工繊大の塚本です.

In article <j3ei3k$7g4$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> えっどういう意味でしょうか? 一応,手直ししたのですが
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__00.jpg

 [0] の行が駄目だと申し上げました.

> 何とか下記のように出来ました。
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_925__00.jpg

きちんと Weierstrass の優級数判定法を用いるなら,
 |s| < R という領域において,
 M = R^2 \exp(2R) とおけば,
 |-1 + (1 + s/k)\exp(-s/k)| \leq M/k^2 となるから
 \sum_{k=1}^\infty (-1 + (1 + s/k)\exp(-s/k)) は一様収束し,
 \prod_{k=1}^\infty ((1 + s/k)\exp(-s/k)) は収束して正則関数を表す,
と書くものでしょう.

> In article <110808034815.M0119726@ras2.kit.ac.jp>
> > 又, \lim_{n \to \infty} s \prod_{k=1}^n ((1 + s/k)\exp(-s/k)) が
> > 0 にならないという嘘が書いてありますね.
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__00.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__01.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__02.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_93__15.jpg
> としてみましたが何処ら辺から嘘になっておりますでしょうか?

 (proof) の最初に s は \in C と書いてあるので,
以下では s が -1, -2, -3, \dots ではないという条件が
課されていません.

> 「貴方の記述では k によって M が変わることを許していることになります.」
> の意味がやっとわかりました。
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__03.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__04.jpg
> とすべきでしたね。

だから [0] の行で, \forall s/k というのは変だと思いませんか.
 |s| < R とすれば, M = R^2 \exp(2R) について,
 \forall k で | -1 + (1 + s/k)\exp(-s/k) | \leq M/k^2 となる,
としないといけない.

後半は, |s| < R \leq N であれば,
 \prod_{k=N}^\infty ((1 + s/k)\exp(-s/k)) \neq 0
となるという話が不完全に消化されているということでしょう.


> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__03.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__04.jpg
> でいいのですよね。

記述の仕方が全く駄目です.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_27__07.jpg
> となったのですが今,
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/graph086.jpg
> という赤の範囲でfが正則である事だけが分かっていますよね。

 z_0 は孤立特異点ですから, r_2 > 0 は任意に小さく取れます.
従って, f は 0 < |z - z_0| < r_1 で正則です.

> そしてz=z_0はDには含まれませんよね
> (∵今,z=z_0はfの(孤立)特異点なのでf(z_0)は定義されない)。
> それらだけからどうしてg(z_0)≠0ならg(z)はz=z_0で正則と分かるのでしょうか?

 f の Laurent 級数展開の
非負ベキの部分 \sum_{k=0}^\infty c_k (z - z_0)^k は
零でない収束半径を持つベキ級数であり,
実際, |z - z_0| < r_1 で
 \sum_{k=0}^\infty c_k (z - z_0)^k は正則関数を表します.
 z_0 が n 位の極であるとき,
 \sum_{k=0}^\infty c_k (z - z_0)^{k+n} というベキ級数は
 \sum_{k=0}^\infty c_k (z - z_0)^k と同じ収束半径を持ちますから,
 |z - z_0| < r_1 で \sum_{k=0}^\infty c_k (z - z_0)^{k+n} というベキ級数は
正則関数を表します. 従って,
 g(z) も |z - z_0| < r_1 で正則です.
因みに, g(z_0) \neq 0 ですから,
 1/g(z) は z = z_0 のある近傍において正則です.

> > 1/f(z) = (z - z_0)^n (1/g(z)) が z_0 のある近傍から z_0 を除いたところで
> > 成立しますから,
> 
> z=z_0の時はf(z_0)は定義されてなくて,
> z=z_0はfの極なのでz=z_0の或る近傍でfは定義されていて,
> その近傍でf(z)≠0且つg(z)≠0なら
> 1/f(z)=(z-z_0)^n(1/g(z))となる事は分かりますが、、 
> その近傍でf(z)≠0且つg(z)≠0とどうすれば分かるのでしょうか?

 g(z_0) \neq 0 ですから,
 g(z) は z = z_0 のある近傍 U で g(z) \neq 0 となります.
 f(z) = (z - z_0)^{-n} g(z) ですから,
近傍 U から z_0 を除いたところで f(z) \neq 0 でもあります.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_27__11.jpg
> の下から4行目の絶対収束性はどうして言えるのでょうか?

 Laurent 級数展開を導いた議論をもう一度確認して下さい.
 0 < r_2 < |z - z_0| < r_1 で正則な関数に対する
 Laurent 級数展開の非負ベキの部分の級数の収束半径が
 r_1 より小さくないことが分かる筈です.

> > S = { z \in D | f(z) = \infty } が D の孤立点からなる集合で,
> > D' = D \setminus S 上で f が正則であり,
> > S の各点は f の極になっている, というのが良いでしょう.
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_meromorphic__03.jpg
> でもいいでしょうか?

 Iso D の点が f の極になっているという条件が抜けていますから,
駄目です.

> f^-1(∞)=D \setminus D'=IsoD≠φと書けばf^-1(∞)の元は自動的に極を表しますよね?

そんなことはありません.

> > 但し, L(s, \chi) は全複素数平面で正則になる場合もあります.
> > その場合は値域は \infty を含みません.
> 
> 非有理型になるかはχに依存するのですね。

正則な場合も有理形に含めます.

> > > http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_extended_complex_plane__00.jpg
> > 何かヘンなものを参考にされたようですね.
> 
> えっ。何処がおかしいでしょうか?

 Riemann surface という言葉の使い方.
後半の f.

> > 後半は, f を複素数平面上で考えていると,
> > f(z) = 1/z の像は, P^1(C) でなく,
> > それから 0 という 1 点を除いたものになりますから,
> > 何を言いたいのか良く分からない話になっています.
> 
> そうですね。
> ただ下段は全複素平面Rは拡張された全複素平面C∪{∞}と

 R は「全複素平面」ではありません.

> 同等に考える事ができると感じますが
> 上段は{(x,y,z)∈R^3;x^2+y^2+(z-1/2)^2=1/4という
> 実数の直積集合R^3の部分集合からC∪{∞}への全単射が存在するというだけで
> CとC∪{∞}を同一視できるという事を物語っているわけではなく,

 C と C \cup { \infty } が同一視できるわけがありません.

> R^3の部分集合とC∪{∞}とを同一視できるという事を主張しているようには
> 到底感じられないのですが。。

全単射があるのに(どういう意味でかは別として)同一視できませんか.

> どのように解釈したらいいのでしょうか?

きっと読み間違えている部分があるでしょうから,
もう一度お確かめ下さい.

> >  \sum_{k=0}^n { n \choose k } \times
> >               d^{n-k}/dz^{n-k}(z - z_0)^n d^k/dz^k 1/g(z)|_{z=z_0}
> >   = { n \choose 0 } d^{n-0}/dz^{n-0}(z - z_0)^n

おっと, { n \choose 0 } d^{n-0}/dz^{n-0}(z - z_0)^n 1/g(z) ですね.

> >     + { n \choose 1 } d^{n-1}/dz^{n-1}(z - z_0)^n d^1/dz^1 1/g(z)
> >     + { n \choose 2 } d^{n-2}/dz^{n-2}(z - z_0)^n d^2/dz^2 1/g(z)
> >     + \cdots
> >     + { n \choose n-1 } d^{n-(n-1)}/dz^{n-(n-1)}(z - z_0)^n \times
> >                         d^{n-1}/dz^{n-1} 1/g(z)
> >     + { n \choose n } (z - z_0)^n d^n/dz^n 1/g(z) |_{z=z_0}
> > 
> > とあるべきところが

まあ, 人の書いた式を鵜呑みにしてはいけないわけで,

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_27__14.jpg
> とお蔭様で上手くいきました。

そこが間違っていますが, n!/0! は 1 ではありませんよ.

> > 先ず, \lim_{n \to \infty} (n^s n!)/(\prod_{k=0}^n (s + k)) \neq 0
> > 等ということは, 最後の最後にならないと分からないことです.
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__04.jpg
> から
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_93__15.jpg
> が言えて,
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_98__03.jpg
> のlim_{n→∞}n^s n!/Π_{k=0}^n(s+k)≠0が言えるのですね。

だから, 先ず, Weierstrass の乗積表示の逆数と一致することを示した後に,
 Weierstrass の乗積表示の無限乗積の零点が非正の整数の全体であることを
示して, 初めて分かることですから, 議論の順番が違います.
例えば, 一番最後の page の (proof) で
 "Now that \lim_{n \to \infty n^s n!/(\prod_{k=0}^n(s + k)) \neq 0 obviously"
と書いてあるのは, 意味不明で, ちっとも obviously ではありません.

> > 何故 \gamma を使わないのでしょうか.

と書いたのは, オイラーの定数のことのつもりだったと思いますが,

> すいません。ただΓ(s)と書いただけでは
> lim_{n→∞} (n^s n!)/Π_{k=0}^n(s+k)か∫_0^∞exp(-x)x^{s-1}dxか
> はっきりしないもので(慣れれば文脈からすぐに分かるものなのでしょうが)。

 \Gamma(s) というのは Re(s) > 0 で \int_0^\infty \exp(-x) x^{s-1} dx
によって定義される正則関数を全複素数平面上の有理形関数として
解析接続したものを表します. それははっきりしたものです.

それ以外の「表示」は \Gamma(s) の性質を明らかにする為に
使われるものです.
 \int_0^\infty \exp(-x) x^{s-1} dx は \Gamma(s) の出発点ですし,
 \Gamma(s+1) = s \Gamma(s) を示す上で重要な表示ですが,
 \int_{n \to \infty n^s n!/(\prod_{k=0}^n(s + k)) という表示は
 Weierstrass の乗積表示を導く為の中間生成物としての意味しかない,
もう直ぐに忘れて良い表示です.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__05.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__06.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_93__16.jpg
> と漸く上手くいきました。

既に述べた理由で, 駄目です.

> > (d/ds)(\prod_{k=1}^n ((1 + s/k)\exp(-s/k))) を考えることは不要で,
> 
> えっ? 命題「正則な関数列の一様収束の極限関数も正則」を使いたかったので
> 取り合えず{Π_{k=1}^n(1+s/k)exp(-s/k)}という関数列が
> 正則な関数列である事を先ず示したつもりだったのですが。。

使うのは, ある領域 D において f_n(s) が正則であり,
 \sum_{n=1}^\infty |f_n(s)| が一様収束すれば,
無限乗積 \prod_{n=1}^\infty (1 + f_n(s)) は正則関数となる,
という命題ですから, -1 + (1 + s/k)\exp(-s/k) が正則関数である
ことが最初の条件で, それは
( s の一次関数 -s/k は全複素数平面で正則で,
指数関数 \exp は全複素数平面で正則だから,
その二つの合成関数 \exp(-s/k) が全複素数平面で正則で,
多項式 1 + s/k が全複素数平面で正則で, 正則関数二つの積
 (1 + s/k)\exp(-s/k) が全複素数平面で正則で,
それに定数 -1 を加えたものも全複素数平面で正則ですから)
明らかです.

無限乗積が正則関数となることの証明には
「正則関数列の一様収束の極限関数も正則」が使われますが,
その時に必要となるのは, 十分に大きな自然数 N と
 N \leq n となる自然数 n についての
 \sum_{k=N}^n \log(1 + f_n(s)) ですから,
 \prod_{k=1}^n (1 + f_n(s)) の正則性が直接必要となるものではありません.

> > しかもその計算は間違っています.
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__10.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__11.jpg
> でいいですよね。

結局 (1 + s/k)\exp(-s/k) が正則なのは obvious といっている
だけですね.

> 変数sはfixedされていると見做して
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__10.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__11.jpg
> という風にM_kを使わずにM^2|s|^2/k^2をdominant sequenceとして取ったのですが
> これでも出鱈目でしょうか?

ある領域での一様収束性を議論しようという時に,
変数 s を fix してどうするのです.
その議論では各点収束しか導かれません.
つまり, それは出鱈目です.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/graph_of_gamma_function__00.jpg

このグラフは実数 s についての \Gamma(s) のグラフで,
複素数平面上での \Gamma(s) の挙動を記述するものではありません.
それはさておき.

> という具合にlim_{n→∞}n^s n!/Π_{k=0}^n(s+k)はs=0,-1,-2,…で∞となり,
> それ以外では≠0となるので"{0,-1,-2,…}を除いて"と述べては駄目でしょうか?

貴方は議論の流れを理解していない.
 \lim_{n \to \infty} n^s n!/(\prod_{k=0}^n (s + k)) という式は,
最初, Re(s) > 0 において, その極限が積分
 \int_0^\infty \exp(-x) x^{s-1} ds と一致することを示すことにより,
導入されるわけです. この段階では Re(s) > 0 で収束することしか
分かっていません.
さて, 任意の複素数 s について,
無限乗積 s \exp(\gamma s) \prod_{k=1}^\infty (1 + s/k)\exp(-s/k) が
収束することを見た後で,
 \lim_{n \to \infty} n^s n!/(\prod_{k=0}^n (s + k)) の逆数の極限が
任意の複素数 s でその無限乗積と一致することが示されて,
初めて, 無限乗積の零点を除く複素数 s で収束することが分かります.

その証明の過程にいるとき, 今何を仮定できて,
今何を示す事をめざしているか, ちゃんと把握できていますか.

> > その式は Re(s) > 0 以外のところでは収束することすら明確ではありません.
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__05.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_923__06.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_93__16.jpg
> なので
> 1/lim_{n→∞}(n^s n!)/Π_{k=0}^n(s+k)は
> {0,-1,-2,…}以外なら収束すると分かると思うのですが。。。
> これもやはり勘違いでしょうか?

きちんと議論の順序を踏んだ後でならそう言えますが,
貴方の議論はそうなっていません.

> > Weierstrass の乗積表示は, 明らかに \Gamma 関数の逆数を表すものです.
> 
> えっ? では繰り返しですが1/Γ(s) (但し,s=0,-1,-2,…)では
> 1/∞=0という逆数の定義に反する
> (s=0,-1,-2,…に於いてもΓ(s)・1/Γ(s):=1と定義すると決めて了えば
> 問題は回避できますか)
> 事象が生じてしまうではありませんか。

 \Gamma 関数は全複素数平面上の有理形関数ですから,
極のところでは 1/\Gamma(s) はちゃんと正則関数になります.
単に値 \infty の逆数を考えているのではなく,
有理形関数の逆数を考えているのが大事なところです.

> なので
> sexp(slim_{n→∞}Σ_{k=1}^n 1/k-ln(n))Π_{k=1}^∞(1+s/k)exp(-s/k)
> :=1/Γ(s) (if s=0,-1,-2,…), 
> 0 (otherwise)を 
> Weierstrass の乗積表示の定義だとすれば
> 1/∞=0はどう解釈すればいいのかといった
> 下らない(?)質問が失くなるではありませんか?

何をおっしゃりたいのかさっぱり分かりません.
全複素数平面上で意味を持つ
 s \exp(\gamma s) \prod_{k=1}^\infty((1 + s/k)\exp(-s/k))
が全複素数平面上で正則な 1/\Gamma(s) の無限乗積表示です.

> Γ(s)と書けばΓの定義域は全複素平面と決めてしまって,

 \Gamma(s) は全複素平面上での有理形関数です.

> ∫_0^∞exp(-x)x^{s-1}dxは"Re(s)>0でのΓ(s)"と述べれではいいだけですね。

はい.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop192_1255__00.jpg
> を使えばいいのですね。

結果はそれで良いですが, 証明は無内容ですね.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_96__11.jpg
> という具合に今,r>0となっているので
> 収束半径の定義からr=1/lim_{n→∞}|a_{n+1}/a_n|∈Rが成り立つはずですが?

収束半径の定義から \lim_{n \to \infty} |a_{n+1}/a_n| の
収束は導かれませんよ. 例えば,

  \sin z
   = \sum_{k=0}^\infty (-1)^k z^{2k+1}/(2k+1)!
   = \sum_{n=0}^\infty a_n z^n

の場合, a_{2n} = 0, a_{2n+1} = (-1)^n/(2n+1)! ですから,
 |a_{2n+1}/a_{2n}| 自体考えられません.

> > 収束半径の公式は別にあります.
> 
> 1/inf{sup{(a_n)^{1/n}∈R;n≧k}∈R∪{∞};k∈N}でしょうか?

 a_n を |a_n| にすれば正しい.

> うーん、どうしてr=1/lim_{n→∞}|a_{n+1}/a_n|という公式は使えないのでしょうか?

その極限は存在するとは限らないからです.

> > f が s_0 の近傍で正則で, f(s_0) \neq 0 であれば,
> > g(s) = (s - s_0)^{-1} f(s) は s_0 の近傍から s_0 を除いたところで
> > 正則で, s_0 を 1 位の極として持つ, ことは,
> > g(s) の Laurent 展開が f(s) の Taylor 展開から得られるので,
> > すぐに分かります.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_97__02.jpg
> でいいのですね。

 \Gamma(s) が s = 0, -1, -2, \dots で一位の極を持つことはそれで
良いですが, s = -1 とするべきところが s = 1 になっていますね.
ところで留数は分かっていますか.

> すいません。「表示」と「定義」の決定的な違いとは何なのでしょうか?
> 困るような状況が発生するのはどんな場合なのでしょうか?

定義は簡単に記述できて出発点とし易いものが良いでしょうね.
困るのは, 何から何がどう導き出されているかの認識が不十分な
人が中途半端な理解でものを言うときです.

> Σ_{n=1}^∞χ(n)/n^sの解析接続関数は一意的にしか存在しないのですよね
> (∵一致の定理)。
> そして関数は
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_DL__06.jpg
> という形をしているから

それは間違いですね. s = 0, -1, -2, \dots で
 L(s, \chi) = 0 とはなりません.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_DL__06.jpg
> を最初からDirichletのL関数の定義式としておいて,

だから定義は簡単なものでないと意味がありません.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_DL__06.jpg
> は{s∈C;Σ_{n=0}^∞χ(n)/n^s∈C}という定義域では特にΣ_{n=1}^∞χ(n)/n^sに一致する。
> という風に定義しておけば

そんな級数と積分との和のようなものから出発して
 \sum_{n=0}^\infty \chi(n)/n^s に到達するというは
不自然だと思いませんか.

> 解析接続といった概念を持ち出す意義があるのだろうかと
> 疑問に思ったからです。

 \sum_{n=0}^\infty \chi(n)/n^s という形から,
 \zeta(s) や \zeta(s, x) や \zeta_{\equiv a mod N}(s) やらとの
関係も見えてくるのです. Re(s) > 1 で成立している関係が
解析接続した先まで成立しているということがあって,
初めて, そういった表示式が導かれるのです.

勿論, そういった関係が理解できない人には,
その表示式を「信じて」貰うしかないかも知れませんね.

> Σ_{n=1}^∞χ(n)/n^sの全複素平面への解析接続関数がもし幾通りも存在するのであれば
> 勿論,話は別ですが。

勿論 L(s, \chi) は一意に定まっているわけですが,
その表示式は, 目的ごとに色々と考える必要があるでしょう.

> > そして, この場合実は L(s, \chi) は全複素数平面上での正則関数になります.
> 
> 全複素平面で正則!!!。   非有理型になるのですね。これは驚きです。

正則関数も有理形関数に含めて考えます.

> > Re(s) > 1 や Re(s) > 0 以外での「表示」が必要なら,
> > \Gamma 関数や, B_n を用いた級数や, 積分表示やらを組み合わせた
> > 表示が存在します.
> 
> もっもしかして,
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_DL__07.jpg

 s = 0, -1, -2, \dots での値が 0 というのは間違いです.

> と定義すれば全複素平面で正則となるのでしょうか?

だから, \chi: (Z/NZ)^\times \to C^\times が { 1 } 以外の
像を持てば, L(s, \chi) は全複素数平面上での正則関数だと
言っているではないですか.

> すいません。DiricheltのL関数に関して未だ蟠りが残っております。

何が分かりませんか.

> ζ関数についても最初から
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_Riemann_zeta_function.jpg
> と定義しておいて,Re(s)>1では
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_Riemann_zeta_function.jpg
> はΣ_{n=1}^∞1/n^sに一致すると断っておけば
> 解析接続という概念をわざわざ持ち出さずに済むではないかと感じているのです。

 \sum_{n=1}^\infty 1/n^s という形から出発するから,
 \sum_{n=0}^\infty 1/(x + n)^s を考えたり,
 \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s も考えたりしてみようという気に
なるというものです.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__82.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__83.jpg
> で取り敢えずいいのですね。

 Weierstrass の優級数判定法というのは結局理解できない様ですね.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_89__00.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_89__01.jpg
> でいいのですよね。

有限群 G の指標 \chi というのは, G から
複素一次元ベクトル空間 C の線形同型群 Aut(C) = C^\times への
群準同型のことです. 分かっていますか.

> ただ
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_89__02.jpg
> の3行目でf(1)=1(←乗法群の単位元)とする為に
> CをAbel群ではなく乗法群として扱う為にC^×としてしまいました。

だから, それが大きな勘違いです.
 G から C へのではなく, G から Aut(C) = C^\times への群準同型です.

> CをAbel群と解釈するとf(1)=0(←Abel群の単位元)となってしまいますよね。
> 有限群の指標の像は乗法群として解釈して差し支えないものでしょうか?

初めっからそうです.

> それと,G:=Z_nとするとχ∈DL(n)はχ∈Hom(Z_n,C)でもあるので

 Dirichlet 指標は, 元々, 群 (Z/nZ)^\times の
指標 \chi: (Z/nZ)^\times \to C^\times であったものを,
 \bar{\chi}: Z \to C に, 
 (n, a) = 1 の時は \bar{\chi}(a) = \chi([a]) とし,
 (n, a) \neq 1 の時は \bar{\chi}(a) = 0 として拡張したのです.
それはもはや C への群準同型でもありません.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_84__00.jpg
> ∀amodn∈Z_nに対して|χ(a)|=1となる筈ですが
> GCD{a,n}≠1の時はχ(a)=0なので|χ(a)|=0となってしまい矛盾が発生していまいますが
> これはどう回避したらいいのでしょうか?

ここで考えている有限群は加法群 Z/nZ ではなく,
乗法群 (Z/nZ)^\times ですよ.
 (n, a) \neq 1 となる a については
 a の類 [a] は (Z/nZ)^\times の元ではありませんから,
 \chi([a]) 自体定義されていません.
拡張した \bar{\chi} については \bar{\chi}(a) = 0 であるわけですが,
一般に同じ \chi で書いていても, 違うものですから,
別に矛盾でも何でもありません.

> > 無論, k が N と素でなければ \chi(k) = 0 ですが,
> 
> えっ。すると
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_89__02.jpg
> では∀a∈Gに対して|f(a)|=1は言えなくなって了うでありませんか?

元の \chi と拡張された \chi との違いが分かっていなかったとは
驚きです.

> > はい. 相変わらず記号は出鱈目ですが, 無視しておきます.
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/theorem5_4__01.jpg
> と2^Map(C,C)↓Map(N,C)と訂正すればいいのですね。

出鱈目であることは変わりませんが, 無視しておきます.

> > 少しも工夫とか, 応用とかが出来ませんか.
> > 任意の正数 r, R について, D_{r,R} = { s \in C | Re(s) > r, |s| < R }
> > において, |f_m(s)| \leq (N R)/m^{r+1} であり,
> 
> すいません。ここの不等号がどうしても分かりません。

 |f_m(s)| \leq (N |s|)/m^{Re(s)+1} \leq (N R)/m^{r+1} です.

> > \sum_{m=1}^\infty (N R)/m^{r+1} は収束しますから,
> > f_0(s) + \sum_{m=1}^\infty f_m(s) は正則関数 f_m(s) ら和の
> > 一様収束極限として正則になります.
> > r はどんなに小さな正数でも良いし,
> > R はどんなに大きな正数でも良いので,
> > \cup_{r>0, R>0} D_{r, R} = { s \in C | Re(s) > 0 }
> > において, f_0(s) + \sum_{m=1}^\infty f_m(s) は
> > 広義一様収束して, 正則関数となります.
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_1_3__00.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_1_3__01.jpg
> と取り敢えず正則である事は示せたのですが

だから, Weierstrass の優級数判定法が使えていません.

> 3行目のL(s,χ)=Σ_{n=1}^∞χ(n)/n^sとなる事と

任意の級数 \sum_{n=1}^\infty a_n について
 \sum_{n=1}^\infty a_n = \sum_{m=0}^\infty(\sum_{k=1}^N a_{mN+k})
となることを証明しましょう.

> 5行目から6行目にかけてΣ_{m=1}^∞Σ_{k=1}Nχ(k)/(mN+k)^s
> =Σ_{k=1}^Nχ(k)/k^s+Σ_{m=1}^∞Σ_{k=1}Nχ(k)/(mN+k)^s
> はどうすれば言えますでしょうか?

だから,

  \sum_{m=0}^\infty(\sum_{k=1}^N \chi(k)/(mN + k)^s)
   = (m = 0 の項) + \sum_{m=1}^\infty(\sum_{k=1}^N \chi(k)/(mN + k)^s)
   = \sum_{k=1}^N \chi(k)/k^s
      + \sum_{m=1}^\infty(\sum_{k=1}^N \chi(k)/(mN + k)^s)

だと, 既に注意したではありませんか.

> Σ_{k=1}^Nχ(k)/k^s=0は言えないのですよね?

当然です.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_DL__07.jpg
> という定義でも未だDirichletのL関数について勘違いしておりますでしょうか?

 s = 0, -1, -2, \dots での値について間違っています.

> > \zeta_{\equiv a (n)}(s) が s = 1 にのみ極を持つことは
> > 復習できましたか.
> 
> 誠に申し訳ありません。
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop200_5__00.jpg
> という具合にProp198.6が利用できるかと思ったのですが、、
> どのように証明を進めていけばいいでしょうか?

 1/\Gamma(s) が s = 0, -1. -2, \dots に零点を持つことから
 \sum_{n=0}^\infty (-1)^n B_n(a/N)/(n! (s + n - 1) の極が
そこでは打ち消されて消えることを確認するだけです.

 s = 1 で極でない特異点を持つ関数の例として,

> > e^{1/(s-1)}

を挙げました.

> 導関数はd/ds e^{1/(s-1)}=-1/(s-1)^2・e^{1/(s-1)}となるので

そういう計算には余り意味がありません.

> 確かにs=1の時のみ微分不可能ですね。
> そして,s=1でe^{1/(s-1)}は孤立特異点を持ちますが
> e^{1/(s-1)}=Σ_{n=0}^∞(1/(s-1))^n/n! 
> =1+(1/1!)/(s-1)+(1/2!)/(s-1)^2+(1/3!)/(s-1)^3+… 
> となるので極の定義
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_of_pole__01.jpg
> より,s=1は極を持ちませんね(強いて言えば無限位(?)の極なら持つのでしょうが)。

真性特異点といいます. これを知らないようでは困ります.

> > 勿論, (s^2 - 1)/(s - 1) のように,
> > 見かけ上は s = 1 で正則でないのに,
> > 実は正則になる場合もあります.
> 
> 導関数はd/ds (s^2-1)/(s-1)=2s/(s-1)-(s^2-1)/(s-1)^2となりますし,

だからそういう計算には余り意味がありません.
因みに

  2 s/(s - 1) - (s^2 - 1)/(s - 1)^2
   = (2s(s - 1) - (s^2 - 1))/(s - 1)^2
   = (s^2 - 2s + 1)/(s - 1)^2
   = (s - 1)^2/(s - 1)^2
   = 1

だったりします.

> 微分係数の定義式では
> d/ds(s^2-1)/(s-1)|_{s=1}  
> =lim_{h→0}[((1+h)^2-1)/((1+h)-1)-(1^2-1)/(1-1)]/h=??  
> とこれもs=1で正則であるかどうか不明になってしまうのですが。。。

 (s^2 - 1)/(s - 1) = (s + 1)(s - 1)/(s - 1) = s + 1
が正則であることが分かりませんか.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_89__03.jpg
> より
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_2_3__00.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_2_3__01.jpg
> となったのですが冒頭の
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_2_3__02.jpg
> から
> Σ_{m=1}^∞Σ_{k=1}^{N-1}χ(k)/(mN+k)^s
> の変形はどうして出来るのでしょうか?

だから, L(s, \chi) の定義は \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s
を, その収束しているところから全複素数平面上での有理形関数に
解析接続したもの, とするのが正しい.
解析接続されたものの表現の式から出発するわけではありません.
解析接続されたものの表現の式から出発しても,
結局, \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s に一致することに戻ってから,
 \chi が条件を満たす場合は,
 \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s で Re(s) > 0 で正則な関数が
表されていることを示すことになります.

  \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s
   = \sum_{m=0}^\infty(\sum_{k=1}^{N-1} \chi(k)/(mN+k)^s)

となることは, 級数の一般論と, \chi の性質によります.
因みに, 貴方は, 又, そこで, m = 0 からの和を
 m = 1 からの和に間違えていますね.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_2_3__01.jpg
> の下から3行目のN|s|/(Re(s)(mN)^Re(s))≦N|s|/m^{Re(s)+1}は
> どうして変形できるのでしょうか?

その前の page で \int_0^1 1/(mN + tk)^{Re(s)+1} dt の積分を
積分したから分かり難くなっています.
 0 < 1/(mN + tk)^{Re(s)+1} < 1/(m N)^{Re(s)+1} ですから,

  |f_m(s)|
    \leq \sum_{k=1}^{N-1} |\chi(k)||s| k \int_0^1 1/(mN + tk)^{Re(s)+1} dt
    \leq \sum_{k=1}^{N-1} N |s| \int_0^1 1/(m N)^{Re(s)+1} dt
    \leq N^2 |s|/(m N)^{Re(s)+1}
    \leq N |s|/m^{Re(s)+1}

とすれば十分です.

> > 丸 3 を示す別法として,

という話をしましたが,

> 「それは元々, \chi に何の条件が無くても,
>  L(s, \chi) は高々 s = 1 にのみ極を持つ
> 複素数平面全体での有理形関数であったのですから,
> Re(s) \leq 0 で正則であることは分かっているわけです.」
> 
> 「だから, Re(s) > 0 で正則であることが分かれば,
>  s = 1 でも実は正則であった, ということになるわけです.」

これは別法でない方での話です.

> ここでも混乱しております。今,
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_23__03.jpg

極は s = 1, 0, -1, -2, \dots にあるだけです.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_297__04.jpg

ちゃんとそれらが一位の極であることを確かめて下さい.

> を利用するとL(s,χ)の定義
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_DL__07.jpg
> からL(s,χ)は(どんなχについても){0,-1,-2,…}で無極である事を
> 示さねばならないと思うのですがそれはどうすれば示せるのでしょうか?

だから, 1/\Gamma(s) の零点で極が打ち消されることを
確認して下さい.

> これが示せれば確かに
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_3_3__00.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_3_3__01.jpg

相変わらず Weierstrass の優級数判定法が使えていませんね.
これでは Re(s) > 0 で \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s が
正則関数であるということの証明を確認できたとは評価できません.

> で(3)の丸3の証明は完結しますね(Re(s)≦0に関しては議論不要ですね)。

そうテキストに書いてあったでしょう.

> >  s = 1 での留数の和を計算する話は
> > しましたが, そちらは貴方は理解出来なかったのですよね.
> 
> これは「Laurent 級数展開での (s - 1)^{-1} の項は
> \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)/(N^s \Gamma(s)) B_0(a/N)/(s - 1)\xE3^B^R
> 展開して出て来ることから計算されます. B_0(x) = 1 ですから,
> \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)が留数で, 留数が 0 だから
> 高々 1 位の極 s = 1 は実は極でないことが分かり, s = 1 で正則です.」
> のお話の事ですよね。

はい.

> (他)過去レスを遡ってチェックしたのですが

上に述べたことを確かめれば良いだけですが.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_295__02.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_295__03.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_295__04.jpg
> 位しか見つけれませんでした。

計算が間違っていますね. 1/\Gamma(1) の値は分かりますか.

> 留数の和からs=1での正則性が示される話はこれではないんですよね?

ちゃんと計算出来れば示されますよ.

> > だから, \zeta(s, a/N) というのは,
> > Re(s) > 1 で定義された正則関数 \sum_{n=0}^\infty (n + a/N)^s を
> > 全複素数平面での有理形関数として解析接続したもの,
> > というのが定義であって,
> > 貴方がいつも書こうとしているのはそのひとつの「表示」です.
> 
> 全複素平面への解析接続関数は"ひとつ"しか存在しないですよね(∵一致の定理)。
> ここでも繰り返しかもしれませんがζ(s,x)の定義は
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_Hurwitz_zeta_function__01.jpg
> という具合に全複素平面で定義しておいて(∵この表示式は一意的),
> Re(s)>1では特にΣ_{n=0}^∞1/(x+n)^sとシンプルに書く事ができる。 と
> 宣言してはならないのでしょうか?

関数は一意的に決まりますが, 表示式は一意的ではありません.
色んな書き方があるでしょう.
なるべく簡単な定義を置いて, それから表示式を導くのが普通です.
そんなわけの分からない式から出発して, それが Re(s) > 1 で
 \sum_{n=0}^\infty 1/(x + n)^s に一致することが簡単に出てきますか.
出るのは \sum_{n=0}^\infty 1/(x + n)^s を変形したものであることを
知っていて始めて出来ることではありませんか.

> > 特にその形に興味がないときは, \zeta(s, a/N) とだけ書けば
> > 良いのです.
> 
> その場合は通常,Σ_{n=0}^∞1/(a/N+n)^s (但し,Re(s)>1)を意味するのですよね。

違います. それを解析接続したもの, を意味します.

> > それから, \Gamma(s) も \Gamma(s) とだけ書くようにしましょう.
> 
> その場合も通常, ∫_0^∞exp(-x)x^{s-1}dx (但し,Re(s)>0)を意味するのですね。

違います. それを解析接続したもの, を意味します.
 
> Γ関数についても
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_gamma_function__00.jpg
> という具合に全複素平面で定義しておいて(∵この表示式は一意的),
> Re(s)>0では特に∫_0^∞exp(-x)x^{s-1}dx とシンプルに書く事ができる。 と
> 宣言してはならないのでしょうか? やはり。

はい. \lim_{n \to \infty} n^s n!/(\prod_{k=0}^n(s + k)) は
論外ですが, Weierstrass の無限乗積表示も, 1/\Gamma(s) が
 s = 0, -1, -2, \dots で一位の零点を持つ全複素数平面で正則な
関数になることを示してくれるという意味で有用ですが,
 \Gamma(s) の定義自体は \int_0^\infty \exp(-x) x^{s-1} dx
から出発するのでなければ, \Gamma(s+1) = s \Gamma(s) という
大事な関数等式すら出てきませんし, そうすると
 s が自然数の時の \Gamma(s) の値や,
 s が非正の整数のときの \Gamma(s) の留数の値も計算できません.
 
> > 実は s = 1 で正則になることはありません.
> 
> えっ。するとζ(s,x)はs=1のみで一位の極を持ち, その他では正則か
> またはs=1のみで無極な孤立特異点を持ち, その他では正則の
> どちらかになるのですね。

 \zeta(s, x) は全複素数平面上での有理形関数ですから,
 s = 1 でのみ一位の極を持ち, それ以外の点では正則な関数です.

> このころはsで微分してその導関数にs=1が代入できるかで
> s=1で正則かどうかを判定しておりました。

それは無意味なことを.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__10.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__11.jpg

今まで述べてきた理由で駄目ですが, 繰り返しません.

> と 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_995__00.jpg

 \int_1^\infty \exp(-xu) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du が正則であることの
証明は全く駄目です. (d/ds) \int_1^\infty f(s, u) du の計算が
出鱈目です.

 \exp(-xu) u^{Re(s)-1}/(1 - \exp(-u)) は単調減少ではありませんから,
 [2] も成立しません. だから [3] が成り立てば完了という訳では
ありませんが,

> (すいません。【3】が成り立つ理由をお教え下さい)と

 [3] は確かに成立します. それは

  \lim_{k \to \infty} (\exp(-x(k+1)) (k+1)^{Re(s)-1}/(1 - \exp(-(k+1))))
                      /(\exp(-xk) k^{Re(s)-1}/(1 - \exp(-k)))
   = \exp(-x) < 1

であるからです.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_23__04.jpg
> とから
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_3_2__00.jpg
> となったのですが
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_23__05.jpg
> がどうすればC\setminus{1}で正則である事が言えますでしょうか?

同じことです. 1/\Gamma(s) の零点が極を打ち消すからです.

> > 今必要なのは Re(s) > 1 において,
> >  L(s, \chi)
> >   = \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s
> >   = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) \sum_{m=0}^\infty 1/(m N + a)^s
> >   = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} \sum_{m=0}^\infty 1/(m + a/N)^s
> > が成立することから, 解析接続して得られる,
> >  L(s, \chi)
> >   = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} \zeta(s, a/N)
> > という等式に現れる \zeta(s, a/N) の s = 1 での留数が
> > 知りたいだけですから, 1 \leq a \leq N-1 として良いわけです.
> 
> はぁ。これは(2)の丸3のお話ですよね。
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_2_3__03.jpg
> となったのですがこれから留数をどのように利用して
> ζ_{amodN}(s)がC\setminus{1}で正則である事に持っていけるのでしょうか?

 \zeta_{\equiv a (N)}(s) = (1/N^s) \zeta(s, a/N)
が s = 1 でのみ極を持つ全複素数平面上の有理形関数であることは,
既に知っていることです.
 \zeta(s, a/N) の表示式から, その s = 1 での留数
 Res(\zeta(s, a/N), 1) を先ず計算しましょう.
それを使って, L(s, \chi) の s = 1 での留数 Res(L(s, \chi), 1) を
計算するのです.

 Res(L(s, \chi), 1) = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)/N^1 Res(\zeta(s, a/N), 1)
が 0 になることを示せたら, L(s, \chi) が s = 1 で正則であることに
なります.

> > だから, f_m(s) = \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k)/(m N + k)^s (m > 0) に
> > ついて, \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k) = 0 から
> > \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k)/(m N)^s = 0 となることを用いて,
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__74.jpg
> のどこで用いればいいのでしょうか?

自分の書いていたことを忘れるようではどうしようもないですね.
http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15_1_3__00.jpg
では何処で使いましたか. つまり,
http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__74.jpg
は駄目です.

> >  f_m(s)
> >   = \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k)/(m N + k)^s
> >   = \sum_{k=1}^{N-1} (\chi(k)/(m N + k)^s - \chi(k)/(m N)^s)
> >   = \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k) \int_0^1 (d/dt)(1/(m N + t k)^s) dt
> >   = \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k) \int_0^1 (- s k)/(m N + t k)^{s+1} dt
> > と書き換えてから,
> >  |f_m(s)|
> >   \leq \sum_{k=1}^{N-1} |chi(k)| \int_0^1 (|s| k)/(m N)^{Re(s)+1} dt
> >   \leq (N |s|)/m^{Re(s)+1}
> > という評価を導かないといけません.
> 
> そうですよね。
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__75.jpg
> と取り敢えずなりました。

ちゃんと Weierstrass の優級数判定法を使いましょう.

> Σ_{k=1}^{N-1}χ(k)/(mN)^s=0は 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_9__00.jpg
> をどのようにして示せばいいのでしょうか?

それは, 又, \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k) = 0 が分からなくなった,
ということでしょうか. じゃあ, 読み返して下さい.

> > Re(s) > 0 で正則であることがわかれば,
> > Re(s) < 1 で正則であることは,
> > 解析接続された関数同士の関係式
> >  L(s, \chi)
> >   = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} \zeta(s, a/N)
> > から明らかになります.
> 
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_DL__03.jpg
> というL関数の全複素平面での表示式を使うのですね。

分かり難くするのがお好きなのですね.

> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_Hurwitz_zeta_function__00.jpg
> は全複素平面で正則(∵Hurwits's zeta関数の定義)で

違います. \zeta(s, x) は s = 1 で一位の極を持ちます.

> Σ_{a=1}^{N-1}χ(a) N^{-s}ζ(s, a/N)はその有限和なので
> Σ_{a=1}^{N-1}χ(a)N^{-s}ζ(s, a/N)自体も全複素平面で正則となるのですね。

違います. s = 1 で一位の極を持つ可能性があります.

> 然し命題3.15の(3)の丸3は
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__73.jpg
> という風にχ(Z_N^×)≠{1}の条件下でのΣ_{n=1}^∞χ(n)/n^sの
> 全複素平面での正則性の証明ですよね。なのに
> Σ_{a=1}^{N-1}χ(a) N^{-s}ζ(s, a/N)という式を持ち出していいのでしょうか?

その条件が有っても無くても, \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s は
 Re(s) > 1 で正則関数で,
 \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} \sum_{n=1}^\infty 1/(a/N + n)^s
に等しいのですから, それらを解析接続した関数同士の関係式
 L(s, \chi) = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} \zeta(s, a/N)
は成立します.

> > \lim_{n \to \infty} (n^s n!)/(\prod_{k=0}^n (s + k))
> > というのは, Re(s) > 0 で \Gamma(s) と一致するというだけの,
> 
> lim_{n→∞} (n^s n!)/(Π_{k=0}^n (s+k))は
> ∫_0^∞exp(-x)x^{s-1}dxの解析接続になっているのではなかったでしょうか?

元々, Re(s) > 1 において,

  \int_0^1 \exp(-x) x^{s-1} dx
   = \lim_{n \to \infty} (n^s n!)/(\prod_{k=0}^n (s + k))

となることが分かるだけです.
その逆数が Weierstrass の乗積表示と一致することが示せたら,
その意味において, そう述べることも可能ですが,
それなら, Weierstrass の乗積表示を使うものでしょう.

> すると∫_0^∞exp(-x)x^{s-1}dxを一般化出来た事になって
> 有益になるのではないのでしょうか?

ちっとも.

> lim_{n→∞} (n^s n!)/(Π_{k=0}^n (s+k))はRe(s)>0で
> ∫_0^∞exp(-x)x^{s-1}dxに一致する以外で
> 全複素平面で有理型になってるとか何一つ解明されていない代物なら
> 確かに無益でしょうが。

有益なのは Weierstrass の乗積表示の方です.
何故かというと, \lim_{n \to \infty} (n^s n!)/(\prod_{k=0}^n (s + k))
が s = 0, -1, -2, \dots を除くところで収束することも,
そこで正則であることも, この極限の形を見ていては
何も示せないからです. この形から, どこか一点での微分可能性でも
示せますか.

> > 一つの殆ど役に立たない「表示」でしかありません.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> > そんなものは忘れてしまいなさい.
> 
> う〜ん。そうですか。。では諸書籍では
> lim_{n→∞} (n^s n!)/(Π_{k=0}^n (s+k))がガンマ関数の一般式として
> 紹介されているのでしょうか?

どこで一般式として紹介されていますか.
真っ当な人はそんなことはしません.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp