工繊大の塚本です.

In article <627fc7ea-f071-4621-9b7a-03a34108eb97@j1g2000yqi.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> ところで,完備化空間とは零集合の任意の部分集合も可測になる
> という性質を持つのですよね。
> 完備化されていないとどういう不便さが生じるのでしょうか?

そういう集合に対して測度が定義されないままになります.
そういう集合は扱わないことにすれば, 問題は生じません.

> In article <090216010645.M0230194@cs1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 勿論, E^{x_2} は空集合になる場合もあります.
> 
> E=φの場合ですね。φは勿論,可測集合ですよね。

 E = E_1×E_2 で, x_2 が E_2 の元でないときには,
 E^{x_2} = φ です. 勿論, 可測集合ですから問題は
ありませんが.

> なぜ,単調減少列の時で議論しなればならないかは

そう仮定して良いからです.

> x_2∈X_2の値(つまり,どこでEを切るか)によって
> E^{x_2}と∩_{j=1}^∞ E_j^{x_2}とか一致するとは限らないかでしょうか?

 (∩_{j=1}^∞ E_j)^{x_2} と ∩_{j=1}^∞ (E_j)^{x_2} は
いつでも一致します.

> もし,単調減少の時で証明できてれば
> E_jが単調減少列ではない時は∩_{j=1}^∞ E_j =∩[i=1..∞](E_i∩E_{i+1})と書
> き直すことができて,E_i∩E_{i+1}は単調減少列となるからなんでしょうか?

そうではなくて,

  ∩_{j=1}^∞ E_j = ∩_{j=1}^∞ (∩_{k=1}^j E_k)

と書き直すのです.

> でもE_i∩E_{i+1}∈A_σは簡単には言えないのではないでしょうか?

 H, G ∈ A_σ であれば, H = ∪_{i=1}^∞ H_i, H_i ∈ A,
 G = ∪_{j=1}^∞ G_j, G_j ∈ A ですから,

  H ∩ G
  = (∪_{i=1}^∞ H_i) ∩ G
  = ∪_{i=1}^∞ (H_i ∩ G)
  = ∪_{i=1}^∞ (H_i ∩ (∪_{j=1}^∞ G_j))
  = ∪_{i=1}^∞ (∪_{j=1}^∞ (H_i ∩ G_j))
  = ∪_{i,j=1}^∞ (H_i ∩ G_j)

であり, H ∩ G も可算個の A の元 H_i ∩ G_j の和集合であり,
 H ∩ G ∈ A_σ です. 共通部分を取るのが有限個になっても
同じです.

> > (iii) は更に (μ_1×μ_2)(E) < ∞ の場合
> 
> これはμ_1(E)μ_2(E)<∞の場合ですね。

違います. E ⊂ X_1×X_2 であり, μ_1(E) とか μ_2(E) には
意味がありません.

> ん? E = ∩_{j=1}^∞ E_j で,E_j ∈ A_σ, E_j ⊃ E_{j+1} の場合は
> 単調減少という条件のみしか課してませんので,
> (μ_1×μ_2)(E) < ∞の場合も(μ_1×μ_2)(E)=∞の場合も想定してある
> のではないでしょうか?

私が書いたように, 実は後ろのところで,

> > ともあれ, (μ_1×μ_2)(E_1) < ∞ とすれば, 既に
> > 示されたことから, f_1 は可積分であり, f_j ≦ f_1 ですから,
> >  dominated convergence theorem によって,
> > 
> >   ∫_{X_2} f(x_2) dμ_2(x)
> >    = lim_{j→∞} ∫_{X_2} f_j(x_2) dμ_2(x)
> > 
> > は成立します.

と dominated convergence theorem を使っての証明が入るので,
 f_1 が可積分でなければなりません.  それが (μ_1×μ_2)(E_1) < ∞
の条件です.

> > > 従って,各可測矩形 E_jに適用される(7)とMonotone Convergence Theoremより,
> > > 各E∈A_σに対して結論を得る。
> 
> これは何の結論でしょうか?
> μ_1(E^{x_2})がμ_2可測関数であることでしょうか?

それだけでなく (7),

  ∫_{X_2} μ_1(E^{x_2}) dμ_2 = (μ_1×μ_2)(E)

となることも成立する, ということです. 証明を丁寧に書けば,

> >  ∫_{X_2} μ_1((∪_{j=1}^∞ E_j)^{x_2}) dμ_2
> >  = ∫_{X_2} Σ_{j=1}^∞ μ_1((E_j)^{x_2}) dμ_2

から出発することになります.

> んん? これは可算加法性の事でしょうから∪_{j=1}^∞ E_jはA_σの元で
> E_jは互いに素という事でしょうか?
> ∪_{j=1}^∞ E_j∈A_σなら∪_{j=1}^∞ E_j∈A_{σδ}でもありますから,
> (7)について述べておられるのですね。

勿論そうです. しかし, あくまでも E ∈ A_σ についての
話です.

> >  = Σ_{j=1}^∞ ∫_{X_2} μ_1((E_j)^{x_2}) dμ_2
> 
> これは∫_{X_2} Σ_{j=1}^∞ μ_1((E_j)^{x_2}) dμ_2
> =∫_{X_2} lim[n→∞]Σ_{j=1..n} μ_1((E_j)^{x_2}) dμ_2で
> Σ_{j=1..n} μ_1((E_j)^{x_2})が単調増加の非負可測関数だと
> Monotone convergence theoremが使えて,,,
> =lim[n→∞]∫_{X_2}Σ_{j=1..n} μ_1((E_j)^{x_2}) dμ_2
> =lim[n→∞]Σ_{j=1..n} ∫_{X_2}Σ_{j=1..n} μ_1((E_j)^{x_2}) dμ_2
> =Σ_{j=1}^∞ ∫_{X_2} μ_1((E_j)^{x_2}) dμ_2
> と変形できるのですね。

そんな変な途中の式は不要でしょう.

> >  = Σ_{j=1}^∞ (μ_1×μ_2)(E_j)
> 
> 今,E_j∈AでE_j∈AならE_j∈A_{σδ}なのでここでの変形は(7)を使われたのですね
> (この時点では(7)は未証明ですが)。

 (7) は E_j が矩形の時には証明済みです.

> >  = (μ_1×μ_2)(∪_{j=1}^∞ E_j)
> > ですね.
> 
> 再度,可算加法性ですね。つまり,(7)とMonotone Convergence theoremを使って,
> μ_1(E^{x_2}) (ただし,E∈A_{σδ})が

違いますよ, E ∈ A_σ のときですよ.

> μ_2可測である事を証明なさったのでしょうか?

 μ_1(E^{x_2})
  = μ_1((∪_{j=1}^∞ E_j)^{x_2})
  = μ_1((∪_{j=1}^∞ (E_j)^{x_2})
  = Σ_{j=1}^∞ μ_1((E_j)^{x_2})

が可測関数の可算和として可測であることは, 既に
お認めになったでしょう.

> μ_1(E^{x_2}) (ただし,E∈A_{σδ})がμ_2可測である事は
> ∀a∈Rに対して{x_2∈X_2;μ_1(E^{x_2})>a}∈M_2を言わねばならない
> のではないでしょうか?

勿論, それは成立していますが, 直接言う必要はありません.

> どうして∫_{X_2} μ_1((∪_{j=1}^∞ E_j)^{x_2}) dμ_2
> = (μ_1×μ_2)(∪_{j=1}^∞ E_j)と変形できることが
> μ_1(E^{x_2}) (ただし,E∈A_{σδ})がμ_2可測である事を
> 示したことになるのでしょうか?

だから, それが示しているのは, E ∈ A_σ に対して (7) が
成立することです.

> すいません。ここから先はちょっと混乱しております。

どの段階の証明か, よくお考え下さい.
-- 
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp