青龍です。

"Junya Suzuki" <PP6J-SZK@asahi-net.or.jp> wrote in message news:4126fe81$0$19849$44c9b20d@news2.asahi-net.or.jp...
> 
> "青龍" <shou77@hotmail.com> wrote in message news:cg6nnt$t3m$1@news511.nifty.com...
> > # それにしても、中国政府が靖国参拝を批判したときにはさんざん
> >  内政干渉だと批判していた人が、アメリカが相手だと憲法改正まで
> >  要求されてもなんにも言わないというのはどういうことなんでしょう。 
> 
> 青龍さんは鈴木が世の中全ての出来事についてfjで発言することを期待して
> いるんですかねぇ、いや冗談ですけど。それは期待に添えないのでゴメンね。

 今回の河野洋平の発言は、アーミテージやパウエルの発言を受けて
のものですから、河野発言の是非を問題にする際には当然これらの発
言についても言及するだろうと思ってました。
 もちろん鈴木さんがこの点に言及しないのは自由ですよ。こちらとして
は、その事実を鈴木さんに対する評価の材料にするだけですから。
 
> アーミテージやパウエルの発言は「選択肢の提示」ですからね。パウエルのそれは
> 9条改正しないと常任理事国入りが難しいという事実の提示ですから。大体米国の
> 2高官は国会議長と違って中立であるべしという職責もないですから。
> 
> #軍事力の行使が完全な「内政」に属すことができないという一面もあるけど、米2高官
> #についえは上の説明で十分でしょう。

 全然十分じゃありませんよ。
 アーミテージは「憲法9条が日米同盟関係の妨げの一つになっていると
いう認識はある」と発言しています。これを単なる事実の提示と捉えるのはあまり
にも恣意的な解釈です。この事実の提示は、だから憲法9条を改正すべきだとい
う要求も包含していると考えるが普通でしょう(そうでなければこのような事実を指
摘する意味がないでしょう)。
 また、議長に課されている中立義務はあくまで議事の進行に関してであって、議
長は政治的発言をしては行けないというものではないことは既に指摘しました。一
方アーミテージやパウエルに中立義務が課されているのは、そもそも彼らに日本
の内政について干渉する権限がないからにすぎません。日本国の国会議員であ
る議長が発言してはいけない問題について、アメリカの政府高官なら自由に発言
していいというのは、鈴木さんの恣意的な解釈にすぎないでしょう。

> 中国が日本に対してやるのは「靖国参拝するな」とか「中国の意に添わぬ教科書の出版を
> 認めない」とかの一方的要求ですからね。信仰や国民に言論の自由を認めるかは完全な
> 内政だというのもあるけど。心配してもらわなくてもそのぐらい区別がつきますよ。

 前述のように、中国の要求とアメリカの要求はレトリックのレベルで異なる
だけで、日本に政策の変更を要求している点では変わりありません。

 また、靖国問題について言えば、首相の靖国参拝には個人の宗教行為と
いう側面と内閣総理大臣が行う国家行為という側面が存在します。そして中
国政府は国民一般が靖国神社に参拝することを批判しているわけではなく、
後者の国家機関の国家行為としての側面を非難しているといえるでしょう。
 確かに、首相の靖国参拝に個人の宗教行為としての側面があることは否
定出来ませんが、これと国家行為としての側面は不可分に結びついていま
す。このように私人としての行為と公人としての行為が不可分に結びついて
いる場合、私的行為としての性質があることはそれが公的行為として問題に
されないことにはなりません。内閣総理大臣のように高度の政治性を有する
公職に就いている者ほど、その行為が私的行為として公的な責任を問われ
ない領域は縮小すると解すべきでしょう。

# 例えば首相が全く私人の立場であると断った上で、中国の悪口を言い、
 これに対して中国政府が抗議した場合、これを首相の表現の自由の侵害
 として批判することがいかにばかげているかを考えてみれば解るでしょう。

 もちろん首相であっても純粋に私的な領域というのは存在するでしょうが、
小泉首相の場合靖国参拝がそれにあたると考えるのは困難です。小泉首相
の場合、首相になる前の総裁選の際に靖国参拝を公約として掲げています
が、純粋に私的な宗教行為を政治家としての公約とするのは不自然極まり
ないことであり、自民支持層の一部である遺族会の支持を獲得するための公
約と理解するのが自然でしょう。とすればそれは政治性を有する公的な行為と
しての側面を強く有しており、純粋に私的な行為とは評価出来ません。
  
 そして、侵略した日本とされた中国という関係を前提とする限り、過去の侵
略を反省している日本政府が、侵略を実際に支持した戦争指導者を英霊と
して祀っている神社に参拝することは過去の反省と謝罪という中国との外交
関係と矛盾する行為です。これに対して中国が非難することこそ、「内政」干
渉とは言い難いでしょう。

# 似たような例として、今北朝鮮は、日本人の拉致が犯罪であることを認め
ていますが、一方で拉致の実行犯とされている人間を国家の英雄としてたた
えています。これに対して日本政府がその態度を批判したらそれは内政干渉
となるでしょうか?