工繊大の塚本です.

In article <75ebb3e7-65a5-40d3-8f2f-bdccc1b3ab79@z8g2000prd.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 「Iがイデアルならπ^-1(I)もイデアルである事」は
> 
> π:Z→Z_m:環準同型でπ(xy)∈Iなので
> (∵∀x∈π^-1(I)…①,∀z∈Z…②に対しπ(x)∈I…③
> とπ(z)∈Z_mでI∋π(x)π(z)(∵③とIはZ_mのイデアルよりイデアルの定義)
> =π(xz)(∵環準同型の定義))
> xz∈π^-1(I),同様にzx∈π^-1(I). 従って,①,②からπ^-1(I)も(Zの)イデアル。
> でいいのですね。

今, 1 を持つ可換環で考えていますから,
 π^{-1}(I) がイデアルであるには,
和について閉じていることと, 環の元倍で閉じていることを
示せば良い.

上は環の元倍で閉じていることを示そうとしているようですが,
それなら, x を π^{-1}(I) の元とし, z を Z の元として,
 zx が π^{-1}(I) の元であることを示す, という目標を
先ず述べて, π(zx) = π(z)π(x), π(z) ∈ Z_m,
 π(x) ∈ I ゆえ π(z)π(x) ∈ I, 従って, zx ∈ π^{-1}(I)
である, という順序で記述するものです.

「π(xy)∈Iなので」というのは全く意味不明です.

後, 和について閉じていることも示す必要がありますが,
この位は分かって当然でしょう. 但し, きちんと証明の
形になるように書けなければ, 貴方の述べることを他の
人々に理解して貰うのは難しいことでしょう.

> 「mZを含む事とπ^-1(I)が単項イデアルである事から Iも単項イデアルである事」は
> IをZ_mのイデアルとする。
> もしI=0+mZならI=0modm∈{x∈Z;x≡0(mod m)}=(0)で
> もしI⊃0+mZ,I≠0+mZならa:=∃min{x∈N;x+mZ∈I}でI=(a+mZ)と書ける
> (∵もし∃bmodm∈I\(a+mZ)…④なら∃q∈Z,∃r∈[1,a-1]…⑤;
> b=aq+r(∵Euclidean互除法でもしr=0なら
> b=aqなのでb+mZ=aq+mZ=q(a+mZ)(但しここの括弧はただの括弧)
> ∈(a+mZ)(但し,ここの括弧はイデアルの括弧)
> これは④に矛盾)。
> そこでb-aq∈r+mZと0<r<a(∵⑤)となるがこのrもaの最小性に矛盾。
> よって,Iは単項イデアル。
> でいいのですかね。

 π^{-1}(I) が単項イデアルであることをどうして無視するのでしょう.
 π^{-1}(I) = (a) であれば, I = (π(a)) であることを示すのが
一番簡単です.

そもそも, 上の議論は証明の形になっていません.
「 I = (a + mZ) と書ける」ことを示すのが目標ですね.
その証明の中で「もし ∃b mod m ∈ I\(a + mZ) なら」と
書く前に, a はどう取るのか書かなければ, 議論にならない
ではありませんか.

> > In article <f90ebefc-000f-4ed3-9872-5fa3d93defa9@n4g2000vba.googlegroups.com>
> > kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> > > 必要性は(自然な環準同型)f:Z→Z/IをZ∋∀z→f(z):=z+Iとすると,
> > >  これは全射環準同型で 環同型写像∃g:{I;Kerf⊂I,IはRのイデアル}
> > > →{I;IはR/Jのイデアル} (∵R,R' が環で全射環準同型∃h:R→R'なら
> > > KerhはRのイデアルで 
> > > 環同型写像∃l:{J;Kerh⊂J,JはRのイデアル}→{J;JはR'のイデアル})。
> In article <090422173542.M0121930@cs1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > なんだか混乱しているようですが, ともあれ,
> > 最初の質問の答えは, この部分をきちんと復習することですね.
> 
> 何処が間違ってますでしょうか?

 I が Z_m の極大イデアルである為には Z_m/I が体になることが
必要であることを示そうとしていたのではないのですか.
それなのに, I が Z のイデアルの場合の話が出て来て,
しかも述べているのは, 全く別の話です. R は何で,
 R' は何で, g は何で, h は何で, l は何ですか.
どこかで, J = ker f とする, とかいった記述が抜けている
のでしょうし, 「環同型写像」というのも使い方が変です.

因みにこの話は, 準同型写像がある場合のイデアルの対応の話で,
それが分かっているなら, I が Z_m のイデアルのとき,
 π^{-1}(I) が Z のイデアルである, というのは質問する必要が
無かった筈です.

> > > もしJがRでの極大イデアルならg(J)={0+J}でg(R)=R/Jとならねばならない
> > > (∵KerfはRのイデアル。そして極大イデアルの定義)。
> > >従って「Rを可換環,IをRのイデアルとする。 R/Jが体
> > > ⇔{I;J⊂I,IはRのイデアル}={R,0}」より,Z_m/Iは体。
> > これらもなんだか混乱しているようです.
> 
> これも何処が間違ってますでしょうか?

「 R を可換環, *J ≠ R* を R のイデアルとする.
   R/J が体 ⇔ { I ; J ⊂ I, I は R のイデアル} = *{ J, R }*.」
であれば, 正しい命題です. (強調のために二箇所 * * で挟みました.)
その命題を認めるなら, R/J が体であることと,
 J が極大イデアルであることが同値であるのは自明です.

> > > 十分性はZ_m/Iが体なら{J;I⊂J,JはZ_mのイデアル}={Z_m,0}なので
> > > Iは極大イデアル(∵極大イデアルの定義)。
> > これも混乱していますね. 多分分かっていないのでしょう.
> > こういったところは基本ですから, きちんと復習して下さい.
> 
> これも何処が間違ってますでしょうか?

今度は I と J が入れ替わっていますが,「 I ≠ Z_m で,
 { J ; I ⊂ J, J は Z_m のイデアル } = { I, Z_m } 」
とするのが正しい.

で, その命題の証明は理解されていますか.

> > > mが素数,(0)のみが素&極大。それ以外は非素&非極大。
> > > mが合成数でgcd(a,m)=1なら(0)や(a)は非素&非極大。
> > > mが合成数でgcd(a,m)≠1でaは素数なら(a)は素&極大。 mが合成数で
> > > gcd(a,m)≠1でaは合成数なら(a)は素&極大。
> > 間違っていますね.
> 
> すいません。これも何処が間違ってますでしょうか?

> > > mが合成数でgcd(a,m)≠1でaは合成数なら(a)は素&極大。

これか間違っています. 不注意ですね. 訊き返す前に
確かめましょう.
-- 
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp