工繊大の塚本です.

In article <5c8bc62a-b274-4e31-a561-37785076de96@a39g2000yqc.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> えーと,集合体の定義は補集合について閉じていて,
> 有限和集合に関してとじている全体集合Xの部分集合の族ですよね。

空集合が入ることも必要です.

> 有限和集合については閉じていますよね。

矩形の集まりは有限和集合についても閉じていません.
 ([0, 1]×[0, 1])∪([1, 2]×[1, 2]) は矩形になりません.

> In article <090224214745.M0209028@cs2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > A と μ_0(E) = Σ_{i=1}^N μ_1(E_{i,1})μ_2(E_{i,2}) について
> > これらが成立することは良いでしょうか.
> 
> えーと,μ_0:=(μ_1×μ_2)|Aという制限写像になっているですよね。
> ∀∪_{i=1..∞}E_i∈A (E_iは互いに素)を採ると,
> μ_0(∪_{i=1..∞}E_i)=Σ_{i=1}^N μ_1(E_{i,1})μ_2(E_{i,2})∈[0,∞]は
> μ_1とμ_2の測度の定義から明らかですね。

どうしてでしょう. 上は ∪_{i=1}^N の誤りでしょうが,

 μ_0(∪_{i=1}^N E_i) = Σ_{i=1}^N μ_1(E_{i,1})μ_2(E_{i,2}) ∈ [0,∞]

が well-defined であること, 即ち,

  E = ∪_{i=1}^N E_j = ∪_{j=1}^M F_j (いずれも disjoint) のとき,
  Σ_{i=1}^N μ_1(E_{i,1})μ_2(E_{i,2})
  = Σ_{j=1}^M μ_1(F_{j,1})μ_2(F_{j,2})

となること自体, 自明ではありません.

> μ_0(φ)=μ_0(φ×φ)=μ_1(φ)μ_2(φ)=0でうまくいきます。
> 可算加法性については
> μ_0(∪_{i=1..∞}E_i)=Σ_{i=1}^N μ_1(E_{i,1})μ_2(E_{i,2})
> =Σ_{i=1}^N μ_0(E_i)
> (∵E_{i,1}×E_{i,2}=E_i∈Aよりμ_0の定義)
> で上手くいきました。

そして, この問題ではこの可算加法性を示すことが眼目です.
何も示さずに結論できることではありません.

> つまり,Π_{i=1}^kX_i上の集合体A上のpremeasureμ_0
> (但し,μ_0の定義をμ_0(E):=Π_{i=1}^k μ_i(E)
> (=(μ_1×μ_2×…×μ_k)(E))で与える)
> から拡張されたΠ_{i=1}^kX_i上の積測度
> (それをμ_1×μ_2×…×μ_kと表記する事する)
> が存在する事を示せというのが問題の趣旨なのですね。

問題の趣旨は, μ_0 が定義できて, premeasure になることを示せ,
であるといっても良い.

> 証明の方針はμ_0(E):=Π_{j=1}^k μ_j(E_j)と採ればよい。
> するとμ_0はA上のpremeasureをなし,

それを示すのが問題です.

> σ(A)がΠ_{i=1}^k X_i上のσ集合体(積σ集合体)になっているので
> Theorem1.5から(μ_0=)Π_{i=1}^k μ_iはσ(A)上に拡張でき,積測度の形をしていて,
> ∀E∈σ(A)に対して,Π_{i=1}^k μ_i(E)=(μ_1×μ_2×…×μ_k)(E)
> を満たすですね。

あとは確かに Theorem 1.5 を適用するだけです.

> > > (ii) 可算加法性
> > > A∋E_1,E_2,…を互いに素とする。この時,∪_{i=1}^∞ E_i∈A …①
> > > (∵集合体の定義)
> 
> これはウソですね。σ集合体でないと言えませんよね。

そうですが, premeasure の可算加法性とは, E ∈ A が
 E = ∪_{i=1}^∞ E_i と disjoint な E_i ∈ A で表されるとき,
 μ_0(E) = Σ_{i=1}^∞ μ_0(E_i) となること, です.
 
> もとい,μ_0(A)⊂[0,∞]とμ_0(φ)=0と成る事はいいとして,
> 可算加法性を示してみます。

 k = 2 の場合を復習するのは良いことです.

> A∋∀E_1×F_1,E_2×F_2,…は互いに素. を採ると
> μ_0(∪_{i=1}^∞(E_i×F_i))=μ_0((∪_{i=1}^∞E_i)×(∪_{i=1}^∞F_i))
> これは言えますよね。。。(でないと先に進めません)

言えません. ∪_{i=1}^∞(E_i×F_i)) と (∪_{i=1}^∞ E_i)×(∪_{i=1}^∞ F_i)
とは全然違う集合です.

 14. には Section 3 で k = 2 (つまりこの場合) が扱われた
と書いてありますね. それをまず復習されることをお勧めします.
それがきちんと理解できれば, 一般の k についてのこの問題は
それほど難しいものではない筈です.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp