誘導輻射と波動関数
光量子を吸収した原子の内部では、
吸収する前の安定した状態にあった電子は、
光量子のエネルギーを自らのものとし、
運動を継続しますが、
本来、最もエネルギーの低い状態から
順に収まって安定に存在できる電子は、
元のエネルギー状態に戻ろうとします。
こうして、吸収と逆のプロセスの輻射が
進行します。
この時、その原子の周囲に
先行する過程で吸収された光量子と
同じエネルギーをもった光量子が存在すると、
原子から輻射された光量子は、原子の周囲に
存在する光量子と一体化します。
この原理を誘導輻射と言いますが、
光と電子の相互作用を正確に記述しようとしますと
光には、波動関数に相当するものがありませんので
波動関数を使うことが出来ませんでした。
そこで第2量子化という方法が考え出されました。
第2量子化では、
光の電磁場と同じ階層の場として電子の波動関数を
古典的対象と見なします。
こうして、それらの場の関数に、
調和振動子の問題で、あるエネルギー固有状態に
存在する量子の個数が、交換関係を満たす作用素に
なっている事を学んでいたので
それを応用し、一貫した形式の相互作用の理論を
完成させました。
光は、
シュレディンガー方程式にこそ従うものではありませんが
ディラックが教科書で2重スリットの実験で、
量子の特徴を描き出したのは、まさしく光についてであって
高次元代数としての特徴は、
電子とまったく同じ原理に従うものなのです。
形式を重視したため、
波動関数の描き出す、量子の非局所性がもつ性質の
考察がおろそかになってしまったように思うのです。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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