"mac-in" <mac-in@mx8.ttcn.ne.jp> wrote in message news:42f8e18a.794%mac-in@mx8.ttcn.ne.jp...
> mac-inです
> 
> 太宰 真さんは<dd9hi6$d3b$1@news-wst.ocn.ad.jp>に
> お書きになりました。
> 
>> > 陸軍と海軍では目的が一致しないのは仕方がありません。
>> > 
>> > 海軍の目的はあくまで、米機動部隊の撃滅でしょう。
>> > 米機動部隊が近くにはいないという誤った情報と判断で、2次的なミッ
>> > ドウェー空爆を行うことにしてしまったことが敗因。
>> 
>> ですから、
>> 
>>     「目的」こそが最優先、それがかなえられずしてこの
>>     行動の意義は無し
>> 
>> とする思考法と行動法に弱さがあったということではないでしょうか?
> 
> そう言えなくもない、とは思います。
> ただ、日本は(そしてアメリカも)機動部隊同士の戦いということで、
> 前例のほとんど無い最先端の戦いを手探りで行っていたわけですから、
> 後から批判するのは少々「ずるい」気がしますね。

なるほど。たしかに、「ずるい」とする見方もできるかもしれませんね。
しかし、わたくしたちが問題とする意義は、何事も、まさに、

      前例のほとんど無い戦いを手探りで行(う)

ような場合を想定し、それを正しく=妥当に射止めるためにこそある
のではないでしょうか。ゆえに、そのような事を学び、知るのに相応し
い形で題材を抽出する事がむしろ必要かと考えるわけでございます。
もし、そのような抽出の仕方をしないとすれば、そこに残るものは、た
んなる暗記、すなわち、記憶力の訓練のみであります。そして、この
ことは、現に戦争を遂行した、当時のミッドウェー海戦の指導者たち
こそが踏まえるべきことだった。したがいまして、「ずるい」のではなく
「当然の」問題の仕方ではないでしょうか。

>> らか。つまり、ミッドウェー島攻略はさほど死活問題ではなかった。
> 
> その通りですが、ミッドウェー島攻略はさほど死活問題ではない、
> と言ってしまえば、陸軍は付き合えないでしょう。しかし、米機動部
> 隊を引き出すためには、本気の上陸の構えは必要なわけです。
> 米機動部隊撃滅が目的だと割り切ることは困難だと思いますが。

なるほど。たしかに。でも、負けるにはそれだけの理由が必ずあるは
ずであります。本気の「構え」、でも、本気では「ない」と。でも「おとり」
のためだと。でも、そんな素振りは見せられないと。一部の指導者た
ちは意図は知っていたが兵士たちは知らされてはいなかったと。

わたくしは、これはものすごく複雑な戦術だったような気がする。前に
も書いたけれども、作戦を立てる者がほとんどを遂行するのでも無い
一種の仕事の殆どを、他人のみにやらせるモノとしては相応しくは無
い。ここまでは明らか。これはこのたびの戦いにのみいえることでは
ないはず。敗因はこの辺にあったということでしょうかね。あるいは、
複雑であるのならば本来は担当を区切って割り当てなければ成らない
ものを、空母部隊に、矛盾する二つ以上のことをさせてしまった、とか。
わたくしは、自己の性質上、敗因は「作戦」にあると考える癖が有りま
す。「作戦」は担当者の力量その他も当然入ってのものだからであり
ます。

あるいは、複雑なものにもかかわらず、「場合わけ」が単純すぎたとい
うことも理由かもしれない。敵空母の機動部隊を発見するのがミッドウ
ェー攻撃前か攻撃中か攻撃後か、など。一口に「おびき寄せる」といい
ますが、実はひとくちではいえない、したがって「さくせん」にははまりき
らないものを作戦に仕立てた、ということも敗因だったかも。たとえば、
攻撃前を想定しているならば、それは絶対なはずだから、策的機7機
では足りない。極論すれば、空母上の艦載機を全部使ってでも発見し
ておくべきだった。発見できないことは敵機動部隊が「いない」ことでは
ない。「いない」と踏んだ理由もあやふや。これは「焦り」か。

全ての敗因は兵装の換装以前にここにあったように思う。そして、実は、
このミッドウェー海戦における作戦はわたくしたちに多くを高度の部分で
教えてくれているような気がする。そう思うのはわたくしだけでありましょ
うか。

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太宰 真@URAWA