杉下です。

In article <423682D6.4760F3A4@ht.sakura.ne.jp>
 IIJIMA Hiromitsu <delmonta@ht.sakura.ne.jp> writes:
> そのとおりです。しかし、首都圏には「近距離の乗車券は最短距離で計算する」
> という別の規定があります(大都市近郊区間制度)。回数券や定期券の場合にそ
> れと混同するのはやむをえないでしょう。

  やむを得なくないです。

  普通乗車券のきまりが定期乗車券にも適用されるなどと決めつけるのは、旅
客の側の勝手な拡大解釈に過ぎません。

  約款では、普通乗車券のきまりと定期乗車券のきまりは、明確に区別されて
いるのですから。

> 湘南新宿ラインの経路が西大井→品川→新宿→田端→赤羽として計算されること
> は、一般に手に入る範囲の資料には書いてありませんし。

  田端?

  それはないと思います。

> ・消費者が約款をよく読まずに契約する

  本件の場合、消費者が約款を読まずに契約するのは、完全に消費者側の勝手
であり、事業者側には何の責任もないのですから、それを理由に約款に反する
取り扱いを求めてはいけません。

# 旅客営業規則を見せてくれない係員が現存していたとしたら、そりゃ、話
#は別ですが。

> ・事業者が一方的に決めた約款を消費者は拒否できない

  拒否できますよ。

  今まで、明らかに消費者側(旅客)が不利であると考えられる事項が消費者
側の指摘によって改定された例は、少なからずあったと思います。

> ので(鉄道の場合は両方に該当)、一定の条件を満たせば契約を無効にできる
> (正確には「無効」と「取消」のどちらだったか…)、消費者契約法という強行
> 法規が作られることになったのです。

  第4条各項で規定される、消費者側による契約の取り消しですね。

  この「一定の条件」とは、事業者側が、消費者側に対し、事実と異なること
を告げたとか、消費者側の不利益となる事項を告げなかったなど、事業者側に
不手際があった場合のことです。

  本件の場合、事業者側は、消費者側に対し、「乗車経路のとおりのきっぷを
買わなければならない」という事実を正しく告げている(くどいようですが、
それを無視するのは消費者側の勝手です)のですから、明らかに、「一定の条
件」には含まれませんよね。
--
Yoshitaka Sugishita  杉下 宜隆  sugishit@po.ntts.co.jp