古寺です。
話がどんどん進んでいるので、どこにフォローするか迷いました。

takazawa さんwrote:
> 
> Yuuichi Naruokaさんの<cnaaq4$3j1$1@newsl.dti.ne.jp>から
> 
> > 空冷じゃないですか?考えてみれば自動車は“空冷”(ラジエータの温水を冷やす
> 
> 蒸気機関では冷却ではなくて、動力を得るために水が必要だったかと。

サーマルプラント(懐かしい表現;_;)では、熱源が過熱しないように冷やし
ているのも、それそのものがエネルギーの媒介になっているのもほぼ同義で
す。内燃エンジンのように、熱源のとこの膨張を機械力に変換しておいて、
あとはうまく捨てるために冷却が有る(で、またそれを回収するアイディア
も別途有ったり)のと比べるとシンプルっていえばシンプルですかね?。
ただし、車両として考えた時にボイラー〜水蒸気〜機械力変換の系より内燃
機関(ディーゼル)の方がよっぽど熱効率が良かったと言う話だと思いました。
火で湯を沸かすところから、熱が必ずしもちゃんと利用されないで外へ逃げ
てしまう分が、そのムキ出しで走行風直撃で(それでいてバランスが取れて
しまっていた)のカタチから大きかったのではないかと。

うまく言えませんが、燃やしただけの熱とシリンダーのところで蒸気がして
くれる仕事の差がデカイってことですね。

さて

Woods war さんwrote:
| 
| 昔、ウランを使う蒸気機関車という物騒なもののイラストを見たことがあります。
| 米ソの大陸横断鉄道などでは燃料補給が不要なので便利とか書いてありましたが、
| 今になって考えると「冷却水の補給はどうするんじゃい!」

必然的に閉じざるを得ない事になります(^^;
2つ、3つ前の職業の際に間接的に関わった(なんつーか、「対象」として)
ので勉強させられて覚えているのですが。炉心が水に浸ってる軽水炉の場合、
その水がタービンとかで仕事をしたままドラフトのように大気放出される
事は有り得ません。中間熱交換器を介する加圧水型の2次側(中間熱交の後
ろ、タービン側、沸騰させる方)にしてもそうかと。復水器を介して水に
戻して循環させます。
復水器が何をやってるかというと、これは結局冷却で、タービンとかで使
い切らなかったエネルギー(熱)を奪う事で水に戻すのですから、ここれ
「冷却水の補給は」てな話にはなりますね。しかし、車載で使われる規模
と考えれば、これはよっぽど「熱の利用効率が悪」くないかぎりはラジエ
ターで直接冷却すれば済む話かと思います。復水器をクーラント使った
水冷(まあ昔からクルマの方でも厳密には液冷と言いますが)にするって
のもアリかもしれませんが「復水器」が露出しにくいとか特別な理由が無
ければほとんど意味が無いと推測します。

発電所の場合は扱うエネルギーが格段に大きい(経済的に見合うボリューム
って事で、火力の大型のよりずっと出力が大きかったですよね)ので、復水
させるにしても大河の水や海水が必要なレベルとなり(SLの給水暖め器より
は回収効率良さそうな熱交も有ったような記憶がうっすらと)、季節・気象
条件によってはそれが湯気のように見えると。季節によってはちょっとし
た施設のクーリングタワーなんかから湯気がもうもうと見えていますが、
そっちの方がイメージに近いんじゃないかと。

てなわけで(?)、外燃機関に原子炉を適用した場合、蒸気発生させた水を
外に出さない系を組む事がむしろ必然となりますから、大量の補給水とい
うのは考えなくて良いし。走行風で復水のための冷却に不足だっていうな
ら、それ以上複雑なるから適用困難じゃないかなと。

#SFものの漫画で、その手のマシンがシューシューやってると、まあ
#イメージなんだろうなと思ってしまう(^^; そんなん漏ってたら駄目
#でしょ!みたいな(^^;

> ># まあ今だったら同じ原子力でも原子力電池を使った電気機関車の方がよっぽど
> ># 現実的だとは思う。
> 
> MHD発電とか。

原子力潜水艦のミニマムサイズってどれくらいなんでしょうかね(特に
動力部)?
原潜の場合、3次元+加減速運動の中で液面管理が不要(炉心に接する水は
加圧により沸騰させない)で、小さなサイズに収まるPWR(加圧水型)が
使われていると、上述の頃に教わったのですが(が、間接的にも仕事では関
われませんでした^^;)。車両に軽水炉ではほぼ同じような話になるのでは、
と。これが平面で約20m×3mのサイズに載るかって話になりますね。
で、現実性では結局「そんなものが町中つっぱしってどうか」(踏切とかも
有るし)と言う事で、原子力電池でもほとんど一緒だと思いますけど。
鉄道というシステムなら、特に日本では電化した方が何倍も賢いですし。

#米国などのようにひたすら原野を(日本とは)桁外れの量の貨物を引っ張っ
#てという世界だと、別の経済性論議になるとは思います。但しその辺では
#まだ、石油が当面使える前提でしょう(利用効率が高いのだし)。