ども、みやこしです。

Kaz Hagiwara wrote:
> 
> Miyakoshi Kazufumi wrote:
> > それ以前に、萩原さん自身も書かれているように、現在の自動二輪免許取得
> > 時にも行なわれていない路上試験を、何故原付免許の移行についてのみ行な
> > う必要があるのか?という点が引っ掛かります。実技試験を課すのであれば、
> > 普通二輪の小型限定と同じでいいと思います。
> 
> まず、提案しているのは、原付廃止にともなう免許移行のための期
> 間限定(たとえば5年間)の特別な試験制度であるということが前
> 提です。

結果として技術が付いていない免許保持者が増えるとしたら、期間限
定かどうか、というのはあまり関係無いと思います。
で、何故技術が付いていない免許保持者が増えると思うかというと、
なんですが…。

> 昔、自動車免許に限定解除付の二輪の免許がおまけでついてきたか
> らと言って、そんなものに乗りたくもない人がいるように、普通自
> 動車免許に原付免許が付いてきたからといって、原付にこれまで一
> 度も乗ったことがなく、乗る気もないひとがいますが、こんな人の
> ための試験ではありません。こういう連中は5年の移行期内に二輪
> 運転のために免許のアップグレードなんかする気もないでしょう。

そうかもしれませんが、そういう連中がアップグレードに来ない、と
いう保証は何も無いわけですよね? 無くなる、と聞いた途端に今ま
でさほど気にしていなかった物を欲しくなる、というのはよくある事
ですし。

> 普通免許のおまけで原付に乗っている人なら、まあ筆記試験は原付
> 専用より高度だったはずだから免除してもいいし、四輪免許だから
> 自動車としての交通への参加の仕方も、自動車の挙動も把握してい
> るはずだから、それなら講習会参加程度で小型二輪免許にアップグ
> レードしてもいいとも思います。

で、講習会に参加すれば誰でもアップグレードできる、となれば、と
にかく駆け込みでアップグレードしておこう、と考える人が続出する
かもしれません。そういう可能性があるのに、「参加するだけでいい」
という性格の課題で済ますのは問題が大きいと思います。何せ、参加
者の中には、ひょっとしたら今まで一度も原付に乗った事も無い人だ
っているかもしれません。「こういう連中は〜する気もないでしょう」
という、いわば希望的観測を根拠にするわけにはいかないですよね。

となると、講習会形式にするにしても、一定の技術レベル(すなわち
普通二輪免許小型限定のレベル)はクリアさせる必要があると思いま
す。技術レベルが足りてない人には、できるまで補習を受けさせるわ
けですね。そうなると、結局、今の普通二輪小型限定の免許取得の課
程と何が違うの?という話になってしまいます。

> 問題なのは、原付専用免許を持ち、ふだんから原付を運転している
> 人たちです。こういう人は、ある程度、路上での二輪運転経験があ
> りますが、それは「原付」というかぎられた世界の物です。
> 
> そういう人のための試験ですから、要は、原付のための(制限を受
> けた)路上での走行方法と、二輪自動車の(普通の)路上での走行
> 方法の差分を埋めてやるだけでいいわけです。だから、たとえば、
> 30km/hを越えた速度での走行、トラフィックの流れへのスムーズな
> 乗り方、右車線に車線変更してからの右折などがちゃんと出来てい
> るかどうかを見るだけの限定的な試験にパスすれば、原付免許を小
> 型二輪免許にアップグレードしよう、というものです。

これも、現実問題として実現できるかというと疑問です。

何せ、普通二輪の小型限定を限定解除するのにも、現在は所定の技能
教習+卒業検定か、実技試験をクリアするかしなければなりません。
小型限定なんて、限定無しの普通二輪と比較して、高速道路を走れな
い程度の差しか無いのに、です。技能教習こそ少ない時間で済みます
が、卒業検定や技能試験は差分のみのものではありません。
(私はその限定解除を教習所でやったクチなんですが、その技能教習
 も時間が少ないだけで、やらされる課題は結局同じだったような。
 単に、一つ一つの課題をこなせるようになるのが早いので、結果と
 して教習時間が少なくて済む、というだけの話でした)

なのに、学科試験と技能講習しか受けていない原付免許で、そのよう
な差分のみの限定的な試験だけで上の免許を与える、という案が通る
とはちょっと思えないです。原付免許の取得時期によっては、技能講
習さえ受けていない人も居るわけですし。そうなると、原付免許を持
っている、というだけで、小型限定免許を初めて取得する人と比較し
て、あまりにも簡単に小型限定免許を得る事ができてしまいます。

そしてこれを認めてしまうと、他の上位免許への移行も、差分の試験
のみでよいのではないか、という話になります。これは期間限定だか
ら、というだけでは少々説得力に欠けます。

その試験の受験者が、どの程度の運転経験を持っているかは判断でき
ない(ペーパーライダーだって居るかもしれない)のですから、結局、
同じ免許を与えるなら同じ課題をクリアさせるべきだ、という事にな
ると思います。

と、長々と書きましたが、以上は全て現在の免許制度を前提にしてい
ます。ご存じのように、近々自動二輪のオートマ免許が導入されます。
これで、原付からの移行やメーカーの動きがどうなるか、ですね。少
なくとも、原付免許と普通二輪免許小型・オートマ限定との差は、今
までの小型限定との差よりも縮まると思われますが、もしかしたら、
これが原付免許見直しのきっかけになるかもしれません。

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宮越 和史@大阪在住(アドレスから_NOSPAMは抜いてください)
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