Re: Fermatの降下法
工繊大の塚本と申します.
In article <cc59d919-d62b-4ed8-87f2-190a97fa8c09@y4g2000yqy.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> つまり,A^2+B^2=Mp…(*)なるA,B∈Z,M∈Nが存在する
> (∵今,x^2≡-1(mod p)なるxがある事が分かったので)。
このことから, Q(M) := { (A, B) ∈ Z^2 ; A^2 + B^2 = Mp } と
するとき, ある正の整数 M について Q(M) が空集合でないことが
分かったわけです.
> そこでM=1の時,(*)を満たすA,B∈Zがあるなら,pを2つの平方の和で表せた事に終わり。
目標は Q(1) が空集合でないことを示すことです.
> もし,M≧2の時,(*)を満たすA,B∈Zがあるなら
> a^2+b^2=mp…(**)なるa,b∈Z,N∋m≦M-1が存在するかを調べる。
M > 1 で Q(M) が空集合でないならば,
m < M となる正の整数 m で Q(m) が空集合でないものがある
ことを示します. この部分は本の後の部分を読んで下さい.
> m=1の時,(**)を満たすa,bが存在するなら(*)に帰着し終わり,
> 1<m≦M-1に対して(**)を満たすa,bが存在するなら
> Mにmを代入して,再度a^2+b^2=mp…(**)なるa,b∈Z,N∋m≦M-1が存在するかを調べる。
>
> を繰り返す。
Q(m) が空集合でないことを示せたけれども,
未だ 1 < m であれば, この m を M として,
同じ議論を繰り返すわけです.
最初の M を M_0 とし, m を M_1 とし,
順に決まる正の整数を M_2, M_3, ... とすれば,
M = M_0 > M_1 > M_2 > M_3 > … ですから,
いつかは M_k = 1 となって止まる他ありません.
Q(M_k) = Q(1) が空集合でないことが示されます.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735