F.K.と申します.

"SEO Shirou" <sessha@myself.com> wrote in message
news:3f523f2a_1@127.0.0.1...

> つまり、食料という財をアメリカとヨーロッパでみれば、アメリカが絶対優位
> であり、衣料という財をアメリカとヨーロッパでみればアメリカが絶対優位で
> ある。アメリカ国内においては食料が衣料に比べて比較優位であり、衣料が食
> 料に比べて比較劣位である。ヨーロッパ国内においては食料が比較劣位であ
> り、衣料が比較優位である。
>
> ですから"Hiyama_J"さんの表現でわたしはよいと思うのです。

なるほど,私の記憶違いだったようです.ご教示有難うございました.また,
Hiyama_J氏にもお詫び申し上げます.


> 戦後の調査ではアメリカは労働力という生産要素を集約的に利用する財が、資
> 本を集約的に利用する財に勝っていて、つまり、労働力という生産要素を集約
> 的に利用して作った財が比較優位な財として輸出されて、資本を集約的に利用
> して作った財は比較劣位な財のために輸入していたということが分かったそう
> です。おどろきですね。

面白いですね.


> ヘクシャー・オリーンの定理は、豊富な生産要素を集約的に利用することで比
> 較優位な財を作ることを言ってると思いますが、この定理は、収穫逓増(生産
> 要素の量を増やせば増やすほど、規模が拡大するほど、生産性があがる)や収
> 穫逓減という場合には、成り立たないことが調査の結果分かったようですね。

収穫逓増(逓減)という,パラメタが変化する条件下には,定理が拡張できない
のは,調査を待つまでもなく,理論的に示せるはずです.(調査からわかること
は,モデルがどれほど現実を反映しているかでしょう.)


> 日本は高度経済成長においては収穫逓増の国でしたし、業種で言えば、マイク
> ロソフトのような知識産業は、自動車のような鉄を加工するような生産産業と
> ちがって、頭打ちのない収穫逓増の産業ですね。独占になることを食い止めら
> れないのではないかというのがアメリカでも問題になっているところですよ
> ね。

「収穫逓増の国」と言う表現には,違和感を感じます.工業化の過程にある産業
は,おおむね収穫逓増であり,それが比較優位であれば,自由貿易で発展しま
す.しかし比較劣位の産業は,自由貿易で壊滅するでしょう.高度成長期の日本
は,自由貿易を行った部分と,ガードした部分があったことを忘れてはなりませ
ん.

また,知識産業を「頭打ちのない収穫逓増の産業」というのは本当でしょうか.



> 日本は、自由貿易を続けていく以外ないし、わが国が、自由貿易を封鎖された
> らこまる。むしろ、自由市場以上の完全市場を目指して、それを世界に広めて
> いくという動きに、なっていくべきでしょうが、そのための障害は、比較劣位
> の産業でしょう。官僚、政治家の巣窟となりやすい。守るために、温床を国費
> で提供するという構図。まさに政治の世界。わが国の、官僚の天下りと族議員
> の温床。わが国が、完全市場で生き延びていくには、なんとも大きな障害。
>
> しかし、わが国は、収穫逓増の知識産業を目指して自由貿易をすすめていく以
> 外ない。ここに新しい理論がでてくればすべて解決する。いかにして、収穫逓
> 増による独占を防止できるか。トヨタのような、鉄の加工産業ばかりに頼って
> いたのではわが国はビル・ゲイツにやられっぱなし。ユビキタスのソフトは
> スーパー301条でアメリカが不当にわが国の画期的発明を押しつぶしたもの。
> 自由貿易国にあるまじき、経済封鎖。わが国はその独裁に敗れたのですね。し
> かし、技術は封鎖できない。トロンというソフトはユビキタスになって世界に
> 広まった。携帯電話にもそのソフトが。
>
> 中国進出の企業が、ダイナミズムのはたらく経済環境下で、利子率の平均化に
> 行くまでの間の、短期?稼ぎという目標をもつというならそんなのは企業の自
> 由だろうが、こんな目先の利潤追求はろくなことにならないでしょう。技術は
> 盗まれる、外部経済はできる。外部不経済も出来る。我民族の反映はそんなと
> ころにはない。
> イノベーション(技術革新)はふたつある。プロセス・イノベーション(生産
> 工程の合理化)と、プロダクト・イノベーション(新製品開発)。
>
> わが国の企業業績は上がっているということになっているが、実態は、にせも
> ののプロセス・イノベーションによるところがおおきい。派遣社員という労
> 働条件の劣化。下請けへの圧迫。さらに、はたらくものの意識は、クレーム対
> 応的なことはさけ、点数評価されることに向く。わが国の、労働者のモラル・
> ハザードと企業のモラル・ハザードはやがて国力衰退の元凶であることが露呈
> されるのではないか。
>
> このような、緊急事態にあるわが国に、真実のプロセス・イノベーションと、
> 真実のプロダクト・イノベーションと、真実のモラルが育ち、完全市場を理念
> とする資本主義精神がそだち、独占を食い止める手法をそだて、収穫逓増の産
> 業に邁進する国家戦略が求められると思うのです。

以上のご意見については,もう少し丁寧に表現していただきたいと思います.そ
うでないと,関連が曖昧なままでいくつかのテーマを性急に並列しているように
しか見えません.

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