4日目その5 [上台峠〜金山]

泉田字横根山と昭和字昭和一の中間くらいの場所です(地名は地図からの推測)。またまたまっすぐGo! だった国道の正面を遮る, さほど高くはないけれど丘陵が見えて来ました。明確な頂点を持たないこの丘陵は, 泉田川と金山川支流上台川を隔てる段丘です。金山盆地を独立盆地と看做す場合, ここで新庄盆地が終わる事になります。

国道が左に曲がり始めました。これは上台峠を迂回する経路なのです。写真でははっきり見えませんが, 丘陵を越えるまでずっと堀割が続きます。で, 旧羽州街道は, 国道が左へ曲がり始める丁度その場所で分岐している筈……

ありました分岐。実は上台峠って地形図に書かれておらず, この時点では正しい読みも判らなかったんですけど, ちゃんと『旧羽州街道跡 上台峠』って道標がありますよ。安心して国道を離れられます。

……ってちょっと待って。この写真, まだ現R13から撮影しています。最初から2方向に分岐しているんですけど!? 左は2車線で舗装された痕跡がありますが封鎖されており, 右は完全な未舗装路ですが道が続いています。これは一体……? 何やら周辺で工事が行われているようなので, 左は工事用通路, あるいは本来の道ではあるけれど破壊され右に迂回路を作った, とか?

右へ行くことにしましたが, このいかにも人為的に撒かれた砂利のせいでタイヤがグリップせず, 5日間の行程最初で最後の『乗ったまま転倒』をかましてしまいました。ぐはあ。えーと, 怪我は無い, 車体に異常も無い。大丈夫大丈夫, 何が大丈夫か良く判らないけどとにかく大丈夫(by綾小路華恋)。

とても乗っては進めないので, これも行程唯一の『押し』に入ります。結合靴で歩くのは嫌なんだけどなあ。そのために普通の靴も持って来てはいたけど, リュックサックに入れてキャリアに縛り付けていると『取り出しにくい』という致命的な欠陥がある事に気が付きました。炎天下で10分も作業してらんない。

先の写真にも写っていますけど, 峠道を少し進んだところにまた分岐が……嫌な道だっ。でもここは, 良く見ると右にちゃんと道標があるんです。

上台峠は実際には3つの小丘陵を越える道です。最初の直線を歩き詰め, 直角に左折したところに第1の小峠(堀割)があります。つまり下り坂になります。加えて砂利が少なくなりました。……乗れるかな?

……100mも行かないうちにまた砂利が増えました。駄目でした, 無念。

2つ目の小峠がある丘陵上を新庄市と最上郡金山町の市町境が走っているので, 前述の通り地図上に峠の文字は無いのですがそこが上台峠ではないかと推測していました。……ここが上台峠の筈。左折4回右折3回を経た後の左折箇所で, 下り坂になっています。

周辺を眺めた動画→ dscf8878.avi (12.0秒, 14,030,832Bytes)

上台峠道で唯一の分岐点がここ。3つある丘陵の間は2つの沢になっており, 細い農地になっていると同時に, 金山側の沢部で林道が分岐します。左が旧羽州街道です。でもここに『上台峠』っていう案内があったから, あれまだ越えてなかったんだっけと思ってしまいました。多分, 金山側から来た時のためにあるんでしょうね。……とこの時は思っていました。

3つ目の小峠を越える堀割に入りました。……立派な堀割だ!? 後で調べたところ, こちらが本当の上台峠だったようです。この先の金山側には, 荒れていますが結構舗装の痕跡が残っています。

金山の風景が見えて来ました。イザベラ・バードが絶賛したという金山の美しい景色はこれでしょうか? ……いや, 当時まだ明治新道は計画だけで未着工だったみたいですから, 更に以前の古道なのかなあ。どうあれ, 実は木々に隔てられてしまう旧道より, 現R13から見る風景の方が雄大だったりします。

いよいよ金山の町が近付き, 足元に集落がやってきました。峠の名と同じ上台という集落です。

新庄側では殺風景だった上台峠入口, しかし金山側は解説板まで設置されており, 峠道の最後を綺麗に飾ってくれました。

上台集落の外れ, 上台川を渡る手前のところで現R13に戻ります。

金山市街地に入る手前, 農地で視界が開けた向こうに, 金山三峰が見えました。左から薬師山(436.7m), 中の森(415m), 熊鷹森(390m)です。R13は薬師山の左を迂回し, 羽州街道は薬師山と中の森の間にある森合峠へと向かいます。

羽州街道第19の宿場・金山宿は金山小学校に, 『イザベラバード記念碑』があると聞いていました。小学校敷地内となると見るのは難しいかなあ……と思っていたんですが, 行ってみたら敷地とはいえ門の手前の広場で, 自由に入れました。わーい。