古寺です。
詳細有難う御座います。

Yuuichi Naruoka さんwrote:

> さすがNHK)。また積雪対策云々ですが、「上越新幹線は車体から線路に落ちて
> 跳ね返ってきた雪の衝撃を防ぐ為に車体下部にガードが設けてある。そのガードが
> うまく線路の上を滑ったのだろう。」とのことでした(つまり重心云々は関係無かった)。
> むしろ3名とも「車両は下部の方が重いのでそうそう簡単には横転しない」と言って
> いました。

この部分、重心とは何ぞやを分かるように仰ったのではないかと思います。
下部が重いというのは書いたと思いますけど、「車体」軽量化を進めると
相対的に下が重いまま残る傾向が有ります。
但し、背の高い通勤・近郊車で、床下スカスカのT車で、屋根上エアコンを
そのままとかだとその限りではないわけですが。有る意味、そんな配置でも
通常走行では充分安全マージンが有るくらいなんで、空力重視で背を下げ
屋上機器も極力減らした最近の新幹線アーキテクチャーだと、重心に関して
は滅茶苦茶有利ですね。ただ、ここの事故要因に関しては複合的になってく
るので、あくまで重心についてはとしておきます。

#狭軌線の1067mm軌間で3m幅の車両って事自体、かなりヤジロベエ的バラ
#ンスの上に有るなぁと前から思っていました。
 
>  興味深かったのは、上越新幹線は線路がスラブ構造になっているので中央部に
> 溝があるのに対し東海道新幹線はバラスト構造で平面なので、むしろ横転し辛いだろう
> と言っていたことです。

これも多分、一概にどちらが危険かは分からないという話としてだと思いま
すよ。線路配置の標準断面のような物は有っても、分岐器部分を通過する瞬
間とか、配線都合で上下線間が開くとか、間に何か有るとか... 日比谷線の
時は、かなり早い段階で衝突地点付近に保守車両置場が有って、それの横取り
が有ったはず...と書きましたよね。結局これ、軌条の案内を失った車両が
大きく逸れるのに、やはり関係していましたよね。
で、バラストの軌道ですけど、
・新幹線の場合、道床が目一杯厚く盛ってある
・その関係で、通常の上下線間のところでも左右間で多少低い部分(傾斜)が
 有る(線間が開く部分など、高架の床が見えるところが有るが、かなりの高
 低差)
という認識で。結局は確率、期待値の話のように思えるのです。
今回の場合、雪落しの部分が深いから最後尾は「落ちた」のですけど、その
ままハマって引きずられてで下手に進路が乱れず、都合が良くも有ったんで
すよね。
最初少し見た範囲でも(好運を強調したいげなリードが目立ちましたが)いい
のか悪いのか、コメントによって入り乱れていたような。
 
>  ただ「軽量化」に近いであろうコメントとしては、「今回の脱線は直下型地震で車体が
> 上に跳ねた為に起こった」というものがありました(縦揺れですからね)。これならば
> 確かに重心云々ではなく重量そのものが効いてきそうです。ちなみに2名が鉄橋の

輪重が抜けた程度でなく、(イメージ先行らしきキャスター等のコメントの
節々に感じる)フランジ高以上にジャンプしたような話だと、多軸が脱輪し
てるわりには静止時点で整列が乱れていないように思うのです。
別記事に書いたように、夕べ遅くから今朝に掛けて丸っきり続報をチェック
している余裕が無かったのですが、既にこういう記事は出ていたようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041026-00000001-yom-soci

#一様の方向にずれたように見えたのは、たまたまなのかなぁ...

今以って重けりゃ助かる話かというと、非常に疑問なのは変わっていないの
ですけど。上の記事に有る、高架構造が場所場所で異なるので、線形上で揺
れ方のモードが変わるというのは、確かにそうだろうなと思います。

#場所によって高さの異なるビルの中に居ると、その高さ違いの境界部床・
#天井に、橋梁に見られるような継目が有って。バイトしていたところの電
#算室なんですが、震度4で継目のギザギザがぶつかり有って。周期の違い
#というのを実感させられた事が有りました。

> 確かに重心云々ではなく重量そのものが効いてきそうです。ちなみに2名が鉄橋の
> 例をひいて、「脱線してもその後のフォローの方法はある」と解説していました。ただ
> 一方は「これが現実的な解決策だろう」としていたのに対し、もう一人は「東海道新幹線
> 全線にこれを行うのはコスト面でかなり大変だろう」と言っていました。

鉄橋の例というのがよく分かりませんけど、これも日比谷線の際にも出た護輪
軌条か脱線防止ガードの事でしょうか? 脱線防止ガード(アングル)は最近の
線路でも多く見られる、レールの内側にフランジ+アルファ幅の隙間を持たせ
た逆L配置のアングルで脱線そのものを防ぐもの。護輪軌条の場合、踏切の
ゲージ間の床板を囲むようについてるのとか、分岐器パーツとしてのそれとか
脱線防止ガードとほぼ同義の効果を持たせてるものも有って意味としては広い
(防止アングルも多分広義では含む)のですけど。他に、脱線してフランジが
道床にタッチした後に逸れていって崖から落ちないようにとか、鉄橋から転落
しないようにとか、トラスにぶつからないようにとかのために配置してあるも
のが多々有ります。
前者の防止アングルは一次のところで脱線そのものを防ぐものですけど、地震
で軌道破壊云々というケースに関してはどうかなと思います。
後者の、もとのっぽい護輪軌条の方は、線路を眺めていると2本のレールの内側
にかなり狭く(ゲージで半分くらい)もう2本レールが置いてあって(交換用で
はなく、常設で)、一見4本レールに見えるようなのが有りますけど、それです。
やり口としては、防止アングルが多分'6〜70年代以降なのに対して昔から有り、
脱線は起きるがその後最悪事態は防ぎたい的な設置になっていますね。
近年は軌道の状態も車両も良くなり、一次のところで脱線防止とするのが主流の
ようで、真新しい線路では(上記、分岐や踏切パーツ以外では)あまり見かけ
ませんけど。
上で、スラブだからバラストだからと言っても敷設が一様ではないから...と
書きましたが、逆に言えば「ここに脱線車両が来たら大きく逸れてしまう」と
いうポイントでは使いようが有るかもしれません。
けど、最後尾車が進行45度の角度で斜行してきてからなんらかのガードとタッ
チとかなると、それが結局トドメでひっくり返す事にもなりかねませんし。
付け方などはかなり難しいはなしになるかと思います(逆効果の無い付け方が
出来るか)。

#この手の追加レールやアングル、機械保線の観点からはあんまり付けたく無
#さそうです。深夜に大がかりな保守が入るらしくて、数日間アングルが外れ
#てたというのなどを見た事が有ります。旧営団の場合、日比谷線以前に他社
#に比べると全然ついていなかったというのが新聞に取り上げられましたが。
#あれはあれで、レールそのものの保守(実はそこで間違った削り方をしたのが
#直接原因だった)とか、輪重管理(設計)への関心などからの自信で、得失
#考えて付けてなかったっつー話だったように記憶してます。
##数年前の記憶なんで、自分の解釈が混じってるような気もする。