# こういう話題にはつい反応してしまう。

<y6ar86kcm4g.fsf@piloo.lightcone.jp>の記事において
NOSPAM@NOSPAM.NO.jpさんは書きました。

> 可換環Aに対して、A加群(の同型類)の集合に、直和とテンソル積で
> 加法と乗法を定義すると、加法については可換半群ですが、それ以外の
> 環の公理は成立しています。この可換半群は、可換群に拡張できるとは
> 限りません。
> 
> たとえばAの無限個の直和に同型なA加群をV とすると A+V = (A+A)+V 
> ですが、加法が群に拡張できるとすると両辺からVを引いて A=A+A となっ
> てしまいます。AとA+A はA加群として同型とは限りませんので、群には
> 拡張できないことになります。

無限次元の加群をひっぱりださなくても、有限次元の加群に限っても

R を実数体, A=R[X,Y,Z]/(X^2+Y^2+Z^2-1) として、
写像 f : A^3 --> A を (u, v, w) --> xu+yv+zw と定義して
E をその核 (Ker(f)) としてやると、
 A^3 と A+E (直和) は(A加群として)同型になりますが、
E は自由A加群ではない ( つまり E と A^2は同型でない ) 

という例もありますね。

桂 英治@(株)横浜インテリジェンス  
(katsura@hamaint.co.jp)