河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

In article <cl8imu$d89$1@news00.iij4u.or.jp>, kaisyain <masu@pp.iij4u.or.jp> writes
> 形式を重視したため、

ってよりは、「計算できないから」ってことだと理解してます。

> 光には、波動関数に相当するものがありませんので
> 波動関数を使うことが出来ませんでした。

そういうことはないです。波動関数っていう言葉を使うこと自体、
状態の表示を固定した考えですよね。もちろん、光にも状態はあり
ます。ただ、時間的に定常な状態の線形和で表す時に波動関数って
いう言葉になるわけですけど、それが唯一の表現ってわけではない
です。

> そこで第2量子化という方法が考え出されました。

第二量子化は、波動関数を直接記述するのではなく、真空と生成消
滅演算子の組で記述するっていうことです。
     AAAAAA|>
は、結局は波動関数を表している。むしろ、粒子の個数っていうのを
量子化するための技術だと思った方がいいんじゃないかな。実際には、
場の状態に過ぎないんだけど、それを観測すると粒子の個数に見える
ってわけ。

むしろ問題なのは、その波動関数の表示が、

    ある特定の座標系の特定の点上の粒子の存在確率

ということを期待していることだと思う。なので、

> 波動関数の描き出す、量子の非局所性がもつ性質の
> 考察がおろそかになってしまったように思うのです。

こうなるってことですな。この主張に関しては、そうだと思います。

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科