吉見です。

しばらくいろんな人の意見を聞きながら何が違うのか見極めていたのですが、
どうもこのへんの認識とか危機感のずれのようです。

NAGAさんの<biacfq$1a4a$1@nntp.tiki.ne.jp>から
>残念ながら電気ストーブや芝刈り機の使用に免許は必要ありません。
>自動車の運転には免許が必要です。
>ですので同じような比較はできません。
>自動車の運転免許というものは、公安委員会がその免許を受けようとする人に
>対し、必要な技量と法知識、モラルなどが備わっているかを見極めて「免許」
>するものです。

(中略)
>>>私見ではありますが。
>>>基本的に自動車という道具は扱いの難しい物であるという認識を、
>>>運転免許を保持する者は忘れてはいけません。
>>>何らかの事故が起きた際、それを自動車の所為にする様では、
>>>免許証を返上した方が良いでしょう。
>
>というのは、まさにそのとおりだと思います。
>というか、「返上」できなければ、公安委員会による「停止」とか「取り消
>し」というのがあるわけで。
>
>ですから、繰り返しますが、車のスペック云々ではなく、あくまでも「免許
>(人)」の問題であって、車(とそのメーカー)の責任ではないと思いますが。
>
>#免許持ってんなら自分の運転には(車種選択も含め)責任をもて。
>#もてない(できない)なら免許を返せ、です。

確かに建前はそうなのでしょうが、現実はそれとはかけ離れていると思いま
す。

犯罪者でも自動車免許を持っています。暴走族の中にも免許を持っているのも
います。そこまでいかなくても、横断歩道に歩行者が渡ろうとするのに停車し
ない、飲酒運転、速度違反、車間距離をとらない、携帯をかけながら、違法駐
車、など、さまざまなレベルの交通違反が日常的に見られます。

もし免許取得者が危険な運転をしない者ばかりだったら、これらの違反はなぜ
起きるんでしょう?
運転免許所持者すべてに安全運転を期待していいのでしょうか?

私はそこまで楽観視できません。公安委員会が発行した免許で保証されている
のは、過去のある時点である程度の技能とペーパーテストを通過する能力が
あって、かつ(違反をしない運転をしてきたかあるいは免許を剥奪されるまで
の違反の発見にいたっていないか)ということだけです。

不正な使用により損害を与えたので免許を剥奪したり本人が責任をとりましょ
うというのは簡単ですが、問題は、その損害がしばしば回復不可能な損害にな
るということです。損害を受けた人にとっては金銭で片付く問題ではありませ
ん。最悪の場合、生命を失ったり一生歩けなくなったりします。西部警察の事
故の被害にあった人にとっては、例えからだが回復しても、夏休みの後半がな
くなってしまったのです。

これだけ不完全な運転者がひしめいているというのに、それに最終的な責任を
負わせて、公道を走ることに不必要で不完全な運転者が操作すると危険な機械
を供給することに不安を感じませんか?

「危ないから引き金をひかないでね」といって子供に実物の拳銃を渡し、鉄砲
ごっこさせるのと何が違うのでしょうか?

もちろん、改善すべき点は運転免許制度で大量に存在する不完全な運転者で
す。免許制度は早急に改善される必要があります。

でも、それがすぐに改善できないのであれば、良心のある製造者であればある
程度フールプルーフな車を作るのではありませんか?


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Takashi YOSHIMI mailto:tak-yoshimi@rio.odn.ne.jp