Re: 危険な防犯システムが不正侵入者でない者に作動した場合の故意
佐々木将人@函館 です。
>From:Yasuyuki Nagashima <yasu-n@horae.dti.ne.jp>
>Date:2003/07/12 11:22:11 JST
>Message-ID:<benrad$j3b$1@newsl.dti.ne.jp>
>
>それにしても、くぅ〜、錯誤ってむずい。
うん、あたしもいまいちわからない……。
>でも勉強してみると面白い…。
まあね。
>・認識した事実=不正侵入者を殺す
>・発生した事実=不正侵入者でない者を死なせた
>
>と当てはまるわけですね。
そうです。
で、法定的符合説なら
・認識した事実=人を殺す
・発生した事実=人を死なせた
で錯誤は存在していないでしょう……と評価するのです。
>>だけど設例はこれと本当にパラレルなの?
>
>実は、私は依然としてパラレルじゃないかと思っているところなんですが…
>
>というのも、もし法定的符合説に従って錯誤なし、故意ありと見るとしても
>それは
>「不正侵入者に作動させるつもりで設置した防犯装置で、
> 不正侵入者でない者を死なせた」
>場合であって、今回の場合は
>「不正侵入者に作動させ、不正侵入者でない者に作動させないつもりで
> 設置した防犯装置で、不正侵入者でない者を死なせた」
>という理解があったんです。
まず前提として実行の着手がどこにあったかを考えると
これは説の分かれはあり得るところだけど
こういう装置をつけた時点で
普通の人は結果発生の危険性を感じるんではないか?と思うのだ。
装置はあるけど一定の場合にしか結果は発生しないから安心……だとは
通常考えないんじゃないかなあ……。
そうすると装置設置時に実行の着手を認めることになると思います。
であれば実行の着手があって結果の発生が予期しない相手でも
構成要件の中であれば錯誤として論じず故意犯成立って話になります。
一方
「Aさんを撃つつもりだけどBさんだったので撃たないつもりが暴発した」
だと
そもそも実行の着手が認められないでしょう。
だから故意犯ではなく……って話になるんで
パラレルとは言い難いと思います。
もしパラレルにするなら実行の着手が認められるように
「人に銃口を向けたけどBさんだったので撃つのをやめたが
予期せず暴発してしまった。」
にしなきゃいけないし
この設例だとむしろ殺人罪を成立させる方が自然でしょ。
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cal@nn.iij4u.or.jp 佐々木将人
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まさと 「それ、微妙に間違っている……。」
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