工繊大の塚本です.

In article <7e680b5f-bd57-4239-a083-87e8b3479ab3@j8g2000yqd.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> うーん,つまりf∈Map(B,∪_{λ∈Λ}A_λ);B∋∀a→f(a):=a(λ')をproj_λ':=fと定義し,
> この写像proj_λ'もλ'∈ΛのBによる∪_{λ∈Λ}A_λへの射影に呼ぶのですね。

普通, γ' ∈ Λ による B の ∪_{λ∈Λ} A_λ への射影とか,
 γ' ∈ Λ についての B から ∪_{λ∈Λ} A_λ への射影とか
表現するものでしょう.

> えーと,それら任意の元らをyとすると{y}も{{y}}集合となりますよね
> (∵対集合の公理)。

対集合の公理が言っているのは,
任意の一つの元(集合) y について,
 {y} や {{y}} が集合となることだけです.

# 任意の元(集合) x, 任意の元(集合) y について,
# その順序対 (x, y) = { {x}, {x, y} } も集合, つまり,
# 集合論で扱える対象, であることが言えるだけ.
# X × Y = { (x, y) ; x ∈ X, y ∈ Y } についての公理ではない.

> すると和集合の公理
> (Yを集合とすると、Y の全ての元の合併Z、
> つまりZ の元はすべてYの元の元となるような集合が存在する)より
> {{y}}をYと見立てると全yからなる集合Zが存在しますよね。

 Y = {{y}} なら Z = {y} ですね.
全 y というのは, 要するに y ひとつです.
ここでは何も新しい集合は出来てきません.

> これはA_1×A_2×A_3×…×A_nになっているのではないでしょうかな?

なりませんね.

> そうでしたね。でもこれももし無限組(a_c',a_c,a_c'',a_c''',…)が
> 集合になる事が言えたなら,
> 上記のように和集合の公理を使えば A_1×A_2×A_3×…が集合となる事は
> 言えませんでしょうか?

言えません.

 A × B という集合の存在には,
対集合の公理, 和集合の公理だけでなく,
冪集合の公理と置換公理・分出公理も必要となることでしょう.
-- 
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp