Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18)
news.yamada.gr.jp が1週間程止まったままで困っている
携帯@です。
# news.media.kyoto-u.ac.jpのアカウントも何故か返信が来ない…。
# 本スレッドは「神風怪盗ジャンヌ」のアニメ版第40話から
# 着想を得て書き連ねられている妄想スレッドです。
# そういう2次創作物が嫌いじゃ無い方のみ、以下をどうぞ。
この記事は、第174話(その2)です。
Message-ID: <newscache$j0vlqi$nc4$1@news01a.so-net.ne.jp>
にぶら下げる形となっています。
(その1)は、<newscache$7vxlqi$196$1@news01a.so-net.ne.jp>からどうぞ。
では、改ページ後にゲームスタート!!
^L
★神風・愛の劇場 第174話『盲目の愛故に』(その2)
●山茶花本邸・大浴場
山茶花家本邸で一番大きな大浴場。それは、山茶花邸で大きなパーティー等が開催され
る際に、遠方から来た客人達のために作られた宿泊施設の中に設けられていました。
ツグミには、その宿泊施設がどの程度の規模のものか判りませんでしたが、ちょっとし
た温泉旅館ほどの大きさはあると佳奈子から教えられました。
食堂のある建物から車で数分の場所。そこにそれはありました。
「お帰りなさいませ。お嬢様、いらっしゃいませ。瀬川様、全様、大門様」
宿泊施設でも弥白の住む建物と同じように、使用人達がツグミ達を迎えます。
案内を受け、宿泊施設付属の大浴場の脱衣所に向かったツグミ達。
「全様はこちらの男湯にどうぞ」
こちらでも、全は男湯の方へと案内されました。
子どもだし、別に一緒でも良いのに。
そう思うツグミですが、弥白や佳奈子もお年頃の女の子。
やっぱり恥ずかしいわよねと納得します。
女湯の脱衣所に案内されたツグミ達。肌に感じる空気から、確かに脱衣所は大昔に母と
出かけた温泉旅館のそれ並みの広さはありそうです。実際、ここまでツグミを案内してく
れた椿に尋ねてみるとこの施設は百人以上の宿泊能力があるとのことでした。
「お召し物はこちらの籠に入れて下さい。タオルは籠の中に入っています。シャンプー、
リンスやボディソープなどはお風呂の中に備え付けのものをお使い下さい」
ツグミは肯くと何の躊躇いも無く身につけていた黒衣を脱いでしまいます。
すると、ツグミの耳に息を呑む音が届きます。
側に立っていた椿だけでは無く、近くにいた弥白や佳奈子まで、視線をこちらに向けて
いるらしいのを雰囲気で感じたツグミ。
「(変なの、女の子同士なのに)」
そう一瞬思ってから、その変な女の子が自分の友人に居たと思い、ツグミはクスリと笑
います。
「あの、ツグミさん。変なこと聞いて良いですか?」
「何?」
「凄い大胆な色の下着ですね。いつもそんなものを?」
佳奈子の質問を聞いて、ツグミの疑問が氷解しました。
「ああ、これね」
弥白達が、この年頃の少女には似つかわしくない上着と同じ色の下着のことを注目して
いたのだと気付いたツグミは、かつてまろんにしたのと同じ説明を繰り返すことになりま
した。
「見えないというのも色々大変なのね。何か、見なくても汚れを確認する方法は無いもの
かしら」
説明を聞いた弥白がそう呟いた後、ツグミの耳には手帳のようなものを開く音、そして
鉛筆を滑らせる音が届きます。どうやら、弥白は今の呟きを手帳に書き留めているような
のでした。
「もしも、肉眼でも確認出来ないような衣類の汚れを確かめる機械を安く手に入れられる
のであれば、是非買いたいわ」
この若さで既に自分の家の仕事のことを考えているのだろう。
そう察し、ツグミは弥白に呼びかけます。
「……試作機が出来たなら、ツグミさんにモニターテストをお願いするわ」
慌てて手帳を閉める音がした後で、弥白はそう言いました。
「…あ、ありがとう」
「うわぁ。弥白様の下着も素敵です」
「……そうかしら?」
佳奈子は今度は、弥白の下着に感嘆の声を上げている様でした。
「その、ちょっと触っても良いですか?」
「変な娘ね」
この前、私の家で服を脱がした時には確かに上質な下着ではあったけど、形状は普通の
ものだった。特別な日は違うのだろうか…。
とは思ったものの、流石に「触らせて」とは言えなかったツグミ。
「わあ…」
「ちょっと…」
気軽にそのようなことが出来る関係をツグミは羨ましく感じます。
「はあっ」
自分ですら聞こえるか、聞こえないか。
それ位、小さなため息をツグミをつきました。
そして、下着を手早く脱いでしまいます。
「あっ」
すると、またもやツグミは小さな叫び声を聞き、肌に突き刺す何かを感じます。
「瀬川様」
ツグミに手にそっとタオルらしきものが手渡されます。
「あ、ありがとう」
殆ど意識せずに、気にせず脱いでしまったのですが、それ程気にされると恥ずかしくも
なります。ツグミはやや頬を紅潮させ、タオルで前を隠しました。
と同時に、ツグミにちょっとした悪戯心が沸き起こりますが、ここではぐっと我慢です。
「お風呂は何処かしら?」
「は、はい。こちらです」
「あ、ごめんなさい。佳奈子さん。早く貴方も」
一人で先に行こうとしたツグミの後を慌てて弥白は追いかけようとしました。
「ああん。弥白様、待って下さい。あっ」
びたん。そんな音がして、佳奈子は転んでしまったようでした。
「あらあら、大丈夫?」
「大丈夫…でふう」
「慌てちゃ駄目よ」
「すいません……」
「(同い年なのに、まるで姉妹みたい)」
佳奈子と弥白の会話を聞き、そんなことを思うツグミです。
「あうっ」
今度はゴン、と音がして佳奈子の悲鳴がしました。
「佳奈子さん、ひょっとして見えてないの?」
「はい。眼鏡を取るとあまり……」
「だったら、眼鏡をかけていらっしゃい」
「良いんですか?」
「良いも悪いも、転んで怪我されたら大変でしょ」
「はい」
視力が低いのも大変ね。
その時のツグミは自分のことを棚に上げ、そんなことを考えていたのでした。
*
「わぁ〜。広いですね」
大浴場の浴室に入るなり、大きな声を上げたのは佳奈子でした。
「これ、ジャングル風呂ですよね?」
「ええ。向こうには、洞窟風呂。外には露天風呂もあるわよ」
佳奈子の感嘆と弥白の説明。それらから、この宿泊施設の入浴施設が只ならぬ規模であ
ることは理解出来たものの、ツグミはそれらを見て楽しむことが出来ません。
「……でも、私のお勧めはあちらの方の檜風呂。ツグミさんも如何?」
どうやら気を遣ってくれたらしく、ツグミの方を向いて弥白が言いました。
「ええ。檜風呂は大好きよ」
檜風呂であれば、木の香りを楽しめる。
弥白の気遣いをツグミは素直に受け止めます。
「ええっ。檜風呂でこんなに大きいんですか? お風呂で泳げそう……」
佳奈子のその言葉だけで、その檜風呂の大きさが知れました。
それだけの風呂を檜で作るのに、どれだけのお金が必要か…。
詳しくは知りませんが、かなりの金額であることだけは間違いありません。
「洗い場はこちらですわ」
弥白がそう言い、浴槽に入る前に身体と髪を洗うことになりました。
椿の案内で、木の椅子に腰掛けたツグミ。
手桶とシャワー、シャンプー類の類の位置も教えて貰いました。
「お背中をお流しいたします」
備え付けのボディソープを使い、身体を洗おうとした時、背後から椿の声がしました。
「あ、ありがとう」
戸惑いつつも、ツグミは椿の好意に甘えます。
「お背中お流ししますわ」
「あ、弥白様? そんな…」
向こうの方では弥白が佳奈子の背中を流そうとしている様子が聞こえました。
「ふぅん」
「何ですか?」
「意外と、着痩せしているのかと思って」
「な…。弥白様には全然負けますよぉ」
「そうかしら?」
「あぁん!」
突然、悩ましげな声をあげる佳奈子。
思わず、ツグミも耳をそばだてます。
「どうしたの?」
「いえ、ちょっと、その、くすぐったくて」
「ご、ごめんなさい」
「いえ、謝らなくても。あ、後で弥白様のお背中も流させて下さいね」
「私は良いわよ」
二人の方に顔を向けていたツグミは、やがて正面に向き直ります。
弥白達がきゃっきゃっと楽しそうに背中を流しっこしているのを聞きながら、ツグミの
方では椿が黙々と背中を擦っていました。
「あの二人、とても仲が良いんですね」
黙っているのも何なので、ツグミは椿に話を振りました。
「そうですね。お屋敷に出入りされるようになったのは、つい最近になってからのようで
すけど」
つい最近。その部分を椿は強く言いました。
そして何となく椿の擦る力が強まった気がします。
「そうなの」
「学校の友達だそうね?」
「ええ。私も同じ枇杷高校の学生なんですけど」
「え? 高校生だったの!?」
「はい。弥白様付のメイドの仕事は住み込みのバイトです」
「大変ね…」
「でも、楽しいですよ。弥白様のお側にお仕えするのは」
「椿さん…でしたっけ? あなたは弥白さんのことが好きなのね」
「え……ち、違いますよぉ。私は只の弥白様にお仕えする者で…あ、いえ、確かに弥白様
は私のことをお友達だと仰って下さいましたけど、別にやましい気持ちは無くて……」
慌ててそう弁解する椿。
その様子を聞いて、自分の直感が正しいことをツグミは確信するのでした。
「クスクスクス…」
「え…、何か可笑しかったですか?」
「ごめんなさい。弥白さんは、このお屋敷で働いている人に好かれているのね?」
「はい。このお屋敷で働く女性全てにとって、弥白様は憧れの存在です」
きっぱりと、椿は言い切りました。
「それは弥白さんも大変ね」
「え? どうしてですか?」
「私なら、みんなにそんな憧れの目で見つめられたら、息が詰まってしまいそう」
ツグミがそう言うと、椿が息を呑むのが判りました。
「それだけに、普通に接して下さるご友人は、弥白様にとって何にも増して大切なものな
のです。私にも最近、それが判りました」
その様に、椿はツグミの耳元でそっと囁きます。
「ですから瀬川様も宜しければ」
「判ったわ。でも、一つ条件があるの」
「何でしょうか」
「私のことはツグミで良いわ。椿さん」
「ありがとうございます。その…ツグミ様」
苦笑しつつ、ツグミは肯きました。
「それじゃ、今度は貴方の背中を流すわ」
「え? 今は仕事中なので、服を着たままなのですが」
「だったら脱げば良いじゃない。私が脱がしてあげましょうか?」
「え…ええええ〜!?」
椿が思わず、後ずさりしている様子なのが判りました。
「冗談よ」
そう言いつつ、ちょっと残念そうなツグミなのでした。
(つづく)
この調子だと、風呂に二週間程浸かっていそうです。^^;;;;
では、また来週に。
−−−−
携帯@ mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735