採用できない」
ってやつです。
これで問題点はより一層明確になったと思います。
ちなみにこの事案より他者への人権侵害への程度が低ければ
まあ部分社会の法理あたりでどっちの請求も認めない判決が出ると思います。
部分社会の法理と言うと難しく聞こえますが
「それはまず自分たちでどうするか決めることでしょ?
裁判所は介入しないよ。」
ってことです。
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cal@nn.iij4u.or.jp 佐々木将人
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まさと「あんなに雪多かったのにね〜。」
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