工繊大の塚本と申します.

In article <3988939news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>
Shinji KONO <kono@ie.u-ryukyu.ac.jp> writes:
> ちなみに上限じゃなくて下限だよね?

上限です.

混乱があるといけないので, きちんと定義を書いておくと,
距離空間 (X, d) の連続曲線γ: [a, b] → X の長さ L(γ)
は, [a, b] の分割 Δ = { t_0, t_1, ... , t_N }
 (a = t_0 < t_1 < … < t_N = b) に対して L(γ; Δ) を
               N
  L(γ; Δ) = Σ d(γ(t_{i-1}), γ(t_i))
              i=1
とするとき,

  L(γ) = sup L(γ; Δ)
           Δ
で与えられます. 勿論, 正の無限大かも知れません.
 Euclid空間では L(γ; Δ) は「折れ線の長さ」ですね.

高校生は曲線の長さが「折れ線の長さ」で「近似」される
ことは知っている筈ですが, 上のような定義は知りません.
「上限」は使えませんから. 従って, 一般に

  L(γ; Δ) ≦ L(γ)

であることも「知っている」とは言えません.

一方, Euclid空間でのC^1級の曲線についての長さの公式
           b
  L(γ) = ∫ |(dγ/dt)(t)| dt
           a
は知っていることになっています. これを使って,

  d(γ(a), γ(b)) ≦ L(γ)

を示せ, というのも問題として成立するかも知れない.

ま, でも気にしない.

結局何でもアリだろうと思います.

         π/2
例えば, ∫ sin t dt = 1 から出発して, 積分に対応する
         0
領域の面積を, その領域を覆う五角形の面積で評価する位
のことでも π > 3.05 は示せます. π > 3.1 は大変です
けれど.

> まぁ、結局、試験ってのは「出題者の意図を理解すること」
> なんだけどさ。

何か面白いことを(そつなく)示せば良いかと思います.

こういう問題を出すということは, 解答者が考えていることを,
解答を *読んで* 理解した上で, 評価しようとしているのです
から.
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塚本千秋@応用数学.高分子学科.繊維学部.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@ipc.kit.ac.jp