Re: L(r,χ)=1/(r-1)!・(-2πi/N)^r・1/2Σ_{a∈Z_N^×}χ(a)h_r(ζ_N^a)の証明
工繊大の塚本です.
In article <j1jooa$dho$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_93__10.jpg
"now that" 以下が出鱈目ですね.
|s| \leq r において \sum_{k=1}^\infty (-1 + (1 + s/k)\exp(-s/k))
が絶対一様収束することを示すのに,
ある正数 M があって, |-1 + (1 + s/k)\exp(-s/k)| \leq M/k^2 が
成立することを示そうというのです.
# このとき, M_k = M/k^2 として Weierstrass の優級数判定法を
# 使うことになります.
貴方の記述では k によって M が変わることを許していることになります.
結局, M = (\exp(r))^2 r^2 とすれば, |s| \leq r において
|-1 + (1 + s/k)\exp(-s/k)| \leq M/k^2 が成立します.
従って, 無限乗積 \prod_{k=1}^\infty ((1 + s/k)\exp(-s/k)) は
|s| < r において収束して正則関数を表すことになりますが,
r は任意の正の数ですから,
全複素数平面で \prod_{k=1}^\infty ((1 + s/k)\exp(-s/k)) は
正則な関数を表すことになります.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_93__11.jpg
又, \lim_{n \to \infty} s \prod_{k=1}^n ((1 + s/k)\exp(-s/k)) が
0 にならないという嘘が書いてありますね.
> としたのですが
> dominant series Σ_{k=1}^∞M|s|^2/k^2と変数sを含んでしまいましたが
> Prop199.923では各sについての収束性を示しているので
> Prop199.93はこれでいいのですよね?
そもそも「任意の」と「ある」の正しい順序での使い方が出来ていない
時点で, もう一度, 基礎の微分積分学からやり直す必要があります.
> |-1+exp(-s/k)+s/k exp(-s/k)|を押えるdominant sequenceとして
> M_kをどのように採ればいいのでしょうか?
上で指摘しました.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_27__05.jpg
> からどのように進めていけばいいのでしょうか?
f が z = z_0 で n 位の極を持つとき,
f(z)
= \sum_{k=1}^n b_{-k} (z - z_0)^{-k}
+ \sum_{k=0}^\infty c_k (z - z_0)^k
= (z - z_0)^{-n} (\sum_{k=1}^n b_{-k} (z - z_0)^{n-k}
+ \sum_{k=0}^\infty c_k (z - z_0)^{n+k})
= (z - z_0)^{-n} \sum_{k=0}^\infty a_k (z - z_0)^k
と, z_0 の近傍から z_0 を除いたところで書けます. 但し,
a_k = b_{-n+k} (0 \leq k \leq n-1),
a_k = c_{k-n} (n \leq k), つまり,
a_0 = b_{-n}, a_1 = b_{-n+1}, \dots, a_{n-1} = b_{-1},
a_n = c_0, a_{n+1} = c_1, \dots
とします. ここで n 位の極を持つことから b_{-n} \neq 0 ですから,
g(z) = \sum_{k=0}^\infty a_k (z - z_0)^k は
g(z_0) = a_0 = b_{-n} \neq 0 を満たす
z_0 の近傍での正則関数になります.
1/f(z) = (z - z_0)^n (1/g(z)) が z_0 のある近傍から z_0 を除いたところで
成立しますから, (1/f)(z) を (z - z_0)^n (1/g(z)) と z_0 の近傍で
定義すれば, 1/f は z = z_0 のある近傍での正則関数で,
z_0 を n 位の零点として持つものになります.
> 所でf(D\setminus{z_0})とg(D\setminus{z_0})が共に0を含まない事は
> どうすれば示せますでしょうか?
D として十分小さな z_0 の近傍を取ればそうなるというだけですから,
g(z) が z_0 のある近傍では 0 にならないことと,
(z - z_0)^n が z = z_0 以外では 0 にならないことから
当たり前です.
> えっ? 今,g(z)=Σ_{k=0}^n b_{n-k}(z-z_0)^k+Σ_{k=0}^∞ c_k(z-z_0)^{n+k}
Laurent 級数展開の負ベキの部分の係数 b_{*} は
* のところを負の整数にしておく方が間違い難くて良いと思いますが,
貴方の表示では f(z) の Laurent 級数展開の
(z - z_0)^{-n} の係数が b_n ですね.
> という風にベキ級数で書けていますが,
> g(z_0)=0となってしまうのですが、、、何処を間違っているでしょうか?
g(z_0) は g(z) の Taylor 展開の (z - z_0)^0 の係数,
つまり, b_n に一致することが分かっていないということですね.
> z=z_0でg(z)は
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_27__06.jpg
> と微分可能でしたので
貴方の示した式では微分可能も何も証明できていません.
> g(z)はz=z_0で正則(微分可能なz_0の近傍が存在する)と思ってしまい,
> それで収束半径は0ではないと述べてしまってました。
> 複素数の世界ではz=z_0一点のみで微分可能な関数も存在するのでしたね。
で, g(z) の収束半径が 0 でないことは何から分かることか,
分かっているのですか.
> 何故ですか?
1/f は (z - z_0)^n (1/g(z)) によって定義され直しているからです.
> 確かに代入は出来ますが,左辺については
> 矛盾が発生してしまっているではないですか。
左辺は元々 z = z_0 では定義されていなかったものですから,
何も矛盾は発生しません.
> このパラドックスをどのように乗り切ればいいのでしょうか?
何もパラドックスはありません.
> 今,g(z)=Σ_{k=0}^n b_{n-k}(z-z_0)^k+Σ_{k=0}^∞ c_k(z-z_0)^{n+k}ですから
> g(s_0)=0となってしまうのですが。。。
g(s_0) = b_n \neq 0 です.
> これはΣ_{k=0}^n b_{n-k}(z-z_0)^k+Σ_{k=0}^∞ c_k(z-z_0)^{n+k}が
> z=z_0で微分可能でz_0で正則だから収束半径は0ではない,
> よってs=s_0の周りで収束するという解釈でよろしいでしょうか?
> でもg(z)がz=z_0で微分可能でしかもz_0で正則だとどうして分かるのでしょうか?
Laurent 級数展開での \sum_{k=0}^\infty c_k (z - z_0)^k の部分は
0 でない収束半径を持って収束しています. 従って,
g(z)
= \sum_{k=0}^\infty a_k (z - z_0)^k
= \sum_{k=0}^{n-1} b_{-n+k} (z - z_0)^k
+ \sum_{k=n}^\infty c_{k-n} (z - z_0)^k
も同じ収束半径を持ちます.
> つまり,g(s)はs_0で正則⇒g(s)はs_0で連続⇒g(s_0)≠0
> という構図でしょうか?
分かっていませんね.
最初に g(s_0) \neq 0 が分かり,
g(s) は s = s_0 で連続だから,
s_0 の近傍に属する s で g(s) \neq 0 が分かるのです.
> では先ずどうしてg(s)がs_0で正則だと分かるのでしょうか?
g(s) が s = s_0 で正則であるのは,
収束半径が 0 でないベキ級数での表示を持つからです.
> そしてg(s)がs_0で連続ならg(s)はs_0と分かりますが
意味不明です.
> 連続ならどうしてg(s_0)≠0と分かるのでしょうか?
上で述べました.
> え〜!? 1/f(s_0)は1÷f(s_0)という式ではなく一塊の記号だったのでしょうか?
(1/f)(s_0) と考えるのが良いでしょう.
# ちゃんと理解できる人にはどちらでも良いことですが.
> つまり,1/f(z)=(z-z_0)^-n g(z)ではなく
> 1/f(z):=(z-z_0)^-n g(z)と記すべきだったのでしょうか?
混乱していますね. f が z_0 を n 位の極として持つとき,
z_0 のある近傍から z_0 を除いたところで
正則関数 g(z) を用いて
f(z) = (z - z_0)^{-n} g(z) と書けるから,
z_0 のある近傍から z_0 を除いたところで
1/f(z) = (z - z_0)^n (1/g(z)) となるので,
z_0 の近傍において (1/f)(z) = (z - z_0)^n (1/g(z))
と考えることにしましょう, という話です.
> 1/f(s_0)=0の両辺をf(s_0)倍したのです。
元々 f(s_0) は定義されていなかったのですから,
# 或いは, f(s_0) = \infty と考えようという話ですから,
f(s_0) 倍して等号が成立すると考えるのがおかしい.
# 0 \times \infty はどうなると思いますか.
> In article <110726214334.M0104054@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 元々 f は s_0 の近傍 U_\epsilon(s_0) から s_0 を除いたところ
> > U_\epsilon(s_0) \setminus { s_0 } での正則関数でしか
> > ありませんでした.
> > f は U_\epsilon(s_0) \setminus { s_0 } で定義された
> > ( C への) 写像です. そう考えるときには値域には
> > \infty は入りません.
>
> それなら∀s∈C\setminus{s_0}に対して,1/f(s)≠0ですね。
U_\epsilon(s_0) を C に変えてはいけません.
> > 複素数平面 C のコンパクト化としてリーマン球面 P^1(C)
> > を考えて, 有理形関数とは P^1(C) への写像だと考えます.
>
> なら有理型関数の値域は一般には∞を含むのですね。
それは流儀によります. あくまでも領域からいくつかの
孤立点を除いたところでの正則関数で, その孤立点が
高々極となるもの, と考えることもできるし,
領域から P^1(C) への正則関数であると考えることもできます.
後者の流儀では値域に \infty を含むことになります.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_meromorphic__02.jpg
> が有理型関数の定義ですよね。
S = { z \in D | f(z) = \infty } が D の孤立点からなる集合で,
D' = D \setminus S 上で f が正則であり,
S の各点は f の極になっている, というのが良いでしょう.
> Γ関数,ζ関数,ζ_{≡amodN}関数,L(s,χ)関数,ζ(s,x)関数は
> 全複素平面を定義域として考える時には値域は∞を含むのですね
> (つまり,全複素平面では有理型関数となる)?
ずっと全複素数平面での有理形関数だと言っているでは有りませんか.
但し, L(s, \chi) は全複素数平面で正則になる場合もあります.
その場合は値域は \infty を含みません.
> なぜ"まあ"と曖昧な表現が付くのでしょうか?
> 正式にはどのように解釈するのでしょうか?
f が z_0 を極とするときは, 1/f は z_0 を零点とするという意味で
1/\infty = 0 というのは構いませんが,
1/\infty \times \infty を考えたりはできませんから,
その点はお気を付け下さい.
> P^1(C)は単に位相以外に何の構造も持たないのでしょうか?
勿論, 複素多様体として考えることができたりします.
> P^1(C)\setminus{∞}なら可換体を成すのですよね。
> するとP^1(C)は準体とか構造についての名称が有ったりするのでしょうか?
有りません.
ところで, リーマン球という言葉を聴いたことはありませんか.
> 取り敢えず,拡張された複素平面は
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_extended_complex_plane__00.jpg
何かヘンなものを参考にされたようですね.
> と定義されるのですね。
R というのは (0, 0, 1/2) 中心, 半径 1/2 の球ですから,
まあ, 2次元の閉曲面という意味での a Riemann surface ではあります.
f は立体射影というものです.
f という写像を用いて, 複素数平面に無限遠点を付け加えたものを
球面として理解するのは良いでしょう.
後半は, f を複素数平面上で考えていると,
f(z) = 1/z の像は, P^1(C) でなく,
それから 0 という 1 点を除いたものになりますから,
何を言いたいのか良く分からない話になっています.
> > 途中から (d^{m-k}/ds^{m-k})((s - s_0)^m) が
> > (d^{m-k}/ds^{m-k})((s - s_0)^{m-k}) に化けていますね.
> > やり直し.
>
> えっ?確認しましたが}((s - s_0)^{m-k})になっている箇所はありませんが。。
<http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop205_27__04.jpg>
において,
\sum_{k=0}^n { n \choose k } \times
d^{n-k}/dz^{n-k}(z - z_0)^n d^k/dz^k 1/g(z)|_{z=z_0}
= { n \choose 0 } d^{n-0}/dz^{n-0}(z - z_0)^n
+ { n \choose 1 } d^{n-1}/dz^{n-1}(z - z_0)^n d^1/dz^1 1/g(z)
+ { n \choose 2 } d^{n-2}/dz^{n-2}(z - z_0)^n d^2/dz^2 1/g(z
+ \cdots
+ { n \choose n-1 } d^{n-(n-1)}/dz^{n-(n-1)}(z - z_0)^n \times
d^{n-1}/dz^{n-1} 1/g(z)
+ { n \choose n } (z - z_0)^n d^n/dz^n 1/g(z) |_{z=z_0}
とあるべきところが
= { n \choose 0 } d^{n-0}/dz^{n-0}(z - z_0)^n
+ { n \choose 1 } d^{n-1}/dz^{n-1}(z - z_0)^{n-1} d^1/dz^1 1/g(z)
+ { n \choose 2 } d^{n-2}/dz^{n-2}(z - z_0)^{n-2} d^2/dz^2 1/g(z
+ \cdots
+ { n \choose n-1 } d^{n-(n-1)}/dz^{n-(n-1)}(z - z_0)^{n-(n-1)} \times
d^{n-1}/dz^{n-1} 1/g(z)
+ { n \choose n } d^n/dz^n 1/g(z) |_{z=z_0}
になってしまっていることを指摘しています.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_98__03.jpg
先ず, \lim_{n \to \infty} (n^s n!)/(\prod_{k=0}^n (s + k)) \neq 0
等ということは, 最後の最後にならないと分からないことです.
途中から 1 + s/k が 1 + k/s に変わっています.
もうこれ以上, 間違い探しに付き合うつもりはありません.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_98__04.jpg
> でいいのですね。
何故 \gamma を使わないのでしょうか.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_93__10.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_93__11.jpg
> でいいのですね。
既に間違いは指摘しましたから繰り返しません.
> 大幅訂正しました。
本当に意見を言うだけ無駄ですね.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__06.jpg
(d/ds)(\prod_{k=1}^n ((1 + s/k)\exp(-s/k))) を考えることは不要で,
しかもその計算は間違っています.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__07.jpg
> となったのですが変数sを含んでしまっていますね。
> |(1+s/k)exp(-s/k)-1|を押えるdominant sequenceとして
> M_kをどのように採ればいいのでしょうか?
これについては既に述べました.
> > 成り立ちますが, 右辺以外は(右辺に一致するということ
>
> 飽くまで"非正整数を除いて"ですよね。
違います. Re(s) > 0 においてです.
> もっと言えば,右辺を1/lim_{n→∞}(n^s n!)/Π_{k=0}^n(s+k)という
> 特殊(?)な記号で表したに過ぎないという事ですね。
その極限 \lim_{n \to \infty} (n^s n!)/(\prod_{k=0}^n(s + k)) は
\int_0^\infty t^{s-1} \exp(-t) dt と Re(s) > 0 で
一致しているということだけの値打ちしかありません.
> そうしないと1/lim_{n→∞}(n^s n!)/Π_{k=0}^n(s+k)を一つの式と認可すると
その式は Re(s) > 0 以外のところでは収束することすら明確ではありません.
> 非正整数sについては1/∞=0更には1=∞・0
> という気まずい現象も容認してしまわないといけないからですね。
それは何かを勘違いしているでしょう.
> だから正式にはWeierstrassの乗積はΓ関数の逆数なんかではなく,
> 全く別の関数なのですね
> (でないと1/∞=0が付きまとう)。
ほら, やっぱり勘違いしている.
Weierstrass の乗積表示は, 明らかに \Gamma 関数の逆数を表すものです.
> > 以外の)
> > 利用価値がありません. だから, 忘れてしまいなさい.
>
> よく考えたらWeierstrassの乗積の定義は単に
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_Weierstrass_product_of_View__00.jpg
> と書き改めればいいだけの話なのですね。
だからその極限 \lim_{n \to \infty} (n^s n!)/(\prod_{k=0}^n(s + k)) は
忘れてしまいなさい.
> > それは U_r(a) = { z \in C | |z - a| < r } において
> > f(z) が正則であれば,
>
> f(z)が正則となるようなU_r(a)が存在する事はどうすれば言えますでしょうか?
f が 1 位の零点を持つとか言うことは,
f が正則でないといえないことですよ.
だから, f が正則であることは「仮定されています」.
> > f(z) = \sum_{n=0}^\infty a_n (z - a)^n と
> > f(z) を z = a のまわりでのベキ級数として表示ができて,
>
> Taylorの定理からそう言えますね。
>
> > そのベキ級数の収束半径は r 以上であり,
>
> どうしてr以上と分かるのでしょうか?
Cauchy の積分公式から, f のベキ級数展開がどのように得られて,
その係数についてはどのような評価が得られて,
それから収束半径がどのように評価されるかは
複素関数論の基礎の話です.
ちゃんと 岩波講座 現代数学への入門「複素関数入門」神保道夫著 を
読まれたのでしょうか.
> > 従って,
> > |z - a| < r である z で
> > \sum_{n=0}^\infty a_n (z - a)^n は絶対収束すること,と,
>
> ここが分かりません。どうして絶対収束すると分かるのでしょうか?
収束半径の基本の性質です.
ちゃんと 岩波講座 現代数学への入門「複素関数入門」神保道夫著 を
読まれたのでしょうか.
> fの収束半径は1/lim_{n→∞}|a_{n+1}/a_n|で
> gの収束半径は1/lim_{n→∞}|a_{n+2}/a_{n+1}|で
> 1/lim_{n→∞}|a_{n+1}/a_n| = 1/lim_{n→∞}|a_{n+2}/a_{n+1}|が成立ちますね。
その極限が存在すれば, 収束半径はそれに一致しますが,
その極限は存在するとは限りませんよ.
収束半径の公式は別にあります.
> > 0 でない収束半径 r を持つベキ級数で表示される関数は
> > |z - a| < r において正則です.
>
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop192_125__00.jpg
> という命題があったのですね。
Ball というのが開円板であればそうです.
> 取り敢えず
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_96__04.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_96__05.jpg
> このような感じでよろしいでしょうか?
だから駄目です. 上の話をもう一度お考え下さい.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_96__06.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_96__07.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_96__08.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_96__09.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_96__10.jpg
> という具合になったのですがこれで大丈夫でしょうか?
同じように駄目です.
> > \Gamma(s+N) は s = 0 で正則で,
> > 1/((s+1)(s+2)\cdots(s+N-1)) も s = 0 で正則ですから,
> > f(s) = \Gamma(s+N)/((s+1)(s+2)\cdots(s+N-1)) も s = 0 で正則です.
> > 又, f(0) = \Gamma(N)/((0+1)(0+2)\cdots(0+N-1))
> > = (N-1)!/(N-1)! = 1 \neq 0 です.
>
> ここまでは納得です。
>
> > このとき, \Gamma(s) = \Gamma(s+N)/(s(s+1)(s+2)\cdots(s+N-1))
> > = (1/s) f(s) は s = 0 で一位の極を持ちます.
>
> すいません。
> 何故,ここで突然,一位の極を持つ事が分かるのでしょうか?
> 何か命題があるのでしょうか?
> (Prop199.96はどうも使えそうもないし…)
f が s_0 の近傍で正則で, f(s_0) \neq 0 であれば,
g(s) = (s - s_0)^{-1} f(s) は s_0 の近傍から s_0 を除いたところで
正則で, s_0 を 1 位の極として持つ, ことは,
g(s) の Laurent 展開が f(s) の Taylor 展開から得られるので,
すぐに分かります.
> > 右辺 \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s が収束するところでは
>
> これはRe(s)>1とは限らずχによって収束範囲が決まるのですね?
> つまりχがΣ_{n=0}^∞χ(n)/n^sの収束範囲を決める変数になっているのですね。
n = 1 からの和でないと, 定義できません.
> χとΣ_{n=0}^∞χ(n)/n^sの収束範囲にはどのような関係があるのでしょうか?
だから, \chi: (Z/NZ)^\times \to C^\times の像が { 1 } 以外の
元を含むかどうか, つまり, \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) = 0 であるか
どうか, で, 話が変わります. \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) = 0 であれば,
Re(s) > 0 で収束することが示せたわけです.
> > その値を L(s, \chi) とするのが,
> > 最初っからの L(s, \chi) の定義です.
>
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def__15.jpg
> というのは間違いなのですね?
「定義」されるということと,
「表示」されるということは, 区別した方が良いでしょう.
一つの「表示」が「定義」であると思っていても,
普通はそう困らないので, 抛っておきますが,
ヘンな思い込みが無駄な労力を費やすことに繋がっているようなので,
一度だけ言っておきます.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/def_of_DL__01.jpg
> が正しいL(s,χ)の定義なのですね。
だから, L(s, \chi) は \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s で定義される
Re(s) > 1 での正則関数を, 全複素数平面に有理形関数として
解析接続したもの, と定義されます.
\sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s が Re(s) > 0 でも収束して
正則関数になっていれば, 一致の定理から,
L(s, \chi) は, Re(s) > 0 での \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s を
全複素数平面に有理形関数として解析接続したものでもあります.
そして, この場合実は L(s, \chi) は全複素数平面上での正則関数になります.
Re(s) > 1 や Re(s) > 0 以外での「表示」が必要なら,
\Gamma 関数や, B_n を用いた級数や, 積分表示やらを組み合わせた
表示が存在します.
> ではどうしてΣ_{m=1}^∞Σ_{k=1}^Nχ(k)/(mN+k)^sから
m の和は m = 0 からです.
> Σ_{k=1}^Nχ(k)/(0・N+k)^s+Σ_{m=1}^∞Σ_{k=1}^Nχ(k)/(mN+k)^s
> に持っていけるのでしょうか?
\sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s
= \sum_{m=0}^\infty(\sum_{k=1}^N \chi(k)/(m N + k)^s)
= \sum_{k=1}^N \chi(k)/(0 N + k)^s
+ \sum_{m=1}^\infty(\sum_{k=1}^N \chi(k)/(m N + k)^s)
ですから, おかしいのは,
> すいません。何処でしょうか?
m = 0 から始めるべき和を m = 1 から始めているところです.
> すみません。どうして|χ(k)|=1と分かるのでしょうか?
もう忘れましたか. 有限群の指標 \chi: G \to C の
像 \chi(g) (g \in G) は絶対値 1 の複素数になります.
# 証明して御覧なさい.
無論, k が N と素でなければ \chi(k) = 0 ですが,
今は上からの評価だから問題ありません.
> > \sum_{m=1}^\infty (N(N-1)/2)(|s|/(m N)^{Re(s)+1})
> > \leq \sum_{m=1}^\infty (N^2/N^{Re(s)+1})(|s|/m^{Re(s)+1})
> > \leq \sum_{m=1}^\infty (N |s|)/m^{Re(s)+1}
>
> 今,Re(s)>1なので
とんでもない. 今の仮定は Re(s) > 0 です.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__54.jpg
> となるのですね。
N の正ベキが 1 より大きいことは良いでしょうね.
> > だからそういう評価では収束が言えません.
> > |f_m(s)| \leq (N |s|)/m^{Re(s)+1} を使うのです.
>
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/theorem5_4__00.jpg
> を使うのですね。
はい. 相変わらず記号は出鱈目ですが, 無視しておきます.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__55.jpg
> となりましたが,
> dominant sequence N|s|(1+1/Re(s))が変数sを含んでしまっていますし,
> dominant series Σ_{m=1}^∞N|s|(1+1/Re(s))=∞となってしまいますので
> Theorem5.4は使えません。どのように解決すればいいのでしょうか?
少しも工夫とか, 応用とかが出来ませんか.
任意の正数 r, R について, D_{r,R} = { s \in C | Re(s) > r, |s| < R }
において, |f_m(s)| \leq (N R)/m^{r+1} であり,
\sum_{m=1}^\infty (N R)/m^{r+1} は収束しますから,
f_0(s) + \sum_{m=1}^\infty f_m(s) は正則関数 f_m(s) ら和の
一様収束極限として正則になります.
r はどんなに小さな正数でも良いし,
R はどんなに大きな正数でも良いので,
\cup_{r>0, R>0} D_{r, R} = { s \in C | Re(s) > 0 }
において, f_0(s) + \sum_{m=1}^\infty f_m(s) は
広義一様収束して, 正則関数となります.
> > L(s, \chi) = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) \zeta_{\equiv a (N)}(s)
> > についてはさんざん議論したと思いますが.
>
> そっそうでしたか。ちょっと見回してみたのですが。。申し訳ありません。
> 「L(s,χ)は高々 s = 1 にのみ極を持つ」という命題があったのですね。
\zeta_{\equiv a (n)}(s) が s = 1 にのみ極を持つことは
復習できましたか.
> > s = 1 では「高々」一位の極を持ち, です.
>
> すいません。
> "高々一位の極を持つ"とはχがどのようなDirichlet指標になるかによって
> C\setminus{1}でL(s,χ)は微分可能となり,s=1で一位の極を持つかまたは,
> s=1ですらも微分可能(即ち,全複素平面で微分可能で極無し)
> になるという意味なのですね。
はい.
> 因みにs=1のみで非正則で且つs=1で極すらも持たない関数ってあるのでしょうか?
e^{1/(s-1)}
> s=1のみで非正則ならs=1は必ず特異点になるものなのでしょうか?
勿論, (s^2 - 1)/(s - 1) のように,
見かけ上は s = 1 で正則でないのに,
実は正則になる場合もあります.
> あと,よく見たら
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop3_15__35.jpg
> と(3)はなっているので丸3を示してしまえば丸2は証明不要ですね。
何を言っているのですか. 丸 3 を示すために丸 2 を使ったのです.
丸 3 を示す別法として, s = 1 での留数の和を計算する話は
しましたが, そちらは貴方は理解出来なかったのですよね.
> > まさか, 一々 \zeta(s, a/N) は積分で書かなければ
> > いけない, などと思ってはいないでしょうね.
>
> え? ζ(s,a/N)の定義域が全複素平面なら
> ζ(s,x)=1/(N^s lim_{n→∞}(n^sn!/Π_{k=0}^n(s+k)))
> [Σ_{n=0}^∞(-1)^nB_n(a/N)/(n!(s+n-1))+∫_1^∞exp(-au/N)u^{s-1}/(1-exp(-u))du]
> と書いておりますが。
だから, \zeta(s, a/N) というのは,
Re(s) > 1 で定義された正則関数 \sum_{n=0}^\infty (n + a/N)^s を
全複素数平面での有理形関数として解析接続したもの,
というのが定義であって,
貴方がいつも書こうとしているのはそのひとつの「表示」です.
特にその形に興味がないときは, \zeta(s, a/N) とだけ書けば
良いのです.
それから, \Gamma(s) も \Gamma(s) とだけ書くようにしましょう.
> > 一般に \zeta(s, x) は高々 s = 1 のみを一位の極とする
>
> つまり,xの値によってC\setminus{1}でζ(s,x)は微分可能となり,
> s=1で一位の極を持つかまたは,
> s=1ですらも微分可能(即ち,全複素平面で微分可能で極無し)になるのですね。
実は s = 1 で正則になることはありません.
> > 全複素数平面での有理形関数ですから,
> > x = a/N のばあいのそれに,
> > 全複素数平面での正則関数 N^{-s} を掛けたものも,
> > s = 1 を除いては正則で,
> > s = 1 は高々一位の極となります.
>
> これは
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop3_15__35.jpg
> の(2)の丸3の事ですね。
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__56.jpg
> となったのですが
何故 s で微分するのでしょう.
> 0≦a≦Nでないと
a = 0 だと \zeta(s, a/N) は意味を持ちません.
1 \leq a \leq N でないと, と言いたいのでしょうか.
> Prop201(4)
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop201_4__03.jpg
> が使えないのですが、、、
> どうすればいいのでしょうか?
今必要なのは Re(s) > 1 において,
L(s, \chi)
= \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s
= \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) \sum_{m=0}^\infty 1/(m N + a)^s
= \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} \sum_{m=0}^\infty 1/(m + a/N)^s
が成立することから, 解析接続して得られる,
L(s, \chi)
= \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} \zeta(s, a/N)
という等式に現れる \zeta(s, a/N) の s = 1 での留数が
知りたいだけですから, 1 \leq a \leq N-1 として良いわけです.
> > \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) = 0 のときは, Re(s) > 0 では
> > \sum_{n=1}^\infty \chi(a)/n^s = \sum_{m=0}^\infty f_m(s) となり,
> > 各 f_m(s) は正則関数で, |f_m(s)| \leq (N |s|)/m^{Re(s)+1} (m > 0)
> > という評価が存在するので,
> > 和 \sum_{m=0}^\infty f_m(s) は Re(s) > 0 で広義一様収束し,
> > \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s は Re(s) > 0 では
> > 正則関数となる.
>
> どうも有難うございます。これはProp3.15の(3)の丸3についてですね。
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__57.jpg
> となったのですが
だから, f_m(s) = \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k)/(m N + k)^s (m > 0) に
ついて, \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k) = 0 から
\sum_{k=1}^{N-1} \chi(k)/(m N)^s = 0 となることを用いて,
f_m(s)
= \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k)/(m N + k)^s
= \sum_{k=1}^{N-1} (\chi(k)/(m N + k)^s - \chi(k)/(m N)^s)
= \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k) \int_0^1 (d/dt)(1/(m N + t k)^s) dt
= \sum_{k=1}^{N-1} \chi(k) \int_0^1 (- s k)/(m N + t k)^{s+1} dt
と書き換えてから,
|f_m(s)|
\leq \sum_{k=1}^{N-1} |chi(k)| \int_0^1 (|s| k)/(m N)^{Re(s)+1} dt
\leq (N |s|)/m^{Re(s)+1}
という評価を導かないといけません.
> Σ_{k=1}^N |χ(k)|/(mN+k)^{Re(s)}≦Σ_{k=1}^N |χ(k)|/m^{Re(s)+1}
> と
> Σ_{k=1}^N |χ(k)|/m^{Re(s)+1}≦N|s|/m^{Re(s)+1}
> の不等号はどうして成立つのでしょうか?
そういう不等式は成り立ちません.
> あと,{s∈C;Re(s)≦1}の範囲でのL(s,χ)の正則性については
> どのようにして示せばいいのでしょうか?
Re(s) > 0 で正則であることがわかれば,
Re(s) < 1 で正則であることは,
解析接続された関数同士の関係式
L(s, \chi)
= \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} \zeta(s, a/N)
から明らかになります.
> > Re(s) > 1 でそう書くのは未だ分かります.
> > それ以外の所で使うのは何の役にも立ちません.
>
> では
> Γ関数はRe(s)>0では役に立つが
> 全複素平面ではΓ関数は役に立たない関数という意味でしょうか?
\lim_{n \to \infty} (n^s n!)/(\prod_{k=0}^n (s + k))
というのは, Re(s) > 0 で \Gamma(s) と一致するというだけの,
一つの殆ど役に立たない「表示」でしかありません.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
そんなものは忘れてしまいなさい.
\Gamma(s) は大事な関数です.
それを全複素数平面(から非正の整数を除いたところ)で
表示したいのであれば,
1/\Gamma(s) についての Weierstrass の乗積表示,
1/\Gamma(s) = s \exp(\gamma s) \prod_{k=1}^\infty((1 + s/k)\exp(-s/k))
を使いなさい. それも特に必要がないところでは,
単に \Gamma(s) と書けば良いだけのことです.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735