石原@ザ・ランスです。

In article <ZF6ad.25$2w.2@news7.dion.ne.jp>, dh.shiozaki@s3.dion.ne.jp says...
>
>大枠、「大気が地表との一緒に動く(相対速度が少ない)のは」の説明
>1)重力だけではだめで、水平方向の動きの説明には、「粘性」が関係する。
>2)普通の粘性ではなく、「渦粘性」「乱流粘性(レイノルズ応力)」とかの
>  だが、「多くの研究者は、あまり関心を寄せていません」世界である。
>===
>(汐崎)

車を止めるにはどうするか?無論ブレーキをかけますね。
ブレーキというのは、車を摩擦で止めるわけです。
もっと言うと、摩擦は車の運動エネルギー(の大半)を熱に変える。
(これは自転車ならブレーキをかけた直後にブレーキのゴムを触ってみれば
実感できることです)。
熱は空中に放散される。これでやっと車の運動エネルギーが消失するわけです。

流体を止める場合はどうか?
たしかに直接止めるのは分子粘性じゃなくて乱流粘性のように見えます。
しかしこれは、流体の並進運動を様々な渦(回転運動)に変えるだけなんです。
車にたとえれば、どっかの軸に端を固定したロープにひっかけて同じ所を
くるくる回転させるようなもの。直進運動はたしかに「消える」けど、
運動エネルギーがなくなったわけではない。
運動エネルギーを熱に変える、つまり摩擦の役割を果たすのは分子粘性しかないんです。
最終的には結局分子粘性によって熱に変わる。

以前に
In article <cjl173$i68$1@news01.iij4u.or.jp>, ishihara@y.email.ne.jp says...
>
>地球自転と同期してない(平均)速度成分がランダム成分、つまり熱に変わっていく
>ということでしょう。
>その速度成分が1.5m/sだとした場合、その運動エネルギーが全部熱に変わるとすると
>私の試算では大気の温度を 0.0015℃上げることになります。
>
と言ったのもこのことを念頭に置いたものです。

そもそも汐崎さんのような人に分子粘性だの乱流粘性だのと説明するのが
適切だったかどうか?ここは大雑把に「粘性」で良かったと思う。
そう思いませんか?>戸田さん

「汐崎さんのような人」というのは別に馬鹿にしてるんじゃないんですよ。
どんな分野でも専門外の人には簡単に説明し難いことってのはある、というだけの
ことです。
これでもし、汐崎さんがさらに興味を持たれて(それはおおいに好ましいことですが)
この過程を計算で確認しようと思って、そのときに分子粘性だけを考えたら、
そりゃ失敗します。
「乱流粘性」はその時になって認識すれば良い。順位としてはそんなもんです。


-- 
 石原 幸男
<Yukio Ishihara of theR.A.N.S.>
 ishihara@y.email.ne.jp
 http://www.nn.iij4u.or.jp/~therans/
黍粥は塩に椰子油にサザエ・イソノ祝う隣で虚仮にするまで(詠み人しらず)