ご回答大変ありがとうございます。


>> 「Let C([a,.b]) denote the vector space of continuous functions on the
>> closed and bounded interval [a,b]. Suppose we are given a Borel measure
>> μ
:
>> 下記normalizedの定義とTheorem3.5の説明です。
> Hint で使われている Stieltjes 積分の解説が主な所ですね.

(Riemann-?)Stieltjes積分は∫_a^b f(x)dF(x)でF(x)=xの時,Riemann積分と呼ぶのですよね。
そういった意味ではRiemann積分の一般形とも言えますね。
『そこで持ち上がる疑問はR上のBorel集合ら(R上のBorel集合体?)の測度(つまり,Borel測度)で定義でこのやり方で特徴付けられるか
という事である。
下記で分かるように測度と増加関数間での一意的な対応を持つ為に関数のnormalizedが必要である
Fが高々可算個の不連続点増加関数という事を思い起こせば』

そこでlim_{x>x_0,x→x_0}F(x)=F(x_0^+)と定義し直す。つまり,
F(x_0)≠lim_{x<x_0,x→x_0}F(x)≠lim_{x>x_0,x→x_0}F(x)≠F(X_0)となっているところを
Fのx=x_0の定義をF(x_0):=lim_{x>x_0,x→x_0}F(x)に定義しなおし,F(x_0)と書くと従来の孤立点F(x_0)と
紛らわしので
F(x_0^+)と記述するわけですよね(本当ならFではなくGとか別の文字を使って表すべきでしょうが)。
http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/normalized.jpg
のように。そしてこの新しいFを以前のFのnormalizedというのですよね。
そしてこの時,旧Fはx=x_0で左右不連続だったのがnormalized Fでは右連続となるのですよね。
もちろん,旧Fも増加関数だったのでnormalized Fも増加関数。

そして定理3.5は
『[必要性]FがRで増加normalized関数 ⇒R上のa<bならμ((a,b]):=F(b)-F(a)なるBorel測度μ(dFとも表記す
る)が一意的に存在する
(つまり,任意の半開区間(a,b]でμ((a,b])=ν((a,b])=F(b)-F(a)ならBorel集合体上でもμ=ν)。
[十分性]μが有界区間で有限なBorel測度でF:R→[-∞,∞]をF(x):=μ((0,x]) (x>0の時),F(0)=0,-μ((-x,
0])

 (x<0の時)と定義 ⇒Fは増加normalized』
という意味ですよね。


>> 問題9のみについての質問です。 問題9の趣旨は
>> 『μ をBorel測度とする時, μが有限 ⇔ψ:f→L(f)::=∫_a^b f(x)dμ(x)は線形汎写像をなす』
>> で十分性を示せという 事だと思います。
>> ヒントの内のF(x)が線形汎写像になる事を用いて

正確には 『μ を[a,b]での有限なBorel測度とする時, "μが[a,b]で一意的
⇔L:C([a,b])→R;C([a,b])∋∀f→∫_a^b f(x)dμ(x)はpositiveな線形汎写像をなす"』
ですよね。


> F(x) は [a, b] 上の単調増加関数です. それを用いた
> Stieltjes 積分で, 与えられた線形汎関数は書けることを
> 示そうというわけです. 勿論, Stieltjes 積分には
> Borel 測度が対応します. それが Theorem 3.5 です.

つまり,要約すると,
"μは[a,b]でのBorel測度でf→∫_a^b f(x)dμ(x)なるL:C([a,b])→Rはpositiveな線形汎写像をなす" ⇒
"μは[a,b]で一意的"
を示すのに
"μは[a,b]でBorel測度でf→∫_a^b f(x)dμ(x)なるL:C([a,b])→Rはpositiveな線形汎写像をなす"
⇒"(L(f)=)∫_a^b f(x)dμ(x)=∫_a^b f(x)dF(x)を満たすR上での増加normalized関数でa<bならμ
((a,b])=F(b)-F(a)なるFが採れる"
⇒Theorem3.5の必要性
⇒ μは一意的。
という構図になろうかと思います。

>> μが有限Borel測度である事を示せという意図だと推測します。
> ちょっと注意すると, [a, b] 上の連続関数 f に対する
> 線形汎関数 L(f) が積分 ∫_a^b f(x) dμ(x) として
> 書けるなら, 定値関数 f = 1 に対して, L(1) = ∫_a^b 1 dμ(x)
> = μ([a, b]) ですから, μ は有限な測度です.

∫_a^b 1 dμ(x)=∫_a^b χ_{a,b] dμ(x) =μ([a,b])=b-a<∞となるのですね。
という事で

"μは[a,b]で有限なBorel測度でf→∫_a^b f(x)dμ(x)なるL:C([a,b])→Rはpositiveな線形汎写像をなす"
⇒"(L(f)=)∫_a^b f(x)dμ(x)=∫_a^b f(x)dF(x)を満たすR上での増加normalized関数でa<bならμ
((a,b])=F(b)-F(a)なるFが採れる"
⇒Theorem3.5の必要性
⇒ μは有限な一意的。

と更に書けますね。


> a ≦ c < d ≦ b なる c, d について μ((c, d]) は
> 特性関数 χ_{(c, d]} の積分 ∫_a^b χ_((c, d])(x) dμ(x)
> で与えられますが,

これはとても参考になります。


> もしそれが L(χ_{(c, d]}) だと出来るなら
> μ はそれで見つかったことになります.

この時,0≦χ_{(c,d]}で0≦∫_a^b χ_((c, d])(x) dμ(x)でLのpositiveの条件を満たし,線形性も満たします
ね。
勿論,μは有限で,a<bならμ((a,b])=F(b)-F(a)なるFとしてF(x)=xと採れば明らかにFは増加normalizedになってま
すからTheorem3.5が使えてお仕舞いなのですね。


> 残念ながら
> χ_{(c, d]} は連続関数ではありませんから L(χ_{(c, d]}) は
> 定義されていません.

なるほど。


> しかし, a ≦ u < b なる u と u + ε < b なる正数 ε について,
>  f_{u,ε}(x) = 1  (a ≦ x ≦ u),
>  f_{u,ε}(x) = 1 - (x - u)/ε  (a ≦ x ≦ u),
>  f_{u,ε}(x) = 0  (u + ε ≦ x ≦ b),

(a ≦ x ≦ u)→(u ≦ x ≦ u+ε)ですね。


> として f_{u,ε} を定義すると, これは連続関数ですから
> L(f_{u,ε}) が決まります.

そうですね。L(f_{u,ε})は定義できますね。


> もし, L が μ による積分で定義されているのであれば,
> lim_{ε→0} f_{u,ε} = χ_{[a, u]} ですから
>  lim_{ε→0} ∫_a^b f_{u,ε}(x) dμ(x)
>  = ∫_a^b χ_{[a, u]}(x) dμ(x)
>  = μ([a, u])
> になります. これが

今,
"μは[a,b]で有限なBorel測度でψ:f→∫_a^b f(x)dμ(x):=L(f)はpositiveな線形汎写像をなす"
⇒"(L(f)=)∫_a^b f(x)dμ(x)=∫_a^b f(x)dF(x)なるR上での増加normalized関数でa<bならμ
((a,b])=F(b)-F(a)なるFが採れる"
⇒Theorem3.5の必要性
⇒ μは有限で一意的。
を示しているので f_{u,ε}をRに写すL、L(f)=∫_a^b f_{u,ε} dμが,positiveと線形性を満たす事を示せばいいでの
ですよね。
従って,L(f_{u,ε})=∫_a^b f_{u,ε} dμ=lim_{n→∞}∫_a^b f_n_{u,ε}dμ (但し,f_n_
{u,ε}は定義関数列)
=(中略)=u+ε/2 (∵Borel測度の定義よりa≦a'<b'≦bならμ((a',b'])=b'-a'なので単関数列の積分の定義)で
Lはpositiveで線形性も満たしますのでLは確かに線形汎写像になってますね。


>  F(u) = lim_{ε→0} L(f_{u,ε})
> を考える理由です.

> μ((c, d]) = μ([a, d]) - μ([a, c])

これはBorel測度の定義 x≦yならμ([x,y]):=y-xですね。

> = F(d) - F(c) になりますね

そうですね。このようになりますね。
つまり,f_{u,ε}は連続なのでL(f_{u,ε})は定義できてpositive&線形で,F(u)=∫_a^b χ_[a,u]dμ=μ
([a,b])=u-a=F(u)-(a).
よってTheorem3.5が使える環境が整ったという訳ですね。


> .  因みに, F(a) = μ({a}),

F(a)=μ([a,a])=μ({a})(∵[a,a]={a})

> μ({b}) = L(1) - lim_{u→b} F(u) です.

μ({b})=μ([b,b])=b-b=0
L(1)-lim_{u→b} F(u)=∫_0^b 1dμ-lim_{u→b}F(u) (∵Lの定義)
=∫_0^b χ_[0,b]dμ-lim_{u→b}F(u)
=μ([0,b])-lim_{u→b}F(u)=b-0-lim_{u→b}F(u)=b-b=0
でうまくいってます。


> ですから, μ があるとすると, μ はこの F から定まります.
> そこで, 先ず F から出発して何が示せるか見ようというわけです.

ありがうございます。見通しよくなりました。


> 先ず, F(u) が単調増加関数であり, 右連続であることを示しましょう.

normalizedとはもし不連続点があればそこでは右連続になるというだけの事なので特に連続なら当然normalizedですよね。
f_{u,ε}のグラフは
http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/f_epsilon.jpg
F(u)は
http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/F_u.jpg
の面積を表していますよね。それで
http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/f_u_graph.jpg
がF(u)の区間[a,b]でのグラフになりますので増加&normalizedは言えますよね。

ん?? 関数Fは[a,b]で連続だったのでnormalizedなんて概念は必要ないように思いますが…。
どこでnormalizedの話は登場するのでしょうか?


> それで定義した Stieltjes 積分での f の積分と L(f) が一致すること
> を示せば, 殆どお仕舞いです.

∫_a^b f_{ε,x}dμはどのように計算するのでしょうか? 図から(u-a)+εu/2の値になると思いますが。
一方,∫_a^b f_{ε,x}F(x) もどのようにして計算するのでしょうか? すいません。

ところで改めら読み返してみると
「∀f∈C([a,b])に対しL(f)=∫_a^b f(x)dμがpositive&線形を満たすような,有限なBorel測度μが採れればそれは
一意的である」
という事を示すのが問意ですよね。それで証明の手順は

「∀f∈C([a,b])に対しL(f)=∫_a^b f(x)dμがpositive&線形を満たすような,有限なBorel測度μが採れたとする」
(実際に採れた)
↓
「a<bならμ((a,b])=F(b)-F(a)でL(f)=∫_a^b f(x)dF(x)なる増加&normalizedな関数Fが存在する」
(実際に採れた)
↓
μは一意的(∵Theorem3.5)

ですよね。で,実際にBorel測度μを採ると有開区間[a,b]ではμ([a,b])<∞(∵Borel測度の定義).
,∫_a^b f(x)dμにおいて,f≧0なら∫_a^b f(x)dμ≧0 (∵Borel測度定義)なのでLはpositiveになっていて,線
形性も明らか。それでもってTheorem3.5が使えるFが採れたのでこのμは一意的,勿論有限。 とうまくいってますね。



> これと上の問題がどう関係するのでしょうか.

すいません。誤解していたようです。