In article <20031009195041cal@nn.iij4u.or.jp>,
SASAKI Masato wrote:

>例えば1つに
>記録保存というのを文字通りとらえるのではなく
>「人間の手による介入がなされずに全てコンピューター処理されている場合は
> 入力から出力までを一連不可分のものとしてとらえるべきであり
> この点からすればNシステムでは容貌は出力されてこない以上
> 最初から撮影されていないと解するのが相当である
> (そしてこれは確かに「記録保存していない」とも言える)」
>とした上で
>撮影しその後感光したフイルムの例とは区別できるなどという理由付けに
>よるべきではないのか?

 素朴な感想として、Nシステムという「システム」が「人間の手による介入
がなされずに全てコンピューター処理されている」事で、なんでNシステムの
たとえば一部分に介入する別システムによって元データの転用ができないとい
う事を保証するのか、ってのがよくわかりません。

 たとえば撮影済みの銀塩フィルムを感光させるという場合、およそその光化
学反応に人間が介入する事は物理的に不可能だし、Mr.マリックとかが感光す
るフィルムをすり替えでもしない限りはそこに記録された情報は物理的に消滅
します。

 ところが、NシステムなんてCCDカメラが撮像して、それをデータとして
処理システムに送る間にいくらでもそのデータ転用が可能ですよね、物理的に
も技術的にも。
 実際にそのような割り込みシステムが運用されているかどうかは知りません
が、少なくとも一般人がMr.マリック並みのテーブルマジックスキルを持って
いる事よりは遙かに実現可能性は高い物だし、何の疑問もなく「人間の手によ
る介入が*為され得ない*全てコンピューター処理されているシステム」と扱っ
て良いのか?って素朴に思います。

 民生DVカムで、DVカセットを取り出してから「とってるフリだけだよ」と言
いつつ、メモリーカードの方に撮影、ってのと同じ事ですよね。
この機種にはメモリーカードは使えないよ、と撮影者が宣言している事は、メ
モリーカードが実際に使えない事を保証するのか?という程度の疑問だと思う
のですが。


 東京地裁判決の立場にせよ、佐々木さんのこの例示にせよ、こんな可分性の
高い物の集合体である「Nシステム」を、なぜそんな安易に一体不可分のシス
テムという前提に扱えるのか、ってのが素朴な疑問です。

 もちろん、そのような割り込みシステムがある事は立証されてないのは確か
だし、その事がその論拠であり、それでシステムの不可分の立証として十分に
足りる、という事なら、もうこのスレッドのあらゆる反論は無に帰すわけです
が。。。そういう話なんでしょうか?


 立木@大阪