Re: スピード違反の時効(大型トラック速度抑制装置)
佐々木将人@函館 です。
>From:Tsuiki Hiroyuki <kamiture@f7.dion.ne.jp>
>Date:2003/10/11 07:40:28 JST
>Message-ID:<szGhb.2$GB5.1@news7.dion.ne.jp>
>
> そのような評価に行き着くだろうとは予想しとりましたが。sci.lawではな
>いからええかいな、と。
判決に対して
法解釈学以外から批判することはいくらでも自由なんで
「そういう批判なんだ」ってことがわかれば
それはそれでいいと思ってます。
……法解釈学ではそうは考えないとは書くにせよ。
>>繰り返しになりますが
>>客観性を持つことは最初から要求されていません。
>>(説得的なものの多くは客観的にも妥当であると言えることが多いでしょうが
>> 客観的でなければ説得的でない訳ではありません。)
>
> この部分、本論とは外れてこれまた素朴な疑問を抱くのですけど、そうなの
>ですか?
はい。
そのことを端的にあらわしたのが民事訴訟法247条です。
条文には書いてませんが一方で「証拠裁判主義」という考え方があります。
事実は証拠に基づいて認定しろというもので
そういう証拠が全くない裁判はそりゃあだめです。
(この点でぬかたちとか決闘はだめです。
そしてこの点をもって客観性を求めているというのであれば
そのことまで否定するつもりはありません。)
また253条で判決書には理由を書くことになっていますし
(調書判決によらない場合には)
理由ではたいてい証拠をあげる慣例になっていますから
そのことは裁判官の恣意を認める訳ではないとも言えます。
(そしてこの点をもって客観性を求めているというのであれば
そのことまで否定するつもりはありません。)
しかし具体的に出された証拠が信用できるものなのかどうか
また証明すべき事実をきちんと証明していることになるのかどうかの判断は
(業界用語で言う「証明力」の問題)
これは裁判官の自由な判断によるとされており
例えば
| 少なくとも、システム運用者がシステム設計者及び管理者と社会的にも完全
|に独立している事が最低限の条件でしょうね。このような性質の物に関しては。
| システム自体が、その運用者にとって完全にブラックボックス、それも封印
|付き、というような運用がなされおり、かつ運用者とは独立した立場でその運
|用がチェックされている事が立証できるなら、データの流用に関してはある程
|度の客観性を以て「ない」と評価して良いだろうと思います。
という基準ではありません。
さらに本件では問題になっていませんが
当事者間に争いのない事実関係については裁判所は審理できないどころか
別の証拠調べで
たまたまその事実関係に疑念を抱かせることがわかったとしても
当事者に争いがない以上それに反する認定をしてはいけないというルールも
あります。
(ある貸金訴訟で当事者間では4月10日に貸したことで争いがない場合に
証拠調べの結果たまたま
4月10日ではなく5月5日だってことがわかっても
裁判所は5月5日という認定をしてはいけないことになっています。)
主張の程度とか立証の程度という問題まで踏み込むのであれば
こういう情報はおさえておく必要があります。
> 所詮、最終的には裁判官の「主観」に因る物だとかいうレベルの話でないと
>して、法的な評価には「客観的」説得力は必ずしも要求されないのですか?
>立証とか証明というタームは、私の中では自動的に「客観性」とリンクされて
>いたのでちょっと想像が付かないのですが、客観的ではないが説得力を持つと
>して裁判証拠に採用された物の例ってどんなものがあるんでしょうか?
証人の証言はたいてい客観性に疑いがあると思います。
(どちらからも等距離な純粋に第3者的立場の人ってそうはいません。)
さらに物的証拠が全然ない証人もない訴訟も結構な数にのぼります。
そういう訴訟で全部原告が敗訴しているかというと
そんなことはない訳で
こういう訴訟では当事者尋問の結果という
客観性は全然期待できないものによって事実認定がされます。
> そもそもこの種の話の根底にあるのは「肖像権そのもの」ではないですよね。
>網羅的な個人情報収集に対する不安、不信、ってのが本質であって、「肖像権」
>というのは、まさに「規定のない」が故に無理矢理引っ張りだすネタの一つに
>過ぎないわけでしょ? 曖昧な人権規定と、それ自体を主体とした裁判の成立
>自体が事実上困難な日本の制度があるが故に「民事」なんだし。
しかしそういう不安や不信に対し
「法的なレベルの解決」を目指すのであれば
そこは法的な議論が行われるべきだし
法的な主張として成立しないようなものを
法的な結論として通す訳にはいきません。
そして法的になんともならないものなら
本線は法を改正すべきでしょう。
>#ま、件の訴訟自体がそれを意識した物かどうかはおいときますが。
ちなみに「自由に移動する権利」「情報コントロール権」も主張していますが
いずれも「それを侵害しているとは認められない」です。
----------------------------------------------------------------------
Talk lisp at Tea room Lisp.gc .
cal@nn.iij4u.or.jp 佐々木将人
(This address is for NetNews.)
----------------------------------------------------------------------
ルフィミア「兄さん、秋休み、終わっちゃったね?」
まさと 「それ青いブレザーでキュンキュンさせながら言わないと……。」
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735